明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



初日。室生犀星は撮影に間に合わせる事だけを考えてやって来たので、展示するには少々手直しが必要である。結局2時に到着。眼鏡にレンズを着けていられなかったが、また持ち帰り、というと事故の元なのでそのままにする。このサイズのこんな物が被写体だ、と伝えるためのものであるし。昔は手の内を明かさない方が不思議がって貰える、と考えていたが、日本人は、これはこうしています、と説明しないと、眼に灯りがともらないまま帰ってしまう、と言うのを随分体験してきた。野暮だと思いながらも説明はいるだろう。 最初の写真展で被写体も展示したにもかかわらず、人形を作りながら、写真は人間を撮っている、と思った某雑誌記者がいた。相当おっちょこちょいとは思ったが、このままでは、人形作って過去のジャズ、ブルース写真を真似して作る人になってしまう。冗談じゃない、と1年で作家シリーズを始めた。しかし、気球に乗った乱歩でさえ、本人の実写だと思う人はいる。考えてみれば、ここがこうなっていると実写に見える、という人の思い込みを利用してきたのは私自身なのであった。ここへ来て始めた手法は、誰がどう見たって作り物である。ようやく初志が叶ったといえるだろう。 会期中常駐は無理だが、初日、タイトル、プライスカード、頼まれた簡単な解説、何も用意されていなかった。明日も何時とはいえないが会場に行く必要があるかも知れない。

『我が肌に魚まつわれり』 

7月17日~8月4日本郷『金魚坂』にて。

【タウン誌深川】〝明日出来ること今日はせず〟連載第15回『美容院には行かないで』

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『石塚公昭 幻想写真展 生き続ける作家た18年7/25~9/2 リコーイメージングスクエア銀座ギャラリーA.W.Pyoutubeこ2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』 youtube

 



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