冒頭の高橋一生のナレーションからラストが予測できる。そこから10年を遡って、本題はスタート。
大人の噓と真実の物語が展開していく。
哲雄(高橋一生)は、乳房再現の型枠モデル募集でやってきた、美人で優しい園子(蒼井優)に一目惚れして結婚。
哲雄は、ラブドール職人として働いていることを隠していて、ずっと言えずにいた。
また、園子にも抱えている悩みがあり、そのことを哲雄に告げられずにいた。
『九月の恋と出会うまで』などの高橋一生と『彼女がその名を知らない鳥たち』などの蒼井優が共演のラブストーリー。高橋一生と蒼井優は、岩井俊二監督の『リリィ・シュシュのすべて』以来の共演。『ふがいない僕は空を見た』『お父さんと伊藤さん』のタナダユキ監督自身の著書を映画化した。
質素さとその中のエロさ。この対局なふたつを演じさせたら、蒼井優のほかにはいない。そこに、強さもプラスしてもいい。
高橋一生は、通常から、そこはかと流れる闇のようなもの秘めていると感じており、そこが魅力でもある。
そんな二人が秘密を抱えた夫婦を演じるのだから、見逃せない。
〝ロマンスドール〟制作へかける情熱と進化も受け取りました。技術者は努力はここにも。
この映画とは関係ないが、是枝裕和監督の『空気人形』がちらりと頭をかすめた。