北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

ドーンブリッツ2013実動訓練、米演習へ島嶼部防衛対処演練に自衛隊初参加

2013-06-09 20:10:53 | 防衛・安全保障
■護衛艦ひゅうが、AH-64搭載でサンクレメンテ島へ 
 防衛省は6月10日より26日まで、アメリカカルフォルニア州のキャンプペンドルトンとサンクレメンテ島において行われるドーンブリッツ2013演習へ自衛隊を派遣します。 
Dbimg_3333 この演習は、島嶼部侵攻対処に係る自衛隊の統合運用要領及び米軍との共同対処要領を演練し、その能力の維持と向上を図る事を目的としています。米軍との連携及び島嶼部侵攻対処作戦に係る一連の各種行動を演練するべく実施されるもので、既に機能別訓練として5月29日から6月9日にかけ自衛隊が参加しています。
Dbimg_3960 訓練へは、米軍側が第三艦隊司令官ジェラルドRビーマン海軍中将が、日本側は第2護衛隊群司令湯浅秀樹海将補が訓練統裁官として臨み、陸海空自衛隊より統合部隊が訓練へ参加します。米軍からは第三艦隊及び第一海兵機動展開部隊が演習に参加。海上自衛隊からは、ヘリコプター搭載護衛艦ひゅうが、ミサイル護衛艦あたご、輸送艦しもきた、そして艦載機にSH-60Kが三機参加する、と発表されました。
Dbimg_0367 加えて陸上自衛隊からは西部方面隊隷下の西部方面普通科連隊より連隊本部及び一個中隊基幹部隊が参加し、西部方面航空隊よりCH-47JA輸送ヘリコプター二機、AH-64D戦闘ヘリコプター二機が参加します。このほか、航空自衛隊からは航空総隊より要員が派遣される、とのこと。
Dbimg_0779 参加規模は自衛隊からは約1000名で、第2護衛隊群は、佐世保基地へ、くらま以下8隻を運用する部隊であり、西部方面普通科連隊は佐世保基地へほど近い相浦駐屯地に駐屯する西部方面隊直轄部隊で、レンジャー資格を有する隊員を数多く配置し、方面航空隊とともに緊急展開を企図した運用が為される精鋭部隊の一つ。
Dbimg_4687 陸上自衛隊は西部方面普通科連隊がキャンプペンドルトン及びサンクレメンテ島での実動訓練に何度も展開し、日米共同訓練などを通じアメリカ側へ一定の能力を構築していると考えられており、今回の訓練では、ヘリコプター搭載護衛艦からの戦闘ヘリコプターや輸送ヘリコプターの展開や、輸送艦からのエアクッション揚陸艇LCACによる揚陸訓練、イージス艦の防空との連携などが訓練されるのでしょう。
Dbimg_0604 戦闘ヘリコプターの支援下で輸送ヘリコプターが離島海岸線へ展開し、先んじて複合艇などで潜入した情報小隊の地形情報に基づき海岸線周辺を確保、併せてイージス艦の防空支援を受けつつ、沖合より輸送艦のLCACにより車両部隊を上陸させ、海岸線周辺を確保すると共に内陸部へ展開する、具体的にはこんなところでしょうか。
Dbimg_0290 我が国でも協同転地演習を筆頭に定期的に揚陸訓練などは実施されていますが、1998年の硫黄島三自衛隊合同訓練以降、揚陸から海岸堡確保と戦果拡大まで、一連の実動訓練を行うには演習場環境に限界があり、内陸部の演習場を離島に見立てるなど、本格的な揚陸ではなく上陸を念頭に置いた訓練は行えていません。
Dbimg_7068 サンクレメンテ島は上陸と共に平行して戦闘射撃などの実戦的な訓練を行える環境にあります。なお、ドーンブリッツ演習は、防衛省によればこれまで米軍単独訓練として実施されており、自衛隊が参加するのは今回が初めて、とのことです。本年は、近代的なLCACを運用する、おおすみ型輸送艦就役から15年を経た年でもあり、訓練の成果と抑止力の強化を期待したいところです。
北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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