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日常よく使われる英語表現を毎日紹介します。毎日日本時間の午前9時までに更新します。英文執筆・翻訳・構成・管理:上杉隼人

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The Annotated Huckleberry Finn: Adventures of Huckleberry Finn, Tom Sawyer's Comrade

2021-05-16 08:16:42 | ハックルベリー・フィンの冒険

『トム・ソーヤーの冒険』って本を読んでなけりゃおれのことなんて知らないだろうけど、全然オッケー。あれってマーク・トウェーンって人が作った本だけど、大体ほんとのことが書いてある。大げさに書いてあるとこもあるけど、大体ほんとのことが書かれてる。

 誰だって一度や二度はウソつくから、少し大げさに書かれてたって全然オッケーだ。もっともポリーおばさんや、ダグラスさんの未亡人や、メアリーみたいな人はウソつかないだろうけど。トムのポリーおばさんのことも、ダグラスさんの未亡人のことも、メアリーのこともみんな書いてある。大げさに書かれてるとこもあるけど、だいたいほんとのことだ(本文より)。

 講談社青い鳥文庫から、『ハックルベリー・フィンの冒険』上巻が発売になる。(下巻は7月刊行予定)

 少年少女向けの翻訳であるし、すでにこの名作にはすぐれた訳がいくつもあるが、新しく訳すとなれば、同然のことながら、原書を何度も読み、参考文献にもできる限り目を通す必要がある。

 頼りになる参考文献のひとつに、(Michael Patrick Hearn,  The Annotated Huckleberry Finn: Adventures of Huckleberry Finn, Tom Sawyer's Comrade)がある。

 https://wwnorton.com/books/9780393020397

 こちらは原文にあわせて詳細な註が書かれているのだが、これが実に参考になる。

 最初のHuckleberry Finnの註だけでも、以下の情報が得られる。

1. Huckleberry Finn. The huckleberry is a kind of blueberry, is not native to Missouri, and was at the time considered a particularly inferior fruit. Samuel Clements discovered huckleberries one afternoon in Hartford, Connecticut, when he spotted some children gathering them. “They are new beverage to me,” he admitted in “Morality and Huckleberries”(San Francisco Alta California, September 6, 1868).  “They are excellent.  I had always thought a huckleberry was something like a turnip.  On the contrary, they are no larger than buckshot. They are better than buckshot, though, and more digestible.”  The word indicated something small and of little consequence.  Twain as aware of this meaning when he said in Chapter 26. of A Connecticut Yankee in King Arthur’s Court(1889), “Sir Palamides the Saracen... is no huckleberry himself.”

「ハックルベリーは蕪(turnip)のようだが、鹿玉(buckshot)より大きくないし、食べられる」というようなことをSamuel Clements(Mark Twain)が言ったことなど、マーク・トウェーンがどうしてその表現を使ったかというようなことまでくわしく書かれている。

 大判で480ページにおよぶものだが、この事典はずいぶん読み込んだし、今も手元に置いて常時確認している。

 やっぱり名作と言われるものは、読めば読むほど味わいが出る。

 こんなすごい作品を翻訳できる機会を与えていただいた幸運に、ひたすら感謝、感激している。

 

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さあ、ハックと一緒に冒険の旅に出よう! 講談社青い鳥文庫『ハックルベリー・フィンの冒険』、6月16日、上巻発売!

2021-05-16 06:26:39 | ハックルベリー・フィンの冒険

さあ、ハックと一緒に冒険の旅に出よう!

講談社青い鳥文庫『ハックルベリー・フィンの冒険』、6月16日、上巻発売!

『トム・ソーヤーの冒険』って本を読んでなけりゃおれのことなんて知らないだろうけど、全然オッケー。あれってマーク・トウェーンって人が作った本だけど、大体ほんとのことが書いてある。大げさに書いてあるとこもあるけど、大体ほんとのことが書かれてる。

誰だって一度や二度はウソつくから、少し大げさに書かれてたって全然オッケーだ。もっともポリーおばさんや、ダグラスさんの未亡人や、メアリーみたいな人はウソつかないだろうけど。トムのポリーおばさんのことも、ダグラスさんの未亡人のことも、メアリーのこともみんな書いてある。大げさに書かれてるとこもあるけど、だいたいほんとのことだ(本文より)。

講談社青い鳥文庫

ハックルベリー・フィンの冒険(上)

マーク・トウェーン(著/文)上杉 隼人(翻訳)にしけいこ(著/文)

発行:講談社

新書判  272ページ

定価 740円+税

ISBN978-4-06-523558-4  

CコードC8297

児童 新書 外国文学小説

発売予定日2021年6月16日

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784065235584

紹介

19世紀のアメリカ南部。何ものにもとらわれない自然児のハックルベリー・フィンは、ダグラスさんの未亡人の家での生活にも、学校の勉強にもうんざり。乱暴者の父親からも逃げ出して、黒人奴隷のジムとともにミシシッピ川を下る旅に出る--。アメリカ文学史上に燦然と輝く名作が、読みやすい新訳でよみがえる!

<世界の名作 小学上級・中学から すべての漢字にふりがなつき>

著者プロフィール

マーク・トウェーン  (マーク・トウェーン)  (著/文)

1853年、アメリカ合衆国ミズーリ州に生まれる。幼いときに父が死亡したので、12歳で実社会に出、見習い印刷工をしながら文章をおぼえる。蒸気船の水先案内人などをした後、新聞記者として成功。『キャラべーラス郡の有名なとびがえる』『赤毛布外外遊記』で人気を得、『トム・ソーヤーの冒険』『王子と乞食』などでアメリカ文学の頂点に立つ。1910年没。

上杉 隼人  (ウエスギ ハヤト)  (翻訳)

翻訳者(英日、日英)、編集者、英語・翻訳講師。早稲田大学教育学部英語英文学科卒業、同専攻科(現在の大学院の前身)修了。『アベンジャーズ エンドゲーム」(講談社)ほか、マーベル、アベンジャーズ、ディズニー関連の書籍を多数翻訳。訳書に『スター・ウォーズ』(全作[エピソード1~9]、講談社)、『21匹のネコがさっくり教えるアート史』(すばる舎)など多数(70冊以上)

にしけいこ  (ニシケイコ)  (著/文)

画家/にしけいこ

12月26日鹿児島県生まれ。漫画家、イラストレーター。都留文科大学国文学科卒業。在学中にデビューし、教員を経て、漫画家として独立。西炯子名義の作品に、『ひらひらひゅ~ん』(新書館)、『亀の鳴く声』(小学館)など多数。にしけいこ名義での仕事に、「都会のトム&ソーヤ」シリーズ(講談社)、『坊っちゃん』(講談社青い鳥文庫)などの挿絵がある。

 

 

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