夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

『火花』(試写会)

2017年11月21日 09時31分23秒 | Weblog

 

漫才師ピースの芥川賞作家・又吉直樹の原作「火花」を映画化。監督・脚本は又吉の先輩芸人である板尾創路がつとめた。主演は、関西出身でネイティブな関西弁を話せる菅田将暉と桐谷健太という考えらえる中での、最大限の配役となっている。

漫才の世界に飛び込んだものの結果を出せないままの芸人たち。厳しいお笑いの世界で切磋琢磨する若者たちの青春群像劇。

熱海の営業で余興をする漫才師スパークスの徳永と山下。そこで徳永は、あほんだらという漫才師の神谷の存在を知る。型破りな漫才をしようとする神谷に徳永は弟子入りしたいと申し出る。

 

平成の売れない漫才師の話なのだが、そこはかと流れる昭和感。ノスタルジーな映像の雰囲気。昭和世代の板尾監督の感性だから?

そして、主題歌はビートたけしの「浅草キッド」でさらに昭和感となる。この主題歌を菅田将暉と桐谷健太が歌っているので、贅沢。二人とも器用で才能豊か。「浅草キッド」そのものもいい歌

この二人なくして、この映画はない。

繰り返されるアップが中心のアングル。周りとの対比がないので、退廃していく雰囲気も弱い。長編を2時間でまとめないといけないので、原作やドラマを見ていた人はコンビのラスト漫才でも笑えない、泣けない評価となるかもしれない。

そんな演出の力不足を、演者が引っ張る。菅田将暉のうまさと桐谷健太のウザさに加点する。共演は木村文乃。菅田将暉の相方には実際の漫才師である二丁拳銃の川谷修士、桐谷健太の相方を元芸人の三浦誠己が演じた。

とりあえず、菅田将暉を見るのみ。映画は映画監督が撮ればいい。