夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

『夜明けのすべて(公開舞台挨拶配信付き)』

2024年02月11日 09時01分09秒 | Weblog

  

 

 松村北斗、上白石萌音のダブル主演。かつてドラマで夫婦役を演じていた二人が、会社の後輩

と先輩としての立場で演じる。「そして、バトンは渡された」で2019年本屋大賞を受賞した瀬尾

まいこの原作小説を『ケイコ目を澄ませて』の三宅唱監督が映像化した。

 原作にオリジナルな要素を加えて、二人が少しづつ交流を深めていく姿を彼らの日常とともに

描いていく。冒頭の上白石萌音の一人語りは、原作そのままの文章。朗読のように始まる。

 月に1度、PMS(月経前症候群)でイライラが抑えられられなくなる藤沢さん(上白石萌音)

は入社した会社で失敗をして、2ヶ月で退職した。今は、栗田科学でプラネタリウムキッド

どの商品管理の仕事をしている。ある日、後輩の山添くん(松村北斗)のある行動がきっか

で怒りを爆発させる。だが、転職してきたばかりでやる気がないと思っていた山添くんは、

ニック障害を抱えていることを知ってしまう。また、山添くんは藤沢さんがPMSであること

知り、それ以来、お互いの心に寄り添うようになっていく。

 そして、年に1回のプラネタリウムのイベントが近づいていく。

 

 予告でご存知な方もいると思うが、藤沢さんが山添くんに自転車をプレゼントするところと、

藤沢さんが山添くんの髪を切るシーンは見どころ。特に髪切りシーンが始まることがわかる

と、会場から笑いが起こる。また、上白石萌音がPMSによる苦しさで暴言を吐く演技や松村北

斗のキラキラ感がない姿。静と動の佇まいをチェックされたし。藤沢さんの母がりょう、栗田

科学の社長を光石研が務めている。自分の生活は、自分で選んでいい。そういうラストとなっ

ていて、原作とは違うところだが、しっくりくる。

 

 2月10日、上映後に東京からの公開舞台挨拶が行われる朝9時からの回を鑑賞した。その内

容のポイント部分は、すでにスポーツ新聞などの芸能面で記事となっているが、主役二人の話

し方や間合いを知ることができるのがライブ(配信だったが)のいいところ。これまで、試写

会や雑誌のインタビューでたくさんの取材を受けており、ネタもそろそろないところかと思う

が、これで役目も終わり、映画は鑑賞者のものとなった。宣伝のお役目ご苦労さまでした。ち

なみに、公開舞台挨拶でサプライズで読まれた三宅監督から二人に宛てた手紙が代読されたあ

と、「現物がほしいです」と上白石萌音は訴えていた。

 

 だが、配給元を考えると、ガンガン宣伝するほどの大きな映画ではなく、小さいスクリーン

で端から端までゆっくり観る規模のもの。デジタルではなく、16ミリフィルムで撮影している

ので、画像にはざらつき感がある。カメラワークも独特なもので、二人のシーンを引いたり、

顔のアップを下から撮るなどしていて、それぞれの生活の一部を覗いているような感覚がある。

人の日常はたいがいは変化がなく、悩みを抱えながらも毎日同じようなことが繰り返されて過

ごしている。そんな日常にそっと寄り添った、優しい物語。

 

 本作は、第74回ベルリン国際映画祭のフォーラム部門に正式出品されることが決定している。

 (12日までの鑑賞者には特典が配布されている。←写真右)

 

☆2月10日はこの映画を鑑賞後、森ノ宮ピロティーホールへ『オデッサ』を観劇している。

 大忙しの長い一日だった。盛りだくさん


最新の画像もっと見る

コメントを投稿