夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

「バベル」

2007年05月16日 22時55分14秒 | Weblog
 銃はあると持ちたくなる、そして打ちたくなる…。父から預かった、ヤギを襲うジャッカルを退治するためのライフルが国際テロへと発展するとは。
 モロッコで放たれた一発の銃弾が、観光バスで旅行していたアメリカ人スーザンに命中する。スーザンの夫のリチャードは、辺境な村で救助もままならない環境に苛立ち、焦る。 しかし、その一発の銃弾が、アメリカとモロッコだけでなく、メキシコと日本をも巻き込んで事態は発展し、物語を紡いでいく。
 世界にバラバラになってしまった言葉では、もはや互いを理解することはできないのか、わかりあえることはできないのか。ラストに注目である。
 世界には、文化の違いがある。それを間違っているとか間違っていないとかは実のところ判断できない。それに伴い、生活レベルの違いが生じることがあるかもしれないが。それぞれの地域で、場所で、それぞれの気持ちを伝えない、だが簡単には伝わらない。現在のバベルの住民は、自分たちが抱える問題を解決する方法を見つけることができるのか。
 この映画、アメリカをちょっと皮肉った視点に置いているのが、ポイントであろう。
 ご存知のとおり、作品賞、監督賞、助演女優賞(菊池凛子)などアカデミー賞6部門、7ノミネートされた話題作。確かに、菊池凛子の演技は孤独感が漂っていてすばらしい。ブラピも゛ハリウッドオーラ゛を消して映像にとけ込んでいる。監督は「21グラム」のアレサンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ。