《生活の党PR》
《2月23日(日)『生活の党豪雪対策本部鈴木本部長代理、小宮山幹事被災現地視察報告』》
昨日2月23日(日)、生活の党豪雪対策本部の鈴木克昌本部長代理と小宮山泰子幹事が、2月14日
からの大雪災害により被害の出た、埼玉県内の現地視察を行い、地方自治体の担当者や被害のあ
った農家の方から、今回の雪害について直接お話しを伺いました。
右翼の塊・旧太陽の党系の一人日本維新の会の山田宏が2月20日(2014年)の衆院予算委で1993年の従軍慰安婦の日本軍の関与と連行に関わる強制性を認めた「河野談話」作成に関わった石原信雄元官房副長官に参考人出席を求めて、その作成経緯について質問した。
「MSN産経」を参考にすると、次の3点を証言したという。
(1)日本軍や 官憲が強制的に女性を募集したという客観的資料はない
(2)談話は韓国での元慰安婦16人への聞き取り調査に基づく が、裏付け調査はしていない
(3)談話は軍や官憲の直接的指示での募集(強制 連行)を認めたわけではない
このことは石原信雄氏が前々から言っていたことでもある。山田宏が国会の場で石原参考人から改めて裏付け調査なしの証言を引き出して、「河野談話」の信憑性を限りなく黒塗りにして政府に再調査を求めるための儀式に位置づけていたはずだ。
勿論、山田宏の最終目的は「河野談話」描出の慰安婦の事実の否定、日本軍の関与と連行に関わる強制性の事実の抹消である。
そして山田宏の否定はまた、安倍晋三の否定でもある。
安倍晋三の「河野談話」否定は以前当ブログにも書いた2013年2月7日衆院予算委の前原誠司民主党議員が取り上げた安倍発言に最も象徴的に現れている。
前原誠司「去年の5月12日、産経新聞の『単刀直言』というインタビュー。『かつて自民党は歴代政府の政府答弁や法解釈などをずっと引きずってきたが、政権復帰したらそんなしがらみを捨てて再スタートできる。もう村山談話や河野談話に縛られることもない。これは大きいですよ』
これは総理がおっしゃっているんです。去年の5月ですよ。
これは一議員であったということを酌量したとしても、次以降は自民党の総裁選挙のときにおっしゃっている。申し上げましょうか。
去年の9月12日、自民党総裁選挙立候補表明。『強制性があったという誤解を解くべく、新たな談話を出す必要がある』と御自身がおっしゃっている。菅さんが おっしゃっているんじゃない、御自身が総裁選挙でおっしゃっている。総裁になれば政権交代で総理になる、そういう心構えで総裁選挙に出た総理がおっしゃっ ている、御自身が。
そして、討論会、9月16日。『河野洋平官房長官談話によって、強制的に軍が家に入り込 み女性を人さらいのように連れていって慰安婦にしたという不名誉を日本は背負っている、安倍政権のときに強制性はなかったという閣議決定をしたが、多くの人たちは知らない、河野談話を修正したことをもう一度確定する必要がある、孫の代までこの不名誉を背負わせるわけにはいかない』
総裁選挙の討論会でおっしゃっている。これは御自身の発言ですよね」
安倍晋三「ただいま前原議員が紹介された発言は全て私の発言であります。そして、今の立場として、私は日本国の総理大臣であります。私 の発言そのものが、事実とは別の観点から政治問題化、外交問題化をしていくということも当然配慮していくべきだろうと思います。それが国家を担う者の責任 なんだろうと私は思います」――
山田宏の「河野談話」否定は安倍晋三の否定でもあるから、安倍晋三は2月24日、国会内で山田宏が質問したことに感謝の言葉をかけた。
2月22、23両日実施の産経・FNN合同世論調査での「河野談話」を見直すべきか否かの問に58.6%が「見直すべきだ」と答え、「見直すべきだと思わない」は23.8%となっている。この世論調査と山田の質問を取り上げた安倍晋三の感謝の言葉である。
安倍晋三「世論調査で河野談話(見直し)賛成が約6割だった。山田さんのおかげだ」(時事ドットコム)――
国会での参考人石原信雄元官房副長官の、NHKテレビも全国放送した国会証言と新聞世論調査で行動に移すのはいよいよ機が熟したと思ったのだろう、菅官房長官が石原証言を受けて、元慰安婦聞き取り調査の再検証の検討を明らかにしたと、上記「MSN産経」が書き記している。
昨2013年5月7日の閣議後の記者会見で次のように発言していたにも関わらずである。
菅官房長官「河野談話は、その見直しを含めて検討という内容を述べたことはない。安倍政権は、この問題を、政治、外交問題にさせるべきではないというのが基本的な考え方だ」(NHK NEWS WEB)――
石原信雄は「日本軍や 官憲が強制的に女性を募集したという客観的資料はない」と証言しているが、戦前の日本軍占領下のインドネシアでは民間人収容所に収容したオランダ人女性を未成年者も含めて威嚇と強制を用いて軍トラックに乗せて連行し慰安婦に仕立てている。
またインドネシア人や日本人の聞き取り調査によって旧日本軍が現地インドネシア人の未成年女子を略取・誘拐の形で強制連行し、慰安婦に仕立ていている事実が判明している。
例え「客観的資料」がないからと言って、インドネシアで公然とやらかしていた旧日本軍の犯罪行為を朝鮮でやらかしていなかったことの証拠とはならない。一般的に犯罪行為は証拠を残さない・隠すを徹底的な常識とする。特に巨大な軍組織となれば、その常識の徹底ぶりはハンパではなかったはずだ。
それが1945年8月14日の「重要文書類の焼却」の閣議決定であろう。国内外の軍組織に重要書類の焼却の証拠隠滅を個人の日誌まで含めて命令する、ハンパではない徹底ぶりであった。
未成年女子を含めた誘拐・略取の犯罪の証拠を天皇の軍隊と呼び習わされていた大日本帝国軍隊が焼却せずに残すという常識はないはずである。残す常識を選択したなら、天皇陛下に顔向けできないとまで戦前の日本人は天皇崇拝をこれまた常識としていたはずだ。
当然、1945年8月14日「重要文書類の焼却」閣議決定の事実を提示しない「客観的資料」の不在は著しく公平性を欠くことになる。
朝鮮では労務者供出に関して日本の植民地朝鮮統治機関である朝鮮総督府がは「警察官憲」まで動員して強制的に狩り出している。その結果が、朝鮮半島内の食料や労務の供出状況について調査を命じられた内務省嘱託小暮泰用が描き出した1944年7月31日付内務省管理局報告の「復命書」の朝鮮半島に於ける悲惨な世界であるはずだ。
《植民地朝鮮の戦時労務動員―政策と実態―》
復命書「…徴用は別として其の他如何なる方式に依るも出動は全く拉致同様な状態である其れは若し事前に於て之を知らせば皆逃亡するからである。
そこで夜襲、誘出、其の他各種の方策を講じて人質的略奪拉致の事例が多くなるのである、何故に事前に知らせれば彼等は逃亡するか。要するにそこには彼等を精神的に惹付ける何物もなかったことから生ずるものと思はれる。内鮮を通じて労務管理の拙悪極まることは往々にして彼等の身心を破壊することのみならず残留家族の生活困難乃至破壊が屡々あったからである」――
この手の強制連行が朝鮮人男性の労務供出のみならず、慰安婦狩りに応用されなかったと、誰が断言できるだろうか。
国家主義者安倍晋三の「河野談話」否定の最終目的はその否定によって従軍慰安婦の旧日本軍関与と強制連行の事実を抹消することによって旧日本軍の不名誉・劣等性を払拭し、その名誉回復を通して日本人および日本軍の無誤謬性を世界に示すことで日本人の優秀性を証明することにある。
いわば天皇制を頭に戴いた戦前日本を取り戻すためである。
だからこそ、安倍晋三は「河野談話」を「孫の代までの不名誉」とまで断言したのだろう。「河野談話」を見直して、安倍晋三自身が日本人は優秀である、間違ったことはしないとする新たな談話を発表する。
大いに結構、大々賛成である。機は熟した。
だが、事実はいつかは現れる。止むことのない期待ではあるが、国家主義者安倍晋三が「河野談話」を見直した後に軍関与と強制性を認める資料の出現を期待している。
意を強くさせる期待が一つある。《慰安婦を対日カード化か 中国、新資料発見と報道》(MSN産経/2014.1.9 20:26)2014.1.9 20:26)
記事冒頭、〈中国吉林省の档案館(資料館)は、旧日本軍が残した資料から、中国の慰安婦に関する新たな記録が見 つかったと明らかにした。国営新華社通信が9日伝えた。尖閣諸島(沖縄県石垣市)をめぐる対立や歴史問題で、中国は対日批判を強めており、これまで外交 カードとしてこなかった慰安婦問題も今後、圧力の材料として取り上げていく可能性がある。〉――
記録発見が事実とすると、安倍晋三の事実否定に対して外交カードとして使われたとしても仕方はないはずだ。
この資料は、旧日本軍が東北地方を統治していた1931~45年の間の、敗戦後、軍が焼却処分できなかった資料を埋めたとみられる10万点以上で、1950年に建設工事の際に発見されたものだという。
慰安婦に関する具体的な資料内容。
(1)旧日本軍による 慰安婦徴用費用に関する銀行記録
(2)江蘇省南京市周辺に設置された慰安所の状況――
具体的な記述の紹介。
「多い時で1人の慰安婦が10 日間に267人の兵士の相手をした」
「朝鮮人慰安婦が36人いた」等々。
1950年の建設工事で発見された物が中国吉林省档案館(資料館)に眠っていた。今回その所在が明らかになったということでなければ、1950年から今日まで、時間が開き過ぎている。
「河野談話」の見直しは従軍慰安婦否定発言を黙らせるための牽制球――トランプゲームで言うところのブラフ(=ハッタリ)でないことを願う。