北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

陸上自衛隊、水陸両用訓練研修へ第12普通科連隊より第三海兵移動展開部隊へ要員派遣

2013-06-03 23:32:05 | 防衛・安全保障

◆今月はドーンブリッツ演習へも派遣 

 朝雲新聞によれば、陸上自衛隊は5月29日より7月8日まで、水陸両用訓練研修へ隊員の派遣を開始した、とのこと。

Mimg_1284 今回派遣されているのは国分駐屯地に駐屯する第8師団隷下の第12普通科連隊より30名の隊員で、沖縄駐留の米海兵隊第3海兵機動展開部隊3MEFへ要員を派遣しています。主たる目的は上記の通り水陸両用訓練研修ですが、併せて第一線レベルでの日米隊員間の関係強化も目的である、とされています。

Mimg_4695 第8師団は、南九州に駐屯し、過去の報道では、この第8師団を海兵隊型の両用任務部隊へ改編する検討が為されていた、というものがありました。また、与党自民党では防衛力再建の一手段として、陸上自衛隊へ両用戦部隊の創設を念頭に考えている、というものもあり、このあたりとの関係が非常に興味深いといえるでしょう。

Img_2330a 特に今年度予算にて、海兵隊が使用するAAV-7水陸両用装甲車と同型と思われる装甲車の試験調達が決定しており、これまでの陸上自衛隊装甲車両と根本的に異なる装備へ、導入後の運用体系構築を無駄なく行うためにも、この種の研究と交流の需要性はいうまでもありません。

Img_0198 また、水陸両用部隊の運用の際に、陸上自衛隊が長く戦術を研究し強化してきた空中機動部隊との連携要領の在り方など、机上研究には限界があり、さりとて実動研究を行おうにも担当部隊がありません。こうした意味からも、今回行う研究は規模こそ小さいものの、重要な積み重ねの一つというところ。

Img_0984 併せて陸上自衛隊は西部方面普通科連隊などを中心に派米訓練を繰り返しており、米国派遣訓練ドーンブリッツ2013演習では、西部方面隊を中心とした部隊をヘリコプター搭載護衛艦からの運用を行う実動訓練を実施します。様々な蓄積が着実な防衛力の維持につながる、今回の研修もその一つと言えるでしょう。

北大路機関:はるな

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