今年鑑賞した映画からベスト5を選んでいたが、今年はベスト4のみ。今年1番のヒット作品『君の名は。』はいま現在は未鑑賞である。
◎『葛城事件』…三浦友和主演。凶悪事件を取り上げた、今注目の赤堀雅秋の脚本作品。父親の見栄や価値観で、家族の歪みが大きくなり、お互い向き合えなくなったことで、息子が無差別殺人事件を起こす。もしかしたら、誰でもが抱える問題で、いつか起こってしまうかも…と社会で生きる怖さを描いたもの
。他人事ではない怖さがあった。家族で集まって食事しているのに温かいものがない、顔を合わせないなど気が付くとため息をついていた。
◎『湯を沸かすほどの熱い愛』…血の通わない家族をわけ隔てなく育て、まとめる力強い母を宮沢りえが演じた。家族が再生する様に心がゆさぶられた。ラストシーンが衝撃的だが、愛を感じる
◎『怒り』…渡辺謙や宮崎あおい、広瀬すずなどの豪華キャスト。人を信じることの怖さ、信じる勇気のなさ。人間と社会の関係の描き方が秀逸。画面から伝わるエネルギーが圧倒的だった。
◎『お父さんと伊藤さん』…年の離れた彼氏と同棲する娘のところに、父親が同居する。藤竜也、上野樹里、リリー・フランキーがそれぞれいい味を出していて、ありがちな父娘関係が巧みに描かれている。父親の愛情って、ストレートじゃないときがままある、か?
ほかに、『超高速!参勤交代リターンズ』もおもしろかったが、最初の作品に比べると勢いは感じられなかった。
全体的に、家族と社会の関係を扱った作品に日本らしい描き方をされているように感じた。