◆電灯艦飾、それは海に浮かぶ光の城塞
舞鶴展示訓練、日本海を舞台とした我が国洋上の護りについての一端の展示を終え、前回舞鶴基地へ帰港しました。
電灯艦飾、2000時に停泊する護衛艦が一斉に電燈を点灯し、舞鶴展示訓練夜の展示が開始されました。点灯前に長時間露光で撮影していましたところ、その撮影中に点灯しましたため、少し電燈の光が仄かに映っている。展示訓練は七月下旬で2000時とはいえ、やや空はまだ明るい。
写真は西舞鶴港、点灯直前の様子で、十分常夜灯でも艦の様子は分かるという一枚です。舞鶴市は旧海軍が主導として田辺城の城下町西舞鶴と鎮守府の街東舞鶴を合併し、誕生した街、西舞鶴と東舞鶴は駅で6km離れています。そして西舞鶴は商港として発達しました。
長時間露光での撮影には、レリーズかリモートシャッターに三脚が必要となります。このため、小型三脚とレリーズはカメラバッグの片隅に常備しているのですが、緊急時には、つまり何もないときにはセルフタイマー機能とカメラを台や箱上に落ちないように置いて撮影することも出来る。
この西舞鶴は、商港として発達したこともあり、東舞鶴と比べて商店街や繁華街が発展しており、西舞鶴駅から徒歩で少しのところにあり、海産物観光市場である舞鶴とれとれセンターでは手頃に様々な海の幸を楽しめるため、実は点灯までの時間をそこで夕食と軽い晩酌で楽しんでいました。
この西舞鶴港は繰り返すように商港ですので、護衛艦は普段、東舞鶴の舞鶴基地へ停泊しています、が、舞鶴展示訓練期間中は西舞鶴港からの乗艦へ、こちらへ前方展開しています。そして、警備上艦艇には近づけない舞鶴基地と違い、西舞鶴港では護衛艦が比較的近いところに停泊しているため、撮影条件が良い。
この西舞鶴港は、撮影した土曜日の翌日、日曜日にも舞鶴展示訓練を観る機会に恵まれ、日曜日は舞鶴基地ではなく、此処西舞鶴港から乗艦することとなっていたため、どの当たりに停泊しているのかを見てゆくという意味もあり、撮影に展開したところ。
舞鶴基地へ転進、文庫山より北吸桟橋の様子を撮影しました。手前にはイージス艦あたご、奥にはヘリコプター搭載護衛艦しらね、が停泊しているのが見えます。あたご、はイージス艦の直線を基調とした艦容が際立っています。しらね、は定期整備中となっており、電燈艦飾は行われていません。
イージス艦ちょうかい、北大路機関のトップページ写真に君臨し、舞鶴展示訓練詳報に掲載した写真はこのイージス艦ちょうかい、より撮影、この日お世話になったイージス艦ですね。前に停泊しているのは少々見えにくいですが多用途支援艦ひうち、です。
ヘリコプター搭載護衛艦しらね、舞鶴を母港とする第三護衛隊群の護衛艦で、横須賀での火災事故の後、自衛艦旗を返納したヘリコプター搭載護衛艦はるな、より電子装備の移植を受け修理を完了しました。この前年に行われた横須賀地方隊伊勢湾展示訓練には、しらね、も参加していました。
護衛艦すずなみ、定期整備中の様子です。就役以来永くここ舞鶴を母港としていましたが、この定期整備完了後に新しい母港、大湊基地へ旅立って行っています。こちらも定期整備中で、電燈艦飾は施されていませんが、陸上の常夜灯で艦容が浮き上がっていますね。
イージス艦ちょうかい、イージス艦あたご。撮影位置は再度転換しまして前島埠頭、釣り人で賑わうフェリーターミナルの埠頭で、新日本海フェリーが毎日、ここ舞鶴と北海道の小樽を結んでいます。北海道というと名古屋を出港する太平洋フェリーも有名ですが、日本海経由の方が距離をい節約でき、その分早く北海道へ移動できます。
ちょうかい、しかし、この舞鶴展示訓練2011は、2011年7月、つまりあの東日本大震災から半年後に行われました。文字通り有事というべき大災害ではありましたが、こういう時こそ日常を取り戻すために確たる行動を採ろう、と舞鶴地方総監の英断から実施されたもの。
こちらはイージス艦あたご、そしてよく見ますと艦尾より少し後ろに潜水艦うんりゅう、が停泊しているのが見えます。こうした情景を撮りつつ、気軽に防衛装備について考えられるひとときの日常というのは、当たり前なのだけれども、何時破綻するか気を付けて防がねばならない、大切なものなのだなあ、と考えさせられます。
護衛艦あけぼの、三脚に長時間露光撮影を行っているのですが、やはり沖留で撮影位置から距離があり、そして桟橋の光が無いと、どうしてもこういうくらい情景になってしまいますね。このすぐ後ろには海上自衛隊舞鶴航空基地があり、平日には夜間の発着飛行訓練を行ったりもしています。
最後に広角で、ひうち、ちょうかい、あたご、うんりゅう。こうして、十二回の舞鶴展示訓練詳報を掲載してまいりましたが、この特集は今回が最終回となります。この総集編を掲載したのち、次回からは海上自衛隊行事詳報に新しい詳報の連載を開始します。お楽しみに、今後ともよろしくお願いいたします。
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