weirdは「奇怪な、異様な、気味の悪い」、nastyは「(味・においなどが)(気持ちが悪くなるほど)いやな、胸の悪くなるような、不快な」の意味で使われることは、GetUpEnglishをご覧いただいているかたなら、ご存知であろう。
しかし、俗語表現ではweirdが「みごとな、とてもいい、すばらしい、かっこいい」のcoolの意味で、そしてnastyが「よい、かっこいい、すごい」「魅力的な、セクシーな」の意味で使われることがある。
そして、会話表現だけでなく、本日紹介するような一流紙の記事でもこうした正反対の意味で使われることがあるので、注意しよう。
本日のGetUpEnglishでは、この二つの単語の二つの意味の用例を紹介する。
まずは、The New York Timesにあったこの表現から。
○Practical Example
Onward, Mr. Watts weaves around the beat, smashing down on his high-hat, forming weird and clattering snare-drum fills. He both shapes and follows the group’s euphoria and the music’s subtle acceleration.
そこからチャーリーはビートを揺らしながら、ハイハットを打ち鳴らし、スネアのフィルインをクールにシャカシャカ決める。チャーリーはバンドに高揚感を与え、曲のテンポをわずかに速めると同時に、ほかのメンバーからも同じように高揚感を与えられ、そのペースに付いていこうとする。
これはThe New York Timesのこの記事にあった表現。
http://www.nytimes.com/2010/05/23/arts/music/23stones.html?_r=1&hp
その前に、
Charlie Watts starts pumping a bass drum at the third beat of the second bar; he’s either late or early, but finding his way.
チャリー・ワッツが2小節の3拍目でバスドラを打ちだす。チャーリーのリズムは遅いか速いかのいずれかだが、自分のペースをつかみはじめる。
と表現されているので、チャーリー・ワッツのドラミングに対してややネガティブな意味をとらえてしまい、「やや外れたスネアのフィルインをシャカシャカ決める」とこのweirdを解釈してしまいそうだが、ここは素直にポジティブな意味でとるべきだと思う。
●Extra Point
そしてこのように普通はネガティブな意味の単語をポジティブな意味で使う人はきっとほかの記事でも同じようなことをするはずと考えて、調査してみたところ、このBen Ratliffという人は、やっぱりほかの記事でも似たようなことをしていた。
次の記事も、同じ著者が同じThe New York Timesに書いた記事である。
http://www.nytimes.com/2007/12/10/arts/music/11zeppelin.html?pagewanted=all
◎Extra Example
As for Mr. Page, his guitar solos weren’t as frenetic and articulated as they used to be, but that only drove home the point that they were always secondary to the riffs, which on Monday were enormous, nasty, glorious.
ジミー・ペイジのギター・ソロは、昔のように熱狂的でないし、切れも欠いているように思えた。しかし、ペイジのソロはあくまでリフを引き立たせるためのものであることを強く認識させた。この晩、ペイジはイカしたリフを山ほど奏でた。
ジミー・ペイジのギター・テクニックを悪く言う人もいるみたいなので、nastyを「耳障りな」ぐらいにとらえてしまうこともあるかもしれないが、ここはやはり「カッコいい、イカした」と取るべきだ。
enormous, nasty, gloriousなので「山のような、カッコいい、イカした」リフだが、上のように処理していいと思う。 The New York Timesのような一流紙にこうした単語がこうした意味で使われるのだから、注意しないといけない。
やっぱり英語はむずかしい。