明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



陰影のない作品では、瞳をデータで描くことにしている。手描きでは小さくて綺麗に描けないからだが、さらに茶色にしている。これは現実ではなく私の頭の中の住人である、と表明したくもあり。今回は灰色にしようかとも思っている。 仙人が住むような山といえば中国は安徽省の花崗岩が隆起した奇岩の景勝地、黄山だろう。最終的に作ることにしたのは、このイメージのためである。様々な施設に実物大の人工岩を樹脂で作る人に、包丁のような物で、岩のディテールを作る、と聞いたことがある。カッターでやってみよう。かつての日本画の空気遠近法も使ってみるが、さらに黄山といえば奇岩にまとわりつく雲である。仙人はかすみを食うというし。私も空気で腹を満たせないか、と昔何度となく練習したが、ゲップと共に終わった。 また厄介な親知らずのように斜めに生えた松。人工の風景には盆栽の松が似合うはずである。最初は職人が崖に斜めに生えてるような松を採取してくると聞いた。 画像は大谷崎には文部大臣賞クラスの盆栽が相応しい、と、やってみた作品である。

 



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