北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

海上自衛隊ソマリア沖海賊対処任務、第100回護衛任務が本日完了

2010-01-25 23:55:01 | 国際・政治

◆海賊対処行動第59回

 防衛省によれば、1月22日から開始されたソマリアアデン湾護衛任務が本日25日に完了したとのことだ。

Img_1600  今回の任務完了をもって海上自衛隊の海賊対処任務が海上警備行動命令時代のものを含めて百回を越えた。東西冷戦時代に鈴木総理が提唱していた1000海里シーレーン防衛構想や。90年代の日米新ガイドライン締結時代に極東有事の範囲内は台湾海峡を含むか否か、という議論が相当空虚に聞こえてくる次第。

Img_1558  1月22日より開始された標記護衛について、1月24日(日本時間午後)、アデン湾における海賊対処のため派遣された自衛隊の部隊(護衛艦「たかなみ」及び「はまぎり」)による護衛が終了しました。 今回の護衛対象であった船舶6隻の内訳は以下の通りです。日本籍船 0隻、我が国の船舶運航事業者が運航する外国籍船 1隻、(タンカー×1)・その他の外国籍船 5隻(コンテナ船×2、一般貨物船×2、タンカー×1)http://www.mod.go.jp/j/news/2010/01/25e.html

Img_7226  海賊対処任務は歴としたシーレーン防衛の一形態であるとともに、海上自衛隊の現有の能力発揮の場としての抑止力維持、各国海軍との交歓や商船護衛を介しての信頼醸成という副次効果など、実際の海上自衛隊艦艇による日本向け商船護衛を介しての日本経済活動の維持継続以上に大きな成果を発揮してきていることは確かである。

Img_7458  他方で、回数を重ねるごとに海上自衛隊への護衛要請の隻数は増加しており、最大で10隻を越えることも珍しくは無くなってきている。これは必然的に船団が長大化することを意味しており、各国が実施している艦艇巡回、ポイントディフェンス方式とは異なりエスコート方式を採っている以上、リスクは大きくなる。今後、可能であるならば派遣護衛艦の増勢は求められるかもしれないが、一方で海賊対処が新しい海上自衛隊の世界に認識される任務となるだろう、

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする