◆憲法に反し野党議員の出席拒否にも繋がる
時事通信によれば自衛隊行事における政権批判は自衛隊行事では自民党代議士の祝辞を含めてかなりあるのですが、民主党の防衛次官がこれを封殺するよう命令を発したとのことです。事実であれば前代未聞。
来賓者は政権批判自粛を=防衛次官が通達、政務三役指示・・・ 防衛省が自衛隊関連施設で開催する行事について、来賓者に政権に対する批判など政治的発言を控えるよう要請する内容の中江公人事務次官の通達を全国の自衛隊に出していたことが16日、明らかになった。通達は同省政務三役の指示で作成されており、波紋を呼びそうだ。
関係者によると、今月3日に航空自衛隊入間基地(埼玉県狭山市など)で行われた航空祭に、自衛隊協力団体の代表が来賓として出席。同代表はあいさつで、尖閣諸島沖での中国漁船の衝突事件を念頭に菅政権を批判した。これを受けて同省は10日、事務次官名の通達を発出した。 通達では、政治的発言の自粛要請が受け入れられない場合、来賓の参加を見合わせることも求めている。 (2010/11/16-23:53)http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010111601049◆
自衛隊の駐屯地創立記念行事において野党議員からの祝辞や自衛隊関係団体の関係者出席が今後認められなくなるかもしれません。防衛次官の通達を実行すれば、認められなくなります。祝辞や訓示では自衛官が公務員の立場からは話せない内容を代弁する野党議員の方が多い事は、行事に足を運べばよく耳にします。
自衛隊関連行事では相次ぐ政府による自衛隊任務の拡大と自衛隊の規模縮小、防衛予算を限界以上に縮減を求めるとともに稼働率低下や能力低下を失策の結果とは決して認めずに自衛隊に押し付ける、権限を与えずに責任だけを突き付ける方式、無理の限界を通り越した上に人員を削減し、装備を削減し、様々な無理を通そうとする現在の政府には、憤りを感じている見学者も多いのでしょうか、野党議員への祝辞へ見学者からの拍手は凄いです。野党議員へのここまでの拍手は、自民党が与党であった時代には考えられませんでした。
しかし、耳が痛いという事は理解できなくも無いのですが、わが国の防衛に当たる軍事機構たる自衛隊に対して、私人たる民間人への表現を封殺するような命令、国民の代表たる国会議員への発言を圧封する命令、これはいくらなんでも憲法にも反するのではないでしょうか。これは中国や北朝鮮、ミャンマーの話ではなく第二次大戦中の日本や旧ソ連の話ではなく21世紀の日本における事象です。
自民党が与党時代であれば、こうした発言を与党の防衛次官が発言すれば当然辞任、防衛大臣も引責辞任へ発展するほど、大きな失言であり失策です。どうしてもこうした政策を民主党政権が求めるのならば、衆議院を解散して総選挙を行い国民に信を問うか、憲法を改正して私人の思想良心の自由や用言の自由に制限を加えるよう明記し、与党以外の国会議員の政治活動や発言に制約を加える新法を制定されてはいかがでしょうか。
HARUNA
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