■米韓共同開発T-50練習機
T-50,米韓共同開発の超音速練習機です。M-346と並び提示しましたT-50,こちらを今回は見てみましょう。
アメリカ空軍の次期練習機計画に有力候補として提示されるもので、主要部分の設計と量産はロッキード社が実施、開発資金は韓国が出しています。超音速飛行が可能で高等練習機にあたり、実際TA-50はF-5戦闘機改修型等に搭載されるイスラエル製EL/M-2032 レーダーを搭載し、AIM-9空対空ミサイルの運用能力を有します。
空対空戦闘を展開するには、特にMiG-21以上の脅威との航空戦闘には少々厳しく、オプションとして開発段階にはアメリカのF-20戦闘機用に開発されたAN/APG-67レーダーの搭載が検討されていました、AN/APG-67を搭載した場合には例えばAIM-120AMRAAM中射程空対空ミサイルの運用能力付与を意味しますので、能力的には高くなることを意味しますが。
もともとT-50は韓国空軍納入費用で320億ウォンに達するもの、設計費用等を上乗せした場合邦貨換算で50億円程度の練習機であり、レーダーを搭載するTA-50ではこれをさらに上回るものとなりますので、AN/APG-67を搭載したうえでAIM-120AMRAAMを運用した場合、スウェーデン製JAS-39戦闘機に迫る高価な練習機となってしまいかねません。
マッハ1.5の高速度を発揮し、高度な性能を支えるのはF/A-18Eに搭載されるGE F404エンジンの系統であるGE F404-GE-102を搭載しています、これはF/A-18E/Fの双発を単発としたものですが、同じくスウェーデン製JAS-39もGE-F-404をライセンス生産しましたボルボフリューグモートル社製 RM12を単発搭載していますので、戦闘機と同等の推力を誇る練習機ではある。
ただし、非常に残念な話で当然な話ではあるのですけれども、取得費用はオプション次第では戦闘機と同額となりかねないところ。そしてT-50は練習機としては最も高性能な超音速練習機ですので、T-50に機種転換する以前に練習生はジェット練習機乃至これに当たる高度な練習機を経験する必要があります。
初等練習機からいきなりT-50に乗れるわけではありませんので、航空自衛隊がT-4練習機の後継機を探す場合に、T-4の後継にそのままT-50を置くには少々無理があります。T-50の利点はなによりも超音速飛行能力にある、と各国に強く売り込んでいますが、残念ながら練習機が超音速飛行能力を必ずしも必要とはしていませんので、M-346等の競合機に苦戦が続きました。
T-50はインドネシア空軍へかなり安価に販売される事となりましたが、インドネシア製CN-235輸送機とのバーター契約により実現したものであり、一筋縄ではいきません。バーター契約の取得費用は条件が単独契約とは少々状況が変わりますので、その採用に関する中立的な分析が難しいところ。
続いてフィリピン空軍が次期戦闘機としてTA-50の空対空型であるFA-50練習機を採用する方針が伝えられましたが、フィリピン空軍はジェット練習機としてイタリアのアエルマッキ S-211を運用しています、やはりT-4の後継にT-50を導入する際にはどうしてももう一つ別のジェット練習機が必要となる事を意味する訳です。
北大路機関:はるな くらま
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
T-50,米韓共同開発の超音速練習機です。M-346と並び提示しましたT-50,こちらを今回は見てみましょう。
アメリカ空軍の次期練習機計画に有力候補として提示されるもので、主要部分の設計と量産はロッキード社が実施、開発資金は韓国が出しています。超音速飛行が可能で高等練習機にあたり、実際TA-50はF-5戦闘機改修型等に搭載されるイスラエル製EL/M-2032 レーダーを搭載し、AIM-9空対空ミサイルの運用能力を有します。
空対空戦闘を展開するには、特にMiG-21以上の脅威との航空戦闘には少々厳しく、オプションとして開発段階にはアメリカのF-20戦闘機用に開発されたAN/APG-67レーダーの搭載が検討されていました、AN/APG-67を搭載した場合には例えばAIM-120AMRAAM中射程空対空ミサイルの運用能力付与を意味しますので、能力的には高くなることを意味しますが。
もともとT-50は韓国空軍納入費用で320億ウォンに達するもの、設計費用等を上乗せした場合邦貨換算で50億円程度の練習機であり、レーダーを搭載するTA-50ではこれをさらに上回るものとなりますので、AN/APG-67を搭載したうえでAIM-120AMRAAMを運用した場合、スウェーデン製JAS-39戦闘機に迫る高価な練習機となってしまいかねません。
マッハ1.5の高速度を発揮し、高度な性能を支えるのはF/A-18Eに搭載されるGE F404エンジンの系統であるGE F404-GE-102を搭載しています、これはF/A-18E/Fの双発を単発としたものですが、同じくスウェーデン製JAS-39もGE-F-404をライセンス生産しましたボルボフリューグモートル社製 RM12を単発搭載していますので、戦闘機と同等の推力を誇る練習機ではある。
ただし、非常に残念な話で当然な話ではあるのですけれども、取得費用はオプション次第では戦闘機と同額となりかねないところ。そしてT-50は練習機としては最も高性能な超音速練習機ですので、T-50に機種転換する以前に練習生はジェット練習機乃至これに当たる高度な練習機を経験する必要があります。
初等練習機からいきなりT-50に乗れるわけではありませんので、航空自衛隊がT-4練習機の後継機を探す場合に、T-4の後継にそのままT-50を置くには少々無理があります。T-50の利点はなによりも超音速飛行能力にある、と各国に強く売り込んでいますが、残念ながら練習機が超音速飛行能力を必ずしも必要とはしていませんので、M-346等の競合機に苦戦が続きました。
T-50はインドネシア空軍へかなり安価に販売される事となりましたが、インドネシア製CN-235輸送機とのバーター契約により実現したものであり、一筋縄ではいきません。バーター契約の取得費用は条件が単独契約とは少々状況が変わりますので、その採用に関する中立的な分析が難しいところ。
続いてフィリピン空軍が次期戦闘機としてTA-50の空対空型であるFA-50練習機を採用する方針が伝えられましたが、フィリピン空軍はジェット練習機としてイタリアのアエルマッキ S-211を運用しています、やはりT-4の後継にT-50を導入する際にはどうしてももう一つ別のジェット練習機が必要となる事を意味する訳です。
北大路機関:はるな くらま
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