■日本とオランダの潜水艦
オーストラリア次期潜水艦について、日本とオランダの潜水艦の関係性と共に見てみましょう。
オランダ海軍もバーベル級潜水艦の技術提供を受け、ズヴァールトフィス級潜水艦を建造しました。バーベル級潜水艦は実用潜水艦として涙滴型船殻単軸推進方式を実現した潜水艦なのですがバーベルとは鯉の意味でバーベル級潜水艦は全艦魚類の艦名を冠しています、面白い事にズヴァールトフィス級潜水艦のズヴァールトフィスとはメカジキのオランダ語でして、姉妹艦というべき潜水艦うずしお型よりもバーベルの魚類という印象までも継承している印象を与えます、もっともオランダ潜水艦は前型のドルファイン級潜水艦は文字通りイルカを示し、海洋動物の名を潜水艦に冠する伝統があるのですが、ね。
ズヴァールトフィス級潜水艦は水中排水量2400tという比較的大型の潜水艦で、オランダ海軍は続いてワルラス級潜水艦を建造しているのですが、この艦名にお気づきの方は多いでしょう、ワルラス級潜水艦はオランダが台湾へ輸出した潜水艦です。ワルラス級潜水艦は基準排水量1900t、水中排水量2650t、海上自衛隊の潜水艦ゆうしお型に相当する大型潜水艦です。
オランダと日本、長崎の出島を思い出させる組み合わせではあるところの二つの国の海軍と海上自衛隊、バーベル級の技術が応用され発展した潜水艦という意味で海上自衛隊の潜水艦と共通性を持つワルラス級潜水艦は2010年にソマリア沖海賊対処任務へ派遣、沿岸部の海賊策源地監視や情報収集任務へ参加したものとみられます、この海域へはデンマーク海軍の小型潜水艦ゼーレンがイラク戦争支援任務へ派遣されていますが、ゼーレンは台船を利用し展開しており独力展開できませんでしたが、ワルラス級潜水艦は独力展開し航続距離の大きさを示しています。
台湾海軍が採用したワルラス級潜水艦は、航続距離の大きさからAIP機関搭載など設計を最新とすることが出来たならば、オーストラリア海軍の潜水艦候補となり得るものですが、残念ながらワルラス級潜水艦四番艦ブルインヴィスの就役は1994年、これも1988年の起工から時間をかけ建造したものなのですけれども、その後の潜水艦発注は無くオランダの潜水艦建造技術は失われてしまい今に至ります、もっともワルラス級潜水艦は延命改修をうけ2025年まで現役に留まるとの事ですから、整備技術は残っているのでしょう。
実際、ドイツがオーストラリアに提示する214型潜水艦拡大型は元々が基準排水量1450トン水中排水両1830tトンの212A型潜水艦を拡大したものでしかないのですから、ね。これらの命題は、技術提供を受けた場合でも実際に建造するまでには相当の時間がかかる事を意味していますし、一旦取得した技術であっても建造時の若干の不手際により簡単に水中騒音が増大してしまう、という潜水艦建造のむずかしさを端的に示しているといえるのかもしれません。それゆえに、日本製潜水艦の優位性を海外製潜水艦に対して提示できるのかもしれません。
北大路機関:はるな くらま
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
オーストラリア次期潜水艦について、日本とオランダの潜水艦の関係性と共に見てみましょう。
オランダ海軍もバーベル級潜水艦の技術提供を受け、ズヴァールトフィス級潜水艦を建造しました。バーベル級潜水艦は実用潜水艦として涙滴型船殻単軸推進方式を実現した潜水艦なのですがバーベルとは鯉の意味でバーベル級潜水艦は全艦魚類の艦名を冠しています、面白い事にズヴァールトフィス級潜水艦のズヴァールトフィスとはメカジキのオランダ語でして、姉妹艦というべき潜水艦うずしお型よりもバーベルの魚類という印象までも継承している印象を与えます、もっともオランダ潜水艦は前型のドルファイン級潜水艦は文字通りイルカを示し、海洋動物の名を潜水艦に冠する伝統があるのですが、ね。
ズヴァールトフィス級潜水艦は水中排水量2400tという比較的大型の潜水艦で、オランダ海軍は続いてワルラス級潜水艦を建造しているのですが、この艦名にお気づきの方は多いでしょう、ワルラス級潜水艦はオランダが台湾へ輸出した潜水艦です。ワルラス級潜水艦は基準排水量1900t、水中排水量2650t、海上自衛隊の潜水艦ゆうしお型に相当する大型潜水艦です。
オランダと日本、長崎の出島を思い出させる組み合わせではあるところの二つの国の海軍と海上自衛隊、バーベル級の技術が応用され発展した潜水艦という意味で海上自衛隊の潜水艦と共通性を持つワルラス級潜水艦は2010年にソマリア沖海賊対処任務へ派遣、沿岸部の海賊策源地監視や情報収集任務へ参加したものとみられます、この海域へはデンマーク海軍の小型潜水艦ゼーレンがイラク戦争支援任務へ派遣されていますが、ゼーレンは台船を利用し展開しており独力展開できませんでしたが、ワルラス級潜水艦は独力展開し航続距離の大きさを示しています。
台湾海軍が採用したワルラス級潜水艦は、航続距離の大きさからAIP機関搭載など設計を最新とすることが出来たならば、オーストラリア海軍の潜水艦候補となり得るものですが、残念ながらワルラス級潜水艦四番艦ブルインヴィスの就役は1994年、これも1988年の起工から時間をかけ建造したものなのですけれども、その後の潜水艦発注は無くオランダの潜水艦建造技術は失われてしまい今に至ります、もっともワルラス級潜水艦は延命改修をうけ2025年まで現役に留まるとの事ですから、整備技術は残っているのでしょう。
実際、ドイツがオーストラリアに提示する214型潜水艦拡大型は元々が基準排水量1450トン水中排水両1830tトンの212A型潜水艦を拡大したものでしかないのですから、ね。これらの命題は、技術提供を受けた場合でも実際に建造するまでには相当の時間がかかる事を意味していますし、一旦取得した技術であっても建造時の若干の不手際により簡単に水中騒音が増大してしまう、という潜水艦建造のむずかしさを端的に示しているといえるのかもしれません。それゆえに、日本製潜水艦の優位性を海外製潜水艦に対して提示できるのかもしれません。
北大路機関:はるな くらま
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