明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



小学生の時に、同級生の影響で熱帯魚飼育を始めた。得にジャック・デンプシーというかつてのヘビー級ボクサーの名前がついた魚にはまり、以来、シクリッド科のブルーの輝きにはまったのだが、この種は光の縄張り意識が強く、混泳が難しい。色々飼うには水槽の数が必要になる。繁殖もさせたが、求愛行動が激しく、メスのヒレがボロボロになったりした。それを考えると金魚は、新たに仲間に加えても、以前からいたような顔をして、一緒に餌に食らいついている。なので、次から次へと飼いたくなってしまうのだが、その分換水の頻度も高くなり、水槽内が過密になると、それに応じて成長も止まってしまう。 寒山拾得の出演メンバーも決まり、これで落ち着くことになるだろう。どうしてもということになればベランダのトロ 舟がある。しかし本来金魚は上から眺めるものらしいが、私にはその良さがわからないのであった。 昔はお岩さんのように見えていた金魚の肉瘤が、色とりどりのキャンディに見えるようになってしまってからは、正面の顔がまた可愛い。やはり水槽で眺めたい。 水に隔てられているせいで、犬猫の飼い主のようにキャッキャキャッキャと親バカぶりを発揮すふことなく、ただ無表情に金魚の動きを追うだけだが、気がつくと半沢直樹が残り15分になっていたりするので気をつけなければならない。 そういえば幼稚園からの付き合いで、熱帯魚を飼うきっかけになった友人が、金魚に転向し、らんちゆうを増やしているのを思い出した。子供の頃、二人で江戸川の養殖場を見つけ、それはただの水田に金魚がいっぱいいるだけに見えて、入ってしまって叱られた。彼は教室の金魚が病気になり、ビタミン不足だと聞きかじり、家から持って来たレモンを水槽に絞った。三年程前に、たまたま地元で会ってお茶を飲んだが、まだらんちゆうを続けているだろうか。久しぶりに連絡してみたい。

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