越後・丹生山藩の鮭役人・間垣作兵衛(小日向文世)の息子・小四郎は父の手がけた商品
を売っていた。そこへ、藩からの使いがやってくる。
そして、自分は<松平>小四郎で家康の血を引く跡継ぎだということを知る。庶民から一
国の殿様へと華麗に転身?!と驚くが、実は藩には借金100億円があった。
先代藩主で今は隠居の一弧斎(佐藤浩市)は藩を救う策として「大名倒産」すなわち「計
画倒産」を持ち掛け、実のところすべての責任を押し付け、小四郎を切腹させようとして
いた。100億円を返済するか、切腹するか二つに一つ。
小四郎は、幼馴染のさよ(杉咲花)や、兄の新次郎(松山ケンイチ)、喜三郎(桜田通)
家臣の平八郎(浅野忠信)らとともに節約に取り組み、次々と策を打ち出していく。
出演は他に、小四郎の母を宮崎あおい(ナレーションもつとめる)。新次郎に思いを寄せ
るお初を藤間爽子、幕府の方の役人には勝村政信、石橋蓮司。家臣団には、小手伸也、梶
原善など。キムラ緑子や高田延彦の役回りにも注目されたい。
上映前に、“本当のラストはエンドロールのあとにあります“という表示が出る。
出演者が楽しそうに踊るのを観てから、ゆっくりラストシーンを観るのがお約束だ。←に
もかかわらず、エンドロール中に座席を立つ人がいることの不思議。
時代劇コメディ。参勤交代や断捨離など、現代と合わせて話が進むのでわかりやすい。徹
底的にコメディなので、考えずに観るのがいいだろう。
原作は浅田次郎の同名小説。さよは映画ならではの登場人物である。杉咲花もコメディは
上手く、神木隆之介との相性はいいので安心のキャスト。
監督は、『老後の資金がありません!』『そして、バトンは渡された』の前田哲。