公開前から映画賞を受賞し、どういうこと??とは思ったが、もともと鑑賞
するつもりだったので通常の気持ちで映画館へ。
冒頭、住之江ターミナルが描かれ、ある事件で逃亡していた犯人が最後にいた
ところだと思い浮かんでしまった。当時、近くの職場で働いていて、大騒ぎになっていた。というのはさておき、、、
殺人事件として逮捕された鏑木(横浜流星)が脱走した。潜伏し、逃亡を続ける鏑木だったが、各地で出会った和也(森本慎太郎)、沙耶香(吉岡里帆)、舞(山田杏奈)と出会う。彼を追う刑事は又貫(山田孝之)。鏑木を逮捕した男だ。
又貫は沙耶香らを取り調べるが、鏑木はそれぞれに偽名を使い、まるで違う人物のようだった。逃げては追う、488日もの間、逃亡を繰り返す。
なぜ、彼は逃げるのか。真の目的とは。
物語は、ちかんの冤罪に巻き込まれる沙耶香の父で弁護士(田中哲司)の裁判と平行して進む。ちかんと、猟奇的殺人でレベルは違うが冤罪があると感じている沙耶香は、鏑木を信じる立場。又貫も、上司(松重豊)から犯人逮捕をせっつかれ鏑木を逮捕せざるを得ない状況となり、冤罪逮捕の思いはぬぐい切れないままでいる。
怖い。警察の縦社会は時に恐怖だ。よく、これがネタとなりドラマや映画となるのだから、本当にこの状態がなくなっているわけではないのだと思ってしまう。この映画では、松重豊が旧態依然としたままの上司として存在している。憎たらしい役どころだ。「99.9」の壁。それは、こういうことも踏まえてだとすると不愉快な話である。
そして、横浜流星は映画賞受賞のとおり、素晴らしい演技だった。吉沢亮と共演の『国宝』がますます楽しみである。
原作者は染井為人、監督は「新聞記者」など社会派を演出するのに定評がある藤井道人。出演は他に山田杏奈、前田公輝、森田甘路、西田尚美、山中崇、原日出子など。
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