北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

パシフィックパートナーシップ2013へ“友愛ボート”護衛艦やまぎり以下陸海空部隊が派遣中

2013-06-18 23:55:29 | 国際・政治

◆航空自衛隊からはKC-767派遣、NPO11名も参加

 防衛省は6月12日から7月6日までの期間、パシフィックパートナーシップ2013へ部隊を派遣中です。

Img_7331 今回のパシフィックパートナーシップ2013へは、海上自衛隊より護衛艦やまぎり、及びその艦載機としてSH-60J哨戒ヘリコプターが一機、航空自衛隊よりKC-767空中給油輸送機一機が派遣され、陸海空自衛隊より医療関係要員が調整員含め40名参加、250名規模の部隊参加となっています。

Mimg_6687 加えて、NPOからの参加としてはNPO法人国際緊急医療衛生支援機構より10名が、NPO法人アムダから1名が参加しています。パシフィックパートナーシップへは参加開始当初からNPO参加が防衛省により広く募集されており、実務経験などで応募資格を満たすNPOが今回も参加しました。

Img_1356 ドーンブリッツ日米合同訓練や、ワシントン州にて実施されている日米共同指揮所訓練ヤマサクラ、先日房総沖で行われた日豪共同訓練など、様々な訓練が行われているところではありますが、本年もパシフィックパートナーシップへの参加が行われていることも忘れてはなりません。

Img_0770 パシフィックパートナーシップとは、2007年より米軍が開始した多国間訓練で、各国の軍事機構のみならず、政府関係者、国際機関、NPOなどの民間団体が参加し、各国の連携強化と大規模災害への共同対処能力を強化するための訓練です。我が国では、参加当時、友愛ボートと呼ばれていたのをご記憶の方が多いのではないでしょうか。

Img_0679 今回は、トンガ王国とパプアニューギニアにおいて実施され、訓練期間は6月12日から7月6日まで、両国を6月12日から22日までの期間をトンガ王国、6月25日から7月6日までの期間をパプアニューギニアにおいて医療支援活動や民間交流任務等をちゅうしんとした訓練を実施します。

Img_3656f 訓練は、過去の参加実績を見てみますと会場設営と歯科診療や内科診療といった実任務に準じた行動、公衆衛生教育や文化交流が行われ、このほか東日本大震災後では東日本大震災に関する自衛隊の対応などが展示され、文化交流では催事やスポーツ交流が行われました。

Mimg_4137 友愛ボートとして鳩山内閣時代に鳴り物入りで開始されたパシフィックパートナーシップは、派遣艦艇こそ、かつての輸送艦に対し護衛艦となり、このため同乗できるNPO要員の数にも限りが出てきていますが、これは聞くところによれば、NPOからは2010年に4団体22名、2011年参加無し、2012年は19名と、輸送艦が必要なほどの参加資格を持つ団体の応募がないため、とのこと。

Img_9849a 鳩山内閣時代以前にも開始当初から数名の要員を派遣していたのですが、部隊として参加を行ったのは2010年からです。訓練参加表明当時は、時の鳩山総理の不規則な言動と友愛ボートという不可思議な呼称から、単に有象無象の実務経験や能力のない自称NPOが海外旅行の方便に使われるのではないか、と一部で危惧する声もありました。

Fimg_5899 こうした危惧は当方も実のところ同様の不安を抱えていたのですが、この訓練への参加は、国際平和維持活動において同列に活動するNPOと自衛隊との連携の基盤を演練し、東南アジア地域や環太平洋地域における軍民協力下での国際貢献任務への重要な態勢固めへの訓練となり、今に至ります。

Mimg_1594 なお、2011年の訓練参加は、東日本大震災災害派遣により参加規模を大きく縮小し実施していますが、2010年と2012年の訓練参加へは輸送艦おおすみ型を派遣しています。今回は護衛艦による参加となりますが、医療部隊の装備をどう搭載しているか、等護衛艦にも相応の災害対処能力が求められる昨今、興味が湧くところです。

北大路機関:はるな

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コメント (1)
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