■航空防衛作戦部隊論
北大路機関特集の陸上防衛作戦部隊論とならび航空防衛作戦部隊論を今回から掲載いたします。

南西諸島への経空脅威増大と対領空侵犯措置任務緊急発進の南西方面への偏重、重ねて北方方面での経空脅威再活性化に伴う緊急発進任務の増大と潜在的脅威の顕在化、我が国防空の命題はこの一年二年という比較的短期間に突発的というほどの緊張度合増大をみました。

本論の視座は、この脅威の増大を背景に我が国は如何に航空防衛力を展開し、我が国主権と国民の生命財産を防護し続けるかを検証するもので、脅威への対処や我が国周辺と共に北東アジア地域及び環太平洋地域の安定、国家財政に過度な防衛力強化の負担を掛けず効率的な防衛政策を展開する、併せて憲政の視点も含め論議するものです。

元来、装備数の不充分、戦闘機部隊拡充の必要性、人員増強、等を当方は必要としてきましたが、財政状況は年々厳しさを増し、併せて安全保障上の課題も厳しさを増しているという現状に鑑み、財政面と産業面でも長期的に維持可能な防衛力を念頭とした視座を持たざるを得ない現状があり、本論ではこの視点も重視してゆく事としましょう。

経空脅威増大は短期的事案であるのか長期化するかについての視点ですが、南西諸島への経空脅威増大は大陸側からの我が国離島に関する一方的領土編入宣言を契機としており、隣国の非常識といえる宣言撤廃と我が国への謝罪を以て解決する命題ではあるのですが、残念ながらその見通しはありません。

南西諸島への脅威増大は、我が国防衛政策が西方シフトとして西方重視に転換し、その点に先見の明があったといえるところです。冷戦期、北方からの大陸側の脅威に対し、西方からの脅威は非常に少なかった点を踏まえるとこの問題領域の重要な点が見えてくるところです。

即ち、冷戦期には大陸からの軍事圧力が西方より向けられるというよりは、西方の隣国は北方の隣国との緊張関係に、その背景には西方から軍事的に北進した事で緊張を招いた訳ですが、軍事的な問題から、大陸での軍事均衡上、我が国に対し軍事圧力をかける事で結果的に挟撃される懸念を避け、融和的な関係を求められていた背景がありました。

この部分の均衡は、特に大陸の国境地位での軍事対立が、少なくとも北方から南下するという可能性が非常に少なくなる程度に融和し、併せて西方の隣国の経済成長が冷戦期に陸軍一辺倒であった軍事機構を海洋進出が可能な程度に背景となる経済基盤を整備させ、結果として後顧の憂いがなくなり、我が国の領域を奪取する政治的宣言に至ったものです。

南西諸島への脅威増大は上記条件に加えて、隣国の軍事力増大、更には我が国以外の諸国への島嶼部への不法占拠、武力行使や一部には武力攻撃を経て緊張度を蓄積しており、その背景となる軍事力は同国の経済発展に歩調を合わせ急激に拡大しており、現時点で顕在化した脅威について、当面払拭は現実的とは言えないでしょう。
北大路機関:はるな くらま
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
北大路機関特集の陸上防衛作戦部隊論とならび航空防衛作戦部隊論を今回から掲載いたします。

南西諸島への経空脅威増大と対領空侵犯措置任務緊急発進の南西方面への偏重、重ねて北方方面での経空脅威再活性化に伴う緊急発進任務の増大と潜在的脅威の顕在化、我が国防空の命題はこの一年二年という比較的短期間に突発的というほどの緊張度合増大をみました。

本論の視座は、この脅威の増大を背景に我が国は如何に航空防衛力を展開し、我が国主権と国民の生命財産を防護し続けるかを検証するもので、脅威への対処や我が国周辺と共に北東アジア地域及び環太平洋地域の安定、国家財政に過度な防衛力強化の負担を掛けず効率的な防衛政策を展開する、併せて憲政の視点も含め論議するものです。

元来、装備数の不充分、戦闘機部隊拡充の必要性、人員増強、等を当方は必要としてきましたが、財政状況は年々厳しさを増し、併せて安全保障上の課題も厳しさを増しているという現状に鑑み、財政面と産業面でも長期的に維持可能な防衛力を念頭とした視座を持たざるを得ない現状があり、本論ではこの視点も重視してゆく事としましょう。

経空脅威増大は短期的事案であるのか長期化するかについての視点ですが、南西諸島への経空脅威増大は大陸側からの我が国離島に関する一方的領土編入宣言を契機としており、隣国の非常識といえる宣言撤廃と我が国への謝罪を以て解決する命題ではあるのですが、残念ながらその見通しはありません。

南西諸島への脅威増大は、我が国防衛政策が西方シフトとして西方重視に転換し、その点に先見の明があったといえるところです。冷戦期、北方からの大陸側の脅威に対し、西方からの脅威は非常に少なかった点を踏まえるとこの問題領域の重要な点が見えてくるところです。

即ち、冷戦期には大陸からの軍事圧力が西方より向けられるというよりは、西方の隣国は北方の隣国との緊張関係に、その背景には西方から軍事的に北進した事で緊張を招いた訳ですが、軍事的な問題から、大陸での軍事均衡上、我が国に対し軍事圧力をかける事で結果的に挟撃される懸念を避け、融和的な関係を求められていた背景がありました。

この部分の均衡は、特に大陸の国境地位での軍事対立が、少なくとも北方から南下するという可能性が非常に少なくなる程度に融和し、併せて西方の隣国の経済成長が冷戦期に陸軍一辺倒であった軍事機構を海洋進出が可能な程度に背景となる経済基盤を整備させ、結果として後顧の憂いがなくなり、我が国の領域を奪取する政治的宣言に至ったものです。

南西諸島への脅威増大は上記条件に加えて、隣国の軍事力増大、更には我が国以外の諸国への島嶼部への不法占拠、武力行使や一部には武力攻撃を経て緊張度を蓄積しており、その背景となる軍事力は同国の経済発展に歩調を合わせ急激に拡大しており、現時点で顕在化した脅威について、当面払拭は現実的とは言えないでしょう。
北大路機関:はるな くらま
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