須藤依子(筒井真理子)は、今日も丹精して庭に波紋を描いている。枯山水だ。
依子はいわゆる普通の専業主婦だった。舅の介護も任されていた。だが、庭の植
木に水をやっていた夫の修(光石研)は失踪。ホースから水を出したまま姿を消
したのだ。それ以来、依子は”緑命会”という信仰宗教にはまっている。一人息子
の拓哉(磯村勇斗)は九州で就職していた。そんなとき、夫が突然帰宅する。末
期のガンで高額の医療費を出させようとする夫。そして、息子は障害のある女性
を結婚相手として一緒に帰省してくる。パート先ではクレーマーの客(柄本明)
に怒鳴られ、、、。
自分ではどうにもできず、感情をぶつけられない依子は、宗教にすがるしかない。
“あなたにしか渡さない秘密の水”にお金をつぎ込む。家族には理性を抑え、必死
でこらえる。だが、やがて復讐の機会がやってくる。その復讐の仕方とは?
ラストの清々しいフラダンスが見もの。
監督は何気ない日々を描くのに定評がある『彼らが本気で編むときは』の荻上直
子。出演者は安藤玉恵、江口のりこ、平岩紙、木野花。そして、新興宗教・教祖
にキムラ緑子と実力派のバイブレーヤーばかり。登場人物みんなが怪しくて、こ
のメンバーをよく集めたね!というぐらい笑ってしまう。とはいえ、何気に重た
い課題がサラリと組み込んでくるので容赦がない。鑑賞後は、感想戦になるかも
しれない。
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