◆情勢緊迫時より海上諸作戦の統合運用を演練
防衛省によれば海上自衛隊は明日15日より19日まで海上自衛隊演習図上演習を実施します。
現代戦は瞬時の兆候察知と迅速な指揮系統の立ち上げに依拠した作戦運用と補給体系の円滑化により、状況拡大を抑止し、我が政府が自衛隊へ求める任務の完遂へ繋げる事となります。即ちこれは、平時の監視と訓練の両立体制から有事の警戒と防衛への移行を円滑化する意味と言えるでしょう。
海上自衛隊演習図上演習は、この目的の下に統裁官を自衛艦隊司令官松下泰士海将とし、自衛艦隊隷下の護衛艦隊や潜水艦隊に航空集団等といった各司令部、横須賀地方総監部、佐世保地方総監部、舞鶴地方総監部、呉地方総監部、大湊地方総監部、そして補給本部などより7要員3000名が参加し、実施されるもの。
実施場所は、目黒基地の海上自衛隊幹部学校、そして前述の司令部が所在する演習参加部隊所在地で、演習の詳細な想定は発表されていませんが、情勢緊迫段階からの防衛にかんする海上諸作戦を演練し、これらを以て上級指揮官の情勢判断能力と部隊運用能力を演練する、とのこと。
特に我が国の防衛体制は、平時から戦時への移管までの制約もあり、情勢緊迫段階においても防衛出動命令が発令されるまでの時間もあり、発令と共に求められる即座の能力を判断する必要があるとともに、我が方の質的優位に対し脅威対象は量的優位を以て展開するため、如何に作戦を計画し、これを実現せしめるかが重要と言えるでしょう。
海上自衛隊演習は、今回の図上演習のほか、海上自衛隊演習実動演習が別の訓練として実施され、昨年度はこの時期に観艦式が実施されていますが、そのまえの2011年度は自衛艦隊より30隻と60機、米海軍より20隻が参加し10月末に沖縄周辺海域で実施されています。
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)