◆コリンズ級潜水艦ウォーラー入港
海上自衛隊は、第6回西太平洋潜水艦救難訓練(Pacific Reach 2013)を現在実施中です。訓練は20日から28日まで、洋上訓練は23日から28日まで実施されます。
この訓練は、潜水艦救難技術の向上と訓練参加各国の信頼関係増進をめざし、2000年より定期的に実施されているもので、我が国での開催は2002年以来のものとまります。潜水艦は運用と共に事故発生時には特殊な救難技術を要し、その事故に備えるための装備も安くはありません。
今回の訓練は、参加国は開催国である我が国他、アメリカ、オーストラリア、韓国、シンガポールが参加し、艦艇などを日本に派遣しているほか、救難訓練へのオブザーバーとして、エクアドル、インド、インドネシア、マレーシア、ペルー、タイ、ヴェトナムが参加を予定している、とのこと。
自衛隊からの参加艦艇は、ヘリコプター搭載護衛艦ひゅうが、潜水艦救難艦ちはや、練習潜水艦ふゆしお、多用途支援艦えんしゅう、掃海艇つのしま、掃海艇まきしま、水中処分母船一号、オーストラリア海軍よりコリンズ級潜水艦ウォーラー、韓国海軍より潜水艦救難艦チョンヘジョン、潜水艦チャンボゴ級等が参加するべく、横須賀へ入港しました。
潜水艦救難に国境はありません。意外と思われるかもしれませんが、潜水艦救難用の装備、例えば海上自衛隊の深海潜水艦救難艇DSRVを搭載する潜水艦救難艦等の専門器材は各国間で補油と稼働状況に関する情報が共有されており、過去、ロシア潜水艦などの事故に際しては海上自衛隊へ準備要請が入ったこともあり、救難は領土問題など関係ありません。
そして、DSRVの建造費は非常に高く、通常動力潜水艦と比較しても安くは無い費用と維持費を要する為、この種の装備を早い時期から導入し、運用してきた海上自衛隊の実力はかなりのものと言えるでしょう。訓練は、相模湾にて、実際に海中に潜水艦を鎮座させ、捜索と救難までの一連の動作を演練します。
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