夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

国立国際美術館 コレクション展『彼女の肖像』 ④

2024年12月11日 20時02分12秒 | Weblog
第4章 労働と移動
 本章では、家庭の内外で働く女性たちや、経済の不均衡を背景に移動する女
性たちの働く姿を紹介します。 20世紀のアメリカで、工場で働く人々を写
したルイス・W・ハイ写真。働いているのはまだあどけなさを残す幼い少女たちです。当時のアメリカでは、少女や少年たちが安価な労働力として過酷な労働に従事しており、ハインの写真は公にされない悲惨な現状を告発するための重要な証拠でした。彼の膨大な記録は、やがてアメリカ児童労働法の成立の機運を高めることになります。

放置された建物や解体される建物を撮影してきた写真家の宮本隆治は、1987年に香港にある巨大なコンクリート街、九龍城砦を訪れます。イギリスと中国の管轄の真空地帯となった九龍城砦には、難民たちが流れ込み、住民の数は時代ととみに膨れ上がっていきました。スラムや違法な商売の巣窟として名を馳せた九龍城ですが、宮本の写真には、生業に従事し、子どもたちを養い、暮らしを営む女性たちの姿が写っています。1993年、政府による立ち退き要請のあとに、九龍城砦は10ヶ月で完全に取り壊され、跡地には公園が建設されました。住民が去った九龍城塞の姿はかつての面影と、そこに生活していた人々の行方を偲ばせます。
 ジャオ・チアエンによる3映像では、ベトナムやタイ、フィリピン、インドネシアといった東南アジア諸国から台湾へ働きに来た人々が、最近みた夢の話をします。1990年代、少子高齢化による介護福祉分野の労働力不足を補うために、台湾では海外移民を積極的に受け入れました。その結果出稼ぎ労働者や国際結婚が増加しますが、当時台湾にやってくる移民のほとんどが女性でした。彼女たちの見る夢には、故郷に残した家族への思い、生まれた土地から遠く離れた場所で働く不安な心情があらわれています。
(章解説より抜粋)

   ルイス・W・ハイン
「海老取りの少年たち、ミシシッピー州」などを含めて4作品が展示されている。

  

  

宮本隆司「九龍城砦」9作品が展示してあるが、ズームにすると人々の暮らしが垣間見える。

   

小沢剛「ベジタブル・ウェポン     「ベジタブル・ウェポン
      ー舞台鍋/ソウル」     ーさんまのつみれ鍋/東京」

銃が野菜なら戦争はなくなるかな。みんなで仲良く鍋を囲みながら、、、を想像

*ジャオ・チアエンの作品は個室形式。カーテンの中にモニターが設置されている。
(キャプションより抜粋
≪レム睡眠≫は、台湾政府の政策変更があった1990年代に、同地にやってきたインドネシア、フィリピン、タイ、ベトナム人の短期労働者の夢を抽出したドキュメンタリー作品である。)

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