◆護衛艦きりさめ、ゆうだち十二月一日出航
統合幕僚監部によればソマリア沖アデン湾海賊対処任務へ第七次派遣水上部隊として佐世保基地の第七護衛隊が選ばれ十二月一日に佐世保基地を出航する事と決定したようです。
派遣部隊指揮官は第七護衛隊司令伊藤弘1佐45歳で、きりさめ、は艦長の水谷宗和2佐(51歳)以下乗員180名。護衛艦ゆうだち、は艦長林田嘉信2佐(49歳)以下180名と海上保安官8名を含めた約400名。きりさめ、ゆうだち、は海上自衛隊護衛艦隊の主力である、むらさめ型護衛艦で満載排水量は6200㌧、対空対潜対水上の各種装備を備えたガスタービン艦で哨戒ヘリコプターの運用能力及びステルス性を備えている優秀艦。
現在は第六次派遣水上部隊として第三護衛隊の三船忍1佐(49歳)以下、護衛艦まきなみ、艦長秋元辰夫2佐(46歳)以下の乗員と、護衛艦せとぎり艦長西脇匡史2佐(40歳)以下の乗員が紅海とインド洋を結ぶアデン湾をジブチ共和国からソマリアとイエメンを隔てるアデン湾に沿って900~1100kmの海域について船団を護衛し、同時に哨ジブチ共和国に派遣されている派遣海賊対処行動航空隊のP-3C哨戒機が上空から情報収集に当たっています。
海上自衛隊からは現在、常時二隻の護衛艦を海賊対処任務に派遣しているのですが、護衛艦二隻と哨戒ヘリコプターにより船団を護衛するという任務には大型艦でヘリコプターの運用能力が高い護衛艦でなければならず、その派遣任務はソマリア沖という非常に遠い海域とともに海上自衛隊の平時の訓練や警戒任務と両立するには決して楽な任務ではありませんし、乗員への負担も想像を絶するものがあります。
しかしながら、この海域は中東と日本、欧州と日本を結ぶ重要航路であり、この地域の商船を護衛する事は日本のみならず欧州とアジアを結ぶ重要な意義があります。派遣当初こそ、その意義や位置づけについて日本国内でも大きく議論され、報道されていましたが、いまではあまり報じられることも無くなりました。ただし、今日の日本の豊かな生活を支えるべく、今日も海上自衛隊の任務は継続されており、第七次派遣部隊として来月一日、更に二隻の護衛艦が派遣される、ということは覚えておく必要があるでしょう。
HARUNA
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