スティーブン・スピルバーグ監督と名作映画が、ミュージカル映画となって生まれ変わった。
主人公にはのセリーには、ブロードウェイのミュージカル版で同役を演じたファンテエイジア・
バリーノ。『リトル・マーメイド』のアリエル役のハリー・ベイリー、アカデミー賞歌曲賞と
グラミー賞受賞のH.E.R.も出演している。
優しい母を亡くし、横暴で支配的な父の言いなりのままに生きるセリーは、父の決めた相手
と結婚したが、またも支配的で自由のない生活を送っていた。さらに、最愛の妹・ネティとも
生き別れてしまう。
だが、支配されることを嫌い、自立した強い女性ソフィアと、歌手になる夢を叶えたシュグ
に出会えたことで、セリーの人生が少しづつ、そして大きく動き始める。
1909年から物語は始まる。その頃からアメリカが抱える男尊女卑、差別や偏見、貧富がはび
こる時代背景が根底にある(これは今も?)。結婚に出される前にセリーは二人の子どもを産
むが、その子供たちはすぐにセリーの手から離れ父親が“神のもと”へと渡されてしまう。その
子どもの父親は“父”なのだろう、というのもひどい話だ。だが、そんな環境から離れて強く生
きている女性もいる。今を抜け出す、未来を向くために必要なのは“出会い”だ。出会いが、新
しい世界を見せてくれて、自分で歩むことの大切さを教えてくれる。寄り添ってくれる人との
出会いの重要さと、その気持ちを受け入れられるのも本人が持つ強さだ。ラストは、アメリカ
らしいビッグファミリーとなった風景が描かれる。
不安や不満を抱えながらも、軽快なダンスシーンと迫力ある歌が日々の辛さを忘れさせる。
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