北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

普天間飛行場移設が事実上の争点 名護市市長選挙に基地反対の稲嶺氏が当選

2010-01-24 23:50:08 | 国際・政治

◆本日はPC不調につき、写真は無しです

 本日、名護市市長選挙が行われました。今回の選挙は、沖縄県の一首長を選出する占拠、という以上に全国の耳目を集める選挙戦となったことは御存知の通りです。

 名護市長選挙が注目を集める、何故ならば、名護市にはアメリカ合衆国海兵隊キャンプシュワブが置かれており、そのキャンプシュワブの沖合に、現在、日米摩擦の象徴となっているというべきでしょうか、普天間飛行場移設計画が立っているからです。果たして、移設賛成、いや、賛成というよりは沖縄県全体で拒否したい米軍基地の移設先を、渋々ながら市民が受け入れてくれれば、沖縄県全体に貢献する、という断腸の思いで受け入れた現職市長か、やっぱり新しい鳩山政権が見直し、って言ってくれてるのだから、基地にはNO、という候補か、注目が集まっていたわけです。

 選挙結果は、毎日新聞の記事から引用します、全文引用したので、若干長いですが以下の通りです。名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸部 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の移設問題を最大の争点とした沖縄県名護市長選が24日投開票され、県外移設を主張する無所属新人で前市教育長の稲嶺進氏(64)=民主、共産、社民、国民新推薦=が、条件付きで移設を容認する現職で無所属の島袋吉和氏(63)を破り、初当選した。これにより、自公政権が06年に米政府と合意した米軍キャンプ・シュワブ沿岸部(同市辺野古(へのこ))への移設は困難となった。鳩山政権は移設先の見直しを加速させる方針だが、米側は合意の履行を求めており、解決のめどは立っていない。 投票率は76.96%で、過去最低だった前回(74.98%)を上回った。当日有権者数は4万4896人だった。名護市長選で移設の是非が争点となるのは普天間飛行場返還に日米が合意した96年4月以降、98年2月を最初に今回で4回目。これまでの3回は移設容認派が当選しており、反対派の勝利は初めて。09年8月の衆院選で県外移設を訴えた鳩山由紀夫首相率いる民主党中心の連立政権が発足し、移設見直しへの期待が高まっていた。 稲嶺氏は、島袋氏が06年に辺野古移設を容認した経緯などに不満を持つ一部保守系市議が擁立。国政与党の民主、社民、国民新党のほか、共産党の推薦も受け、県外移設を求める立場を明確にした。選挙戦では「辺野古に新基地は造らせない」と主張。鳩山政権との連携による地域振興などを訴え、無党派層にも支持を広げた。 自民、公明両党や市経済界の支援を受けた島袋氏は、選挙戦では移設問題にほとんど触れず、市政継続を訴えたが及ばなかった。 鳩山政権は12月、普天間移設問題の結論を5月に先送りすることを決め、政府・与党の沖縄基地問題検討委員会(委員長・平野博文官房長官)を設置して見直し作業を進めている。鳩山首相は名護市長選の結果が移設先の検討に影響する可能性に言及しており、辺野古移設の選択肢は事実上消えたことになる。 稲嶺氏の当選により県外移設への期待が沖縄県内でさらに高まるのは確実。これに対し、平野長官は10日、沖縄本島や離島を上空から視察するなど県内移設を模索する構えも見せている。米側との調整も難航は必至で、鳩山首相が設定した5月の期限へ向け政府は難しい対応を迫られる。【http://<wbr></wbr>mainich<wbr></wbr>i.jp/se<wbr></wbr>lect/to<wbr></wbr>day/new<wbr></wbr>s/20100<wbr></wbr>125k000<wbr></wbr>0m01008<wbr></wbr>9000c.h<wbr></wbr>tml

 さて、以上の通りです。普通にTVでも報道しているようなのですが、本日は私事ながらBACK TO THE FUTUREの三部作が新品で投げ売りされていましたので、こちらを購入しまして観ていたので、といいますか現在まさにⅡをみている最中なので、テレビ報道に関してはご容赦ください。Ⅱの舞台は2015年、そういえば普天間基地の移設完了は2014年でしたので、作品中の世界では普天間基地はどこかに移設されているのでしょう。第一作で飛ぼうとした未来は作品中の1985年から25年後なので、今年2010年なのですね。・・・、ほんとうにどうでもいい話です。

 今回の市長選挙で、民主党は基地移設反対の稲嶺候補を支援したのですが、さす側民主党と言うところなのでしょうか、見事支援した候補が勝ちました。しかし、お気づきとは思いますが、鳩山総理は、五月までに普天間基地の移設先について、日米合意する、と発言しています。最近はトーンダウンして、いいや、日本側の意見を五月までにまとめるという事ですヨ、と言い換えていますが、この移設先はゼロベースで考える、と言っておりました。つまり、名護市辺野古のキャンプシュワブ沖合に移設する、という選択肢も残っているのですよね。そうです、辺野古沖の可能性が残っている以上、今回の市長選は民意を問うというべきでしょうか、中立の立場から考えるべきだったのです。

 アメリカ海兵隊は、現在、沖縄県の海兵隊地上戦闘部隊との間で協同運用を行うために、沖縄県の部隊からヘリコプターで20分以内に到達できる場所を普天間飛行場代替施設として求めています。つまりは、普天間の代替飛行場は辺野古沖に、という日米合意があるのだから、それを履行してくれ、ということです。CH-53KやV-22など、現在海兵隊で運用されている航空機は発展してゆくのでしょうが、どのように発展しようとも、海兵隊は大統領命令だけで運用できる直轄部隊であり、緊急展開部隊、つまり装備が軽量な部隊であるわけです。したがって、重い戦車や自走砲を保有していない分、機動力が何よりも重視されるわけなので、ヘリコプターを使った訓練は日常的に行う必要があるわけなのですよね、そこで、移転先はヘリで20分以内、ということになりました。

 民主党や社民党、国民新党からなり連立与党は、普天間移設反対ではなく普天間の滑走路を短くして運用すれば住宅街から数百メートルの距離を置けるという移転反対案、いいや、九州の大村航空基地のあたりが海兵隊ヘリコプターを搭載する強襲揚陸艦の母港、佐世保基地に近いので便利なのだからいいだろう、いいや、大阪府知事がまんざらでもない発言をしている関西国際空港にヘリコプターを移転してみてはどうだろうか、海兵隊のキャンプがあるキャンプ富士周辺に東富士演習場を縮小して飛行場を建設しよう、海兵隊なんか全部グアムに移転してしまえばいいんじゃないのかな、どこかよさげな無人島を、例えば硫黄島なんてどうだろうか、ストラトス4で有名になった下地島を海兵隊に提供すれば問題ないのではないか、いっそのこと沖縄本島に近い伊江島が昔補助飛行場の建設を認めてくれたから、補助飛行場がいいのなら基地も受け入れてくれるのではないか、などなど百花繚乱。このなかで現実的なのは、辺野古沖以外は、伊江島くらいなのでしょうか。個人的には那覇移転案もあるのだとおもうのですが。

 さて、民主党は群馬県の八ツ場ダムを一方的に建設中止にする、と政権公約に記載して、政権を獲得すると、地元の意見を無視する形で建設中止を押しつけました。何十年も経て合意に至ったのだから、建設反対派も賛成派もなんとか呑んだ合意、ということで、渋々ダムを建設してもらおうではないか、という決意に水を差したのですね。これが問題になっています。もっとも似たような胆沢ダムや、巨額の資金を必要とする霞ヶ浦導水路などは継続されているのに、という一部疑問があるかもしれませんが、この場合は置いておきましょう、本題からそれますからね。

 政府として、出した結論が名護市キャンプシュワブ沖合しかなかった場合はどうすればいいのでしょうか、という事が一番重要でしょう。某ダムのように、中央が決定したのだから、地方は従ってもらわねが困る、名護市が反対して、市長が反対していても強制的に飛行場は云々、というつもりなのでしょうか、これは難しいでしょう。なんといっても、今回当選した新市長さんを民主党も社民党も支持したのですから、それとこれとは話が別、ということで基地は名護市沖合だあ、というのは出来ない事です。

 それでは、どうやって新しい移設先を考えるのでしょうか、ゼロベースであるのだけれども実質的には辺野古沖は考えない、ということになるのでしょうか、さすがに五月以降に決定を先延ばしと言う事は無理でしょう、そもそも、自民党政権が十五年間かけてなんとか落ち着き先を見つけたのに対して、いきなり民主党が政治主導で、と掲げても少し無理があり過ぎるようで、どうやって解決策を探すのか、御手並み拝見と行きたいところです。

HARUNA

◆◆

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする