夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

『彼女がその名を知らない鳥たち』

2017年11月07日 09時27分36秒 | Weblog

 

「ユリゴゴロ」の沼田まほかるの小説を実写化。この人の作品を読んだことのある人なら、おそらく一筋縄ではいかない展開があることがわかるかと思う。

北原十和子は、15歳年上の佐野陣治(阿部サダヲ)と同居し、彼の稼ぎに依存しながらも、下品で地位も金もない佐野をさげすみ、家庭のある男と関係を持つ自堕落な生活を送っている。

彼女は、8年前に別れた黒崎を忘れられずにいた。

そんな折、十和子は刑事から黒崎が5年前から失踪していることを知らされる。

十和子は、佐野がその件に関わっているのではないかと疑う…。

 

ほのかなイメージの恋愛ものでもなく、大金がつぎ込まれたエンターテイメント系でもない。〝名作〟とも呼べないが、何かに引きずられ見入る。

この作品は、今年の中の〝クセ〟のある一本。

ラストでは多くの鳥が飛び立つ。これまでのシーンと重ねて、明るい未来があると思いたい。

笑いどころや痛快な場面はない。蒼井優と阿部サダヲは〝共感できない映画〟と評していたが、確かに、共感できるポイントはない。通好みではあるが、難しかったり、意味不明とかそういう類のもではない。ぜひとも鑑賞してほしい。

蒼井優は、つかみどころがない役どころ。だが、この不思議な感覚の役を演じさせると、さすがだと思う。ダルい雰囲気で何を考えているのかわからない女。それをやらせたら天下一品だ。

阿部サダヲも気持ち悪いキャラを好演?している。

十和子の情事の相手には松坂桃李、十和子が愛し続ける黒崎を竹野内豊がつとめている。イケメンなのに、共にクズな男を演じているのがミソ。

監督は『凶悪』の白石和彌。

 

 

ポスター画像