◆航空総隊司令官中島邦祐空将が統裁官
航空自衛隊によれば、航空総隊は来週9月24日から10月11日にかけ、平成25年度航空総隊戦技競技会を実施する、とのこと。
戦技競技会は対戦闘機戦闘の能力を中心に、戦闘能力の向上を主眼として、基礎動作から応用動作までの能力を全ての飛行隊の参加を以て実施するもので、百里基地とその周辺空域、三沢基地とその周辺空域を実施場所とし、航空総隊司令官中島邦祐空将が統裁官として臨みます。
文字通り日本最強の飛行隊を競技により勝ち取るという意味から、航空自衛隊の戦闘機部隊として12個飛行隊全てが参加し、その気合の入り方は大変なものとされています。また、競技会へは戦競塗装にて参加する部隊もあり、意見派手すぎる塗装にて臨む機体も。
競技部門は戦闘機部隊の機種ごとに分かれており、まず9月24日から28日にかけ、F-4戦闘機を運用する要撃飛行隊全てに当たる二個飛行隊が百里位置とその周辺空域において競技を行います。往時と比べ数は減りましたが、二個飛行隊というと、百里基地と新田原基地の飛行隊です。
F-4は後継機であるF-35の導入まで、まだ少なくとも数年、運用終了までは十年以上ありますので、老朽化は進んでいますが予備機の借用でも出来ない限り運用する航空自衛隊と整備を行う三菱重工、共に機体運用の持続について、もう少し頑張ってもらわなければなりません。
F-15の飛行隊は9月27日から10月5日にかけ、百里基地及びその周辺空域において行われ、こちらは航空自衛隊の主力であるF-15が参加するため、千歳基地、百里基地、小松基地、築城基地、那覇基地から七個飛行隊が参加部隊を編成し、戦競へ臨むというかたち。
なお、この戦競塗装ですが、F-15は機体上面の平面部分が航空自衛隊の全戦闘機中一番大きいため、垂直尾翼にかけての部分と機体上面部分に大きな塗装を行い参加する機体もあり、既に一部の基地では参加予定機がその塗装のまま訓練、競技会を控えての猛訓練へ臨んでいる、とのこと。
蛇足ながら、航空自衛隊へF-35の導入が開始された場合、機体はステルス塗装を採用していますので、迷彩塗装などを適宜行うことはできないことを意味し、言い換えれば戦競塗装のF-35を見ることはできません。F-15とF-2の時代まで、という一時代の風物詩として将来語られてゆくのでしょうね。
F-2支援戦闘機の部隊は、10月4日から11日にかけ、三沢基地とその周辺空域において実施し、三沢基地と築城基地より三個飛行隊が参加部隊を編成し、臨みます。このほか、航空方面隊に所属する航空警戒管制団の要員もF-4,F-15,F-2全ての部門に参加部隊を派遣します。
上記日程は、予備日と表彰式の日程を含んでいるため、この起案中毎日特別塗装の機体が飛行しているわけではありませんが、戦技競技会でなければ見る事の出来ない塗装の機体も多く、一部航空機愛好家の方々は足を運ばれる、とのことです。一種、催事的な印象もありますが、こうした競技会を経て日本最強の部隊が選ばれます。
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