この添付されたポスターでは解りづらいが、出演者が豪華!というか、演劇の
プロたちが揃いも揃っていてエグかったという感想をまず。
シスカンパニー公演。原作はアントン・チェーホフ。上演台本・演出はケラリ
ーノ・サンドロヴィッチ。なんか凄くない?と思って獲ったチケット。当方は
初チェーホフで、初の天海祐希の舞台鑑賞である。ミュージカルではない井上
芳雄も初かもしない。ケラさんの演出舞台を観劇するのも久しぶり。とにか
く、最初は天海祐希と井上芳雄の名前に惹かれてしまったけれども…。
「かもめ」(2013)、「三人姉妹」(2015)、「ワーニャ伯父さん」(2017)と紡が
れてきた KERA meets CHEKHOV チェーホフ四大戯曲上演シリーズの
最終章が「桜の園」となる!!
19世紀末のロシア。桜の木に囲まれた広大な領地は、すでに抵当に入り、まも
なく競売にかけられる運命にある。
ラネーフスカヤ夫人(天海祐希)は、金銭感覚がなく、男にもホイホイとお金
を渡してしまう。親の財を失くしてきた。トロフィーモフ(井上芳雄)は大学
生を何年も続け、卒業できる見込みはなく、まるで学生には見えない。ラネー
フスカヤの兄(山崎一)もお人よし。父の代から仕えるフィールス(浅野
和之)は、すでに腰の曲がった老人となっている。
桜の園がある家に集まった人たち。
厳しい現実をよそに過去の栄華にしがみつく者。ある者は新しい時代を夢見て
前を向く。人々の思いが交差する中、競売の日がやってくる。
アーニャ・大原櫻子、シャルロッタ・緒川たまき、ワーリャ・峯村リエ、ドゥ
ニャーシャ・池谷のぶえ、ロバーヒン・荒川良々、ヤーシャ・鈴木浩介、エビ
ホードフ・山中崇、ビーシチク・藤田秀世というキャスト。当方としては、改
めて池谷のぶえと峯村リエが一緒て何??(テレビでは近所のおばさん的な役
柄でお馴染みだが、池谷のぶえさんは讀賣演劇賞主演女優賞を受賞していま
す)凄ないここ!!となった。二人ともかなり若い役で、池谷のぶえは少女の
ような声で演じていた。
井上芳雄はいつ登場しているのかわからない見かけ。やっと声でわかった。当
方は原作を読んでいないので、登場人物にかなりの新鮮度を感じた。天海祐希
の存在感は圧倒的で言うまでもなし。荒川良々も鈴木浩介も舞台が主戦場で、
さすがとしか言いようがないのである。緒川たまき(ケラさんの妻)は、やは
り妖艶。謎の女が似合うわあ。
舞台転換はほぼ出演者たちで何気なく行う。部屋の中も桜の園も素敵な景色
となっている。こういうところも、舞台作品のいいところだ。
人の驕りや、努力、環境、情報の精査能力について考えさせられる作品。親の
財産は自分で築いたものではないということ、貧しくて学ぶことができなかっ
たとしても世に出ることはできることを教えてくれているのではなかろうか。
せめて、前へ進むことができればいいが。
通りすがりの男及び下男・猪俣三四郎、下男・矢部祥太、駅長と下男・吉澤宙
彦の役柄と名前も記しておく。
当方は大阪公演初日の1月6日を観劇(東京公演は終了している)。13日まで
SkyシアターMBSで公演のあとは、福岡公演(キャナルシティ劇場)1月
18日~26日までが控える。
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