犀星三体目、乾燥に入る。ひたすら忍耐の頭部が出来れば、それに反して一気に行く。人物の佇まいを決定するのは私の場合はこの工程である。良いか悪いかはともかく、奇妙な弾き方をする黒人ギタリスト調ではあるだろう。人を作るのに、他人の描いたイメージ、表現から学ぶべきではない。あくまで自分が感じたホンモノの人間から得たイメージが大事である。独学の私は、人の作品見て感心しているのは自分のためにならない、と判断した。博物館にでも行ってみれば、親から子、師匠から弟子、先生から生徒ヘ、受け継がれて行けば、経験が上乗せされて良くなって行くはずが、必ずしもそうはならず、今では作り方さえ判らない物まである。私は自分の感じた事だけで行こうと思った。それを改めて考えさせられたのが、鏑木清方の三遊亭円朝像である。私の見た写真とは顔が違う。〝巨匠〟清方である。私に見落としがあるのでは、とあらゆる伝聞の類いを読みあさった。結果、円朝と親しく交わった幼い頃の円朝のイメージが加味されている。親しく交わった事のない、後年、残された写真から解釈する私がやるとこうなる、とあえて同じ構図にし、清方にも、私は私だ、といいたかった。ブルース・リーの〝考えるな感じろ〟は全くその通りである。 二体目の坐像は、乾燥を終えているので仕上げに入る。
『我が肌に魚まつわれり』
7月17日~8月4日本郷『金魚坂』にて。
【タウン誌深川】〝明日出来ること今日はせず〟連載第15回『美容院には行かないで』
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『石塚公昭 幻想写真展 生き続ける作家た18年7/25~9/2 リコーイメージングスクエア銀座ギャラリーA.W.Pyoutubeこ2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』 youtube