その日、私は仕事もそこそこに、職場でテレビをつけ、報道特別番組をずっと見ていた。生存者が救助される、その場面も目にやきついている…。
今年、噴出したJALの惨状と、この映画の公開。何かの因果か。
しかし、映画は映画である。まずは、あの壮大なスケールと緻密な展開の原作を映像化したことに敬意を表したい。キャストやスタッフの熱い思いがヒシヒシと伝わってくることは、間違いない。
昭和30年代。国民航空の労働組合長として、職場の環境改善に取り組んだ恩地 元は、懲罰人事として、パキスタンに左遷される。僻地勤務が続くはずがないと思っていた恩地であったが、イラン、そして路線の就航もないナイロビへと辞令が出る。一方、共に組合で頑張ってきた同期の行天四郎は、恩地を裏切り組合を抜け、エリートコースを歩んでいた。10年に及ぶ海外赴任のあと、本社に復帰した恩地だったが、待遇が変わることはなかった。
そして、ジャンボ機墜落という航空史上最大の事故が起こる。そこで、遺族係りを命じられた恩地は、想像を絶する光景に直面する…。
政府は事態を収拾するため、国民航空の新会長として経済界より国見を招くが…。
長編小説の映像化には限界がある。しかも、原作のイメージが強ければ強いほど、あのシーンはこう撮ってほしかった。あのキャストのイメージが違うとかは思うもの。この作品も、その感があるのは否めないが、視点をどこに置いて観るかなので、大作としてはよく仕上がっている。政治腐敗と、企業の組織と責任について問う、骨太の一作。政治腐敗や企業理念の崩壊、家族の絆といった普遍的なテーマで、現代に語りかける。勇気を持って強く生きろ…というメッセージも伝わってくる。
あの時の総理大臣や閣僚の顔が浮かぶ。時間のある人は、ぜひ原作本を読んでいただきたいと思う。
信念を貫く主人公・恩地 元には、渡辺謙。エリートコースを歩みながらも苦悩する行天四郎には、三浦友和。夫を理解し、支え続ける恩地の妻に鈴木京香。ほかにも、大作らしい豪華キャストが揃った。
今年、噴出したJALの惨状と、この映画の公開。何かの因果か。
しかし、映画は映画である。まずは、あの壮大なスケールと緻密な展開の原作を映像化したことに敬意を表したい。キャストやスタッフの熱い思いがヒシヒシと伝わってくることは、間違いない。
昭和30年代。国民航空の労働組合長として、職場の環境改善に取り組んだ恩地 元は、懲罰人事として、パキスタンに左遷される。僻地勤務が続くはずがないと思っていた恩地であったが、イラン、そして路線の就航もないナイロビへと辞令が出る。一方、共に組合で頑張ってきた同期の行天四郎は、恩地を裏切り組合を抜け、エリートコースを歩んでいた。10年に及ぶ海外赴任のあと、本社に復帰した恩地だったが、待遇が変わることはなかった。
そして、ジャンボ機墜落という航空史上最大の事故が起こる。そこで、遺族係りを命じられた恩地は、想像を絶する光景に直面する…。
政府は事態を収拾するため、国民航空の新会長として経済界より国見を招くが…。
長編小説の映像化には限界がある。しかも、原作のイメージが強ければ強いほど、あのシーンはこう撮ってほしかった。あのキャストのイメージが違うとかは思うもの。この作品も、その感があるのは否めないが、視点をどこに置いて観るかなので、大作としてはよく仕上がっている。政治腐敗と、企業の組織と責任について問う、骨太の一作。政治腐敗や企業理念の崩壊、家族の絆といった普遍的なテーマで、現代に語りかける。勇気を持って強く生きろ…というメッセージも伝わってくる。
あの時の総理大臣や閣僚の顔が浮かぶ。時間のある人は、ぜひ原作本を読んでいただきたいと思う。
信念を貫く主人公・恩地 元には、渡辺謙。エリートコースを歩みながらも苦悩する行天四郎には、三浦友和。夫を理解し、支え続ける恩地の妻に鈴木京香。ほかにも、大作らしい豪華キャストが揃った。