明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



昨年の3月7日のブログで、最近の手法の第一作、周囲にヒトダマを受かべた円朝がこちらを見ているバストアップの構想を書いている。しかしそこからが長い。顔を直したり、先に牡丹灯籠の灯籠を制作したり、鏑木清方の円朝図が写真と違うことにも、私が評伝その他から読み落とした円朝があるのではないか、と疑心暗鬼になっていた。ヒトダマを筆で描くことを思い付いたは良いが、なかかな上手く描けなかった。 それを“作り終え撮影してしまうと、あれほど愛情を持って接していたのに、くるりと背を向け煙草を吸ってしまう。そんな自分を判っているので、今のうちに逢瀬を長引かせ楽しんでおきたい。そんなところであろう”などと書いている。自分で読んでいて、ふざけるなこの野郎何をぬかしていやがる。しかしこの間も日本画と陰影のことを考え続けていた。今までやって来たことと違うことをするのはそう簡単ではない、と言い訳しておこう。 結局一作目が完成したのが翌4月の24日である。陰影を出さずに、という構想どおりにできたはずだが、その時点ではまだピンときておらず、鏑木清方の圓朝図へのオマージュとして同じ構図で制作することをいっている。こういうことをしたかったのか、と自分ではっきり認識したのはそのオマージュ作品が出来たときである。それでもまだ完全には把握しておらず、何だか判らないで作ったでは馬鹿みたいなので、後で、始めからそうするつもりで考えてやっていたことにしよう、などと書いた覚えがある。というわけで、始めからこうするつもりで計画通り日々制作している私である。

銀座青木画廊「ピクトリアリズム展Ⅲ』5月12日(土)〜5月25日(金)20日(日休)

2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』 youtubeより

『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載7回「“画狂老人葛飾北斎”」

HP

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