原作者の佐藤泰志は、村上春樹や中上健次らと並び評されながら、90年に自らの命を絶った。タイトルとなっている“海炭市”は架空の都市だが、彼の故郷である函館がモデルだ。この映画では、18の短編の中から5つを選び、脚本化された。
海と炭鉱の町“海炭市”。市民の生活を支えてきたとも言える“海炭ドック”が不況により業務が縮小。海炭ドックを解雇されてた兄妹は、お金をかき集め、初日の出を見に山へ登る。プラネタリウムに勤める男は、妻に裏切られていた。また、ガスを売る会社の若社長は、会社がうまく回らず、いつもイライラしていた。
というように、いくつかの家族が登場するオムニバス形式。それぞれに問題を抱えているのだが、問題と向き合って新しい一年を迎えるとともに、次に進んで行こうとするところで映画は終わる。あとは、映画を観た者に課題を残す。闇と隣り合わせにあるかすかな光。その終わり方に納得できるかどうかだ。ただ、人が生きていく上では簡単には答えがでることは稀なのだろう、と思わせる。
町を支える企業が破綻すると、その会社で働いていた人でなくても、暮らしが変わり、町も廃れる。この時代、いつ、誰に起きるとも限らない。
監督は、北海道出身の熊切和嘉。キャストは、谷村美月、小林薫、南果歩、村上淳など。
海と炭鉱の町“海炭市”。市民の生活を支えてきたとも言える“海炭ドック”が不況により業務が縮小。海炭ドックを解雇されてた兄妹は、お金をかき集め、初日の出を見に山へ登る。プラネタリウムに勤める男は、妻に裏切られていた。また、ガスを売る会社の若社長は、会社がうまく回らず、いつもイライラしていた。
というように、いくつかの家族が登場するオムニバス形式。それぞれに問題を抱えているのだが、問題と向き合って新しい一年を迎えるとともに、次に進んで行こうとするところで映画は終わる。あとは、映画を観た者に課題を残す。闇と隣り合わせにあるかすかな光。その終わり方に納得できるかどうかだ。ただ、人が生きていく上では簡単には答えがでることは稀なのだろう、と思わせる。
町を支える企業が破綻すると、その会社で働いていた人でなくても、暮らしが変わり、町も廃れる。この時代、いつ、誰に起きるとも限らない。
監督は、北海道出身の熊切和嘉。キャストは、谷村美月、小林薫、南果歩、村上淳など。