《生活の党PR》 2月5日の参議院予算委員会。 有田芳生「有田芳生でございます。朝日新聞社の社内で野村秋介さん、暴力団の幹部ですが、拳銃で自殺をしました。そういう事件、記憶におありになる方もいらっしゃいますと思いますが、今朝の毎日新聞、『新聞社自殺事件 NHK経営委員が礼賛 対メディア圧力黙認』と。 安倍晋三は「読んでおりません」、「聞いていない」から、何も言い様がないと逃げ、籾井勝人は「コメントする立場にありません」、「感想も述べることはないと思います」で逃げる。
《2月16日 畑浩治総合政策会議議長NHK『日曜討論』出演のご案内》
内容:平成26年度予算案と消費税率引き上げ
経済政策について
原発再稼働とエネルギー政策
長戦略について
《畑 浩治 公式サイト》
野村秋介が朝日新聞社内で行った朝日新聞に対する抗議拳銃自殺死20周年に合わせて長谷川三千子NHK経営委員がその拳銃自殺死を礼賛する追悼文を書き、同じくNHK経営委員の百田尚樹が都知事選候補の田母神の応援演説で他の候補を「人間のクズ」呼ばわりしたことを有田芳生(よしふ)民主党議員が取り上げて、それら発言に対する認識を国家主義者安倍晋三と参考人出席の籾井勝人NHK会長に問い質した。
消化不良の、腹の膨れた後味がいつまでも残る不完全燃焼な質疑で終わった。主たる原因が安倍晋三と籾井会長の丁寧な答弁を装ってはいるものの、その裏にさり気なく隠した太々しい開き直りの態度にあったとしても、有田議員が相手の態度を見て、途中から質問の仕方を変えずに、同じ質問の方式を続けたことにあるのではないだろうか。
新聞社に対するこの暴力行為。それに対してNHKの経営委員が礼賛している、という大きな記事が出ております。
経営委員長の浜田健一郎さんはいらっしゃっておりますか。いらっしゃっていないですね。場内協議でも、是非いらっしてくださいとお願いしておいたのですが、委員長、この問題、是非議論できるようにお願いできないでしょうか」
委員長「この問題につきましては、これが始まる前の理事会のところで、場内協議というところに指示がいっておりませんので、新たなご提案があったこととして後刻理事会で協議することと致します」
有田芳生この拳銃自殺事件についてNHK経営委員(長谷川三千子委員のこと)が礼賛した。このことについて、総理、それから、(参考人出席の籾井NHK)会長、どのように認識されていますか」
安倍晋三「質問通告ございませんし、読んでおりませんから、答えようがありません」
委員長「次いでNHK会長籾井勝人参考人」
籾井NHK会長「えー、このたびNHKの会長に就任をしました籾井勝人でございます。どうぞよろしくお願いします(一礼)。
今のご質問にお答えする前に、一言私の方から申し上げさせて頂きたいと思います。えー、1月25日、私、会長就任の日でございますが、あの日ありました公式会見の場で個人的な発言をしたことは不適切であり、大変申し訳なく思っております。その場で取り消させて頂きましたが、誤解を招いてしまったことについて、改めて深くお詫びを申し上げます(一礼)。
ご質問にお答え致します。えー、只今のご質問については、私は今お答えする立場にないと、いうふうに認識しております」
有田芳生「会長が経営委員の発言について、責任がない、発言する責任がないというのは、どういうことでしょうか」
籾井NHK会長「えー、経営委員の方々についてのコメントを私がすることは、する立場にないということでございます」
有田芳生「編集権を持った会長というのはいわゆるこれまで三菱、三井のお仕事、日本ユニセフのお仕事とは違って、今や、もはや編集権を持っているというのはジャーナリズム精神で、やはり発言しなければいけないんですよ。
感想どうですか。感想ぐらい言えるでしょう」
籾井NHK会長「繰返しになって恐縮でございますが、私は経営委員のことについてコメントする立場にありません」
有田芳生「ジャーナリズム精神を持った人が感想することもできない。恥ずかしいことだと思いませんか」
籾井NHK会長「感想も述べることはないと思います」
有田芳生「NHKの経営委員(長谷川三千子)だけではありません。百田経営員も選挙の応援に来られ て、南京虐殺はなかったと、慰安婦問題は大ウソだとか、それは色んな議論はあるでしょう。しかし見過ごすことができない発言を、有楽町、こう語っております。
都知事選の候補者について語っているんですが、『残り厄介な3人ぐらいおります』、えー、『どいつもこいつも人間のクズです』
あるいは秋葉原での演説。『本当に何人か重要な候補と言われる人物ですが、私から見れば人間のクズみたいなもんです』
百田経営委員がこう発言しているこの『人間のクズ』と言われた人は元首相、元厚生労働大臣、そして元日弁連会長ですよ。
総理、如何ですか。こういうこと言っていいんですか」
安倍晋三「私はそこで聞いていたわけではございませんし、我が党が応援している候補は舛添候補であるわけであります」
有田芳生「会長、如何ですか。人間のクズと言っている」
籾井NHK会長は委員長が呼ぶ前に立ち上がっていて既に発言していたために、委員長の呼ぶ声と重なって、何を言っているのか聞き 取れない。
有田芳生「総理、あの、放送法31条には経営委員会委員は公共の福祉に関し、公正な判断をすることのできる者のうちから両議院の同意を得て内閣総理大臣が任命される。そういうことを言っている。
だけど元総理や元厚生大臣や元日弁連会長を人間のクズだと言うような経営委員を総理はどういう立場で、放送法31条の立場できちっり対応する必要があるんじゃないですか」
安倍晋三「経営委員に於いては両院の同意を得て、総理大臣が指名するものです」
有田芳生「総理、人間のクズと、公の立派な仕事をされた人に対して罵倒することが公共の福祉に関して公正な判断ができる人なんですか」
安倍晋三「そもそも私は、それを聞いておりませんので、基本的に(手を議場の後ろの方に 差し伸べて)、後の方でですね、場外で、ああいう大声を出されると、審議に、私は、今聞いていることもよく聞こえない状況でございますので、冷静なですね、品位を守った、品位を守った、えーと、委員会にして貰いたいと思います」
有田芳生「感想ぐらい述べても、一国の首相としていいと思うのですが、如何ですか」
安倍晋三「先程申し上げましたように聞いていないから、聞いていないから、感想の述べようがないということでございます」
有田芳生「あのー、人間のクズだという発言を選挙の時だとおっしゃいますけども、れっき としたNHKの経営委員が語っている。これ有楽町と秋葉原、2個所で確実に言っていることなんです。
そのことについて別に総理を責めるわけではなくて、どのようにお考えになりますかと、そういう感想を伺っているんです」
安倍晋三「私は聞いていないんですから、(苦笑いを見せて)答えようがない。有田さんの ことをですね、信用していないわけではありませんが、しかし、それが事実かどうか確認していない限り、コメント、総理大臣としてコメントできない というのはごく当たり前のことじゃないですか。延々とですね、これを補正予算の場でやるつもりなのですか」
有田芳生「会長、これをご存じですか」
籾井NHK会長「新聞では見ておりますが、実際に存じ上げません。繰返し申し上げます が、繰返し申し訳ございませんが、私の立場から言って、私がコメントする立場にないし、私の感想もこの場では控えさせて頂きたいと思います」
有田芳生「会長、これは経営委員として適切な発言ですか。れっきとした人に対して人間のクズだということは会長としてどうなんです」
籾井NHK会長「まあ、何回も申しておりますが、繰返しで申し訳ございませんが、コメン トする立場にはございません」
有田芳生「会長の責任というものは重いものがあるのですが、経営員がこういうトンデモナイ発言をしているんですから、まあ、感想ぐらい言わないのはあり得ないでしょう。如何ですか」
籾井NHK会長「本当に何度も繰返しで申し訳ございませんが、私は経営委員のことについ てコメント立場にございません」
有田芳生「総理も事実確認できていないとおっしゃいますから、私は事実確認しておりますので、是非確認をして頂いて、さらにこれからも追及をしていきたいと、いうふうに思います」
言葉自体は慇懃ではあっても、裏に無礼を潜ませている。開き直りを隠した態度そのものである。
有田議員は安倍晋三に対して「感想ぐらい述べても、一国の首相としていいと思うのですが、如何ですか」と尋ねているが、「聞いていないから、感想の述べようがない」と再度逃げられているように、「聞いていない」を感想を述べることを回避する正当理由としていることを逆手に取って、発言者と発言自体を切り離して、発言そのものを聞かせて、「聞いていない」を無効とさせた上で、「この発言自体について安部総理がどう思い、どう考えるか、その認識をお聞かせください」と質問したら、どうなるだろうか。
少なくとも、「聞いていない」は通用しなくなる。
有田議員は百田経営委員の応援演説を逐一詳しく把握していないようだから、長谷川三千子経営委員の野村秋介に対する追悼文はインターネット上に出回っているから、全文把握していたはずである。それを長谷川三千子の追悼文だとせずに、「こういった文章があります」として、それを最初から最後まで読み上げて、「このような文章をどのように理解しますか」と安倍晋三と籾井勝人に問い質したなら、否応もなしに自身の理解を話さないわけにはいかないはずだ。
「難しい話で、よく理解できない」と答弁したなら、「一国の首相の理解能力を試された瞬間でもあるのですよ」、「NHKの会長を務める人間が何も理解できない頭の程度でいいのですか」と皮肉を言った上で、特定の言葉を引き合いに出して、一つ一つの理解を問い質していけば、何らかの認識を口にせざるを得なくなるはずだ。
例えば、「人間が自らの死をささげることができるのは、神に対してのみである。そして、もしもそれが本当に正しくささげられれば、それ以上の奉納はありえない。それは絶対の祭りとも言ふべきものである」と言っている言葉を取り上げて、「自殺によって神に命を捧げることは許されるのですか」と問えば、難しくて理解できないとは言えない。
返答次第で、長谷川三千子のこの言葉が世間的に正当化された場合、神に命を捧げると称した自殺を、絶対の祭りとなると言って奨励することになる危険性を抱えることにならないかと、さらに追及することができる。
自殺を奨励していることにもなるNHK経営委員というレッテルを貼ることができたなら、辞任に追い込むことも不可能ではない。
日本の議員だけなのかどうか知らないが、質問の内容と順序を予定立てると、ほぼその通りに質問を続けて、相手の答弁の一言を捉えて質問の仕方を変える臨機応変な対応はせずに、当初の予定通りに進める傾向にある。
これも質問と答が予定されている暗記教育の影響なのだろうか。
有田議員にしても、質問の仕方を代えなかったために、「読んでおりません」、「聞いていない」の答弁の繰返しを許しただけであった。あるいは「コメントする立場にありません」の答弁を臆面もなく正々堂々と繰返させただけであった。