■最前線に向かう需品科
広域師団について戦略輸送という輸送科の任務を前回論議しましたが、戦略機動から戦闘加入までの需品科の任務を中心に考える事としましょう。
装甲機動旅団は従来の防御戦闘に優位し機動打撃力をその基本運用とし、骨幹戦力は跳躍前進するため、後方支援部隊についても機動力を強化しなければ随伴不能となります、また、非装甲車両をこの種の任務へ多用する事は後方支援部隊の脆弱性を高める為、一定程度の装甲車両充足が必要となります、この上で連隊戦闘団へ配属される直接支援中隊についてですが、段列地域からの補給物資の配布部隊と、整備部隊が戦闘継続に必要となります。
段列地域への物資集積はコンテナを用いるとの選択肢を前回までに提示しましたが、弾薬一つとってもその総量は膨大です。戦車中隊1個でもAPFSDS弾とHEAT-MP弾を併せ一基数の弾薬は800発に上り、弾薬コンテナ換算で400箱、重量に換算して30t近くなり3t半トラックに約10両必要となります。また装甲機動旅団は戦車を十分持たない部分の攻撃衝力を装甲戦闘車に依存するため、対戦車誘導弾に機関砲弾の輸送を含め多くの装備が必要となるでしょう。
あらゆる装備をコンテナ輸送出来るのですが、最前線までコンテナで輸送する事は論外です。戦闘継続物資は、弾薬は勿論、液体貨物についてさえ段列地域へはコンテナ輸送により、例えばISOタンクコンテナ等を用いる事で大量に集積可能となりますが、機動打撃を行う以上部隊は前進するため、段列もISOタンクコンテナから3t半燃料タンク車等の車両により第一線へ展開させなければならず、直接支援中隊隷下に配布部隊、配布班を置き補給線を維持しなければなりません。弾薬は第一線部隊に配布する一基数に加え、段列地域へ一基数、旅団が更に二基数を増加配備する、という形が考えられるところ、そこで配布部隊が重要となる。
直接支援中隊配布部隊について、装甲機動旅団の骨幹戦力となる連隊戦闘団機械化大隊は膨大な燃料を必要としまして、3t半燃料タンク車の最大積載量となる5100kgの燃料であっても100km単位の機動打撃を展開する場合には、一定以上の多数を展開させなければなりません、しかし、この種の車両は高付加価値目標として連絡線上の遊撃部隊標的となり易く、第一線補給は適宜満タンの状態を念頭に木目細やかな補給を維持する事が望ましい。
装甲型3t半トラックが運用されていますが、絶対条件は攻撃前進を続ける状況に合おいては補給のために損傷していない車両を後方の段列地域まで戻し補給させることはできません、数が限られている為です。この観点から更に進んだ、軽装甲機動車を原型とし間接車両のようなかたちで補給機動車両に当てるというような装甲補給車両も必要となるかもしれません。
補給機動車両についてはそのまま1tトレーラ4WS対応型に載せ従来型の軽装甲機動車を牽引車両として充てる方式が最も迅速に実現する施策ではありますが、軽装甲機動車後部を開放し企図し、連接車両のような大型の貨物区画を配置した上で、後部に駆動しない車輪を配置する六輪式車体延長型を充てられるならば、例えば米軍が構想していたFTTS-MS装甲トラックに類する車両とすることができるやもしれません。
補給機動車両、配布部隊へ1/4tトレーラと1tトレーラ4WS対応型を牽引する第一線補給部隊への配布任務に充てる事が方策として考えられます、段列地域との連絡線を迅速かつ安全に展開できなければなりません。配布任務は前方地域との競合地域へ展開するPLSトラックを基点として、分散する機械化部隊に対し軽装甲機動車化配布車両へ装備を分割し、各車両ごとへ配布する、もしくは野外配布合流地を画定し情報共有した上で配布することとなります。
北大路機関:はるな くらま
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
広域師団について戦略輸送という輸送科の任務を前回論議しましたが、戦略機動から戦闘加入までの需品科の任務を中心に考える事としましょう。
装甲機動旅団は従来の防御戦闘に優位し機動打撃力をその基本運用とし、骨幹戦力は跳躍前進するため、後方支援部隊についても機動力を強化しなければ随伴不能となります、また、非装甲車両をこの種の任務へ多用する事は後方支援部隊の脆弱性を高める為、一定程度の装甲車両充足が必要となります、この上で連隊戦闘団へ配属される直接支援中隊についてですが、段列地域からの補給物資の配布部隊と、整備部隊が戦闘継続に必要となります。
段列地域への物資集積はコンテナを用いるとの選択肢を前回までに提示しましたが、弾薬一つとってもその総量は膨大です。戦車中隊1個でもAPFSDS弾とHEAT-MP弾を併せ一基数の弾薬は800発に上り、弾薬コンテナ換算で400箱、重量に換算して30t近くなり3t半トラックに約10両必要となります。また装甲機動旅団は戦車を十分持たない部分の攻撃衝力を装甲戦闘車に依存するため、対戦車誘導弾に機関砲弾の輸送を含め多くの装備が必要となるでしょう。
あらゆる装備をコンテナ輸送出来るのですが、最前線までコンテナで輸送する事は論外です。戦闘継続物資は、弾薬は勿論、液体貨物についてさえ段列地域へはコンテナ輸送により、例えばISOタンクコンテナ等を用いる事で大量に集積可能となりますが、機動打撃を行う以上部隊は前進するため、段列もISOタンクコンテナから3t半燃料タンク車等の車両により第一線へ展開させなければならず、直接支援中隊隷下に配布部隊、配布班を置き補給線を維持しなければなりません。弾薬は第一線部隊に配布する一基数に加え、段列地域へ一基数、旅団が更に二基数を増加配備する、という形が考えられるところ、そこで配布部隊が重要となる。
直接支援中隊配布部隊について、装甲機動旅団の骨幹戦力となる連隊戦闘団機械化大隊は膨大な燃料を必要としまして、3t半燃料タンク車の最大積載量となる5100kgの燃料であっても100km単位の機動打撃を展開する場合には、一定以上の多数を展開させなければなりません、しかし、この種の車両は高付加価値目標として連絡線上の遊撃部隊標的となり易く、第一線補給は適宜満タンの状態を念頭に木目細やかな補給を維持する事が望ましい。
装甲型3t半トラックが運用されていますが、絶対条件は攻撃前進を続ける状況に合おいては補給のために損傷していない車両を後方の段列地域まで戻し補給させることはできません、数が限られている為です。この観点から更に進んだ、軽装甲機動車を原型とし間接車両のようなかたちで補給機動車両に当てるというような装甲補給車両も必要となるかもしれません。
補給機動車両についてはそのまま1tトレーラ4WS対応型に載せ従来型の軽装甲機動車を牽引車両として充てる方式が最も迅速に実現する施策ではありますが、軽装甲機動車後部を開放し企図し、連接車両のような大型の貨物区画を配置した上で、後部に駆動しない車輪を配置する六輪式車体延長型を充てられるならば、例えば米軍が構想していたFTTS-MS装甲トラックに類する車両とすることができるやもしれません。
補給機動車両、配布部隊へ1/4tトレーラと1tトレーラ4WS対応型を牽引する第一線補給部隊への配布任務に充てる事が方策として考えられます、段列地域との連絡線を迅速かつ安全に展開できなければなりません。配布任務は前方地域との競合地域へ展開するPLSトラックを基点として、分散する機械化部隊に対し軽装甲機動車化配布車両へ装備を分割し、各車両ごとへ配布する、もしくは野外配布合流地を画定し情報共有した上で配布することとなります。
北大路機関:はるな くらま
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