夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

「沈まぬ太陽」

2009年12月12日 09時19分31秒 | Weblog
 その日、私は仕事もそこそこに、職場でテレビをつけ、報道特別番組をずっと見ていた。生存者が救助される、その場面も目にやきついている…。
 今年、噴出したJALの惨状と、この映画の公開。何かの因果か。
 しかし、映画は映画である。まずは、あの壮大なスケールと緻密な展開の原作を映像化したことに敬意を表したい。キャストやスタッフの熱い思いがヒシヒシと伝わってくることは、間違いない。
 昭和30年代。国民航空の労働組合長として、職場の環境改善に取り組んだ恩地 元は、懲罰人事として、パキスタンに左遷される。僻地勤務が続くはずがないと思っていた恩地であったが、イラン、そして路線の就航もないナイロビへと辞令が出る。一方、共に組合で頑張ってきた同期の行天四郎は、恩地を裏切り組合を抜け、エリートコースを歩んでいた。10年に及ぶ海外赴任のあと、本社に復帰した恩地だったが、待遇が変わることはなかった。 
 そして、ジャンボ機墜落という航空史上最大の事故が起こる。そこで、遺族係りを命じられた恩地は、想像を絶する光景に直面する…。
 政府は事態を収拾するため、国民航空の新会長として経済界より国見を招くが…。
 長編小説の映像化には限界がある。しかも、原作のイメージが強ければ強いほど、あのシーンはこう撮ってほしかった。あのキャストのイメージが違うとかは思うもの。この作品も、その感があるのは否めないが、視点をどこに置いて観るかなので、大作としてはよく仕上がっている。政治腐敗と、企業の組織と責任について問う、骨太の一作。政治腐敗や企業理念の崩壊、家族の絆といった普遍的なテーマで、現代に語りかける。勇気を持って強く生きろ…というメッセージも伝わってくる。
 あの時の総理大臣や閣僚の顔が浮かぶ。時間のある人は、ぜひ原作本を読んでいただきたいと思う。
 信念を貫く主人公・恩地 元には、渡辺謙。エリートコースを歩みながらも苦悩する行天四郎には、三浦友和。夫を理解し、支え続ける恩地の妻に鈴木京香。ほかにも、大作らしい豪華キャストが揃った。  

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2 コメント

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Unknown (07576)
2009-12-24 10:07:28
 報知映画賞作品賞、主演男優賞受賞。取ると思ってました。これから発表される映画賞も軒並み取るでしょう。
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思ったとおり (夢千代)
2010-03-08 10:04:25
 日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞。同、最優秀主演男優賞受賞。たぶんそうなるだろうと思って、作品をチェックしていました。
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