北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

熊本地震、熊本阿蘇大分を襲う二度の震度七と七〇〇回超える地震災害は明日で発災一週間

2016-04-20 20:41:44 | 防災・災害派遣
■熊本地震:七〇〇回の地震
 明日で熊本地震は発災から一週間となります、地震は実に700回を超え、異常な状況ですが、本日に入り震度四は一回のみ、今度こそ沈静化するのでしょうか。

 昨夜の熊本県で震度5弱 津波の心配なし、19日2047時ころ、熊本県で震度5弱の揺れを観測する地震がありました。震源域は八代市、確実に南下していますね。八代市下の断層帯で最大マグニチュード7.4前後の地震が発生する可能性が指摘されていますので、マグニチュード5程度の地震は、この熊本地震本震の前駆地震である可能性があります、一方で八代市は市立病院や市役所など指定公共施設が繰り返す地震により倒壊の危険性が迫っており、緊急時なればこそ機能すべき施設が危険に曝されています、屋外の幕営施設を利用した臨時代替施設では台風等次の災害へ心もとない部分も否定できません。

 ただ、20日に入り震度四以上の地震は1427時に大分県を震源とする震度四の地震一回が発生したのみで、19日は1752時に震度五強と2047時に震度五弱が発生していましたので、その地震の回数は数値の上では沈静化に向かっているように見えます。ただ、気象庁の計測では熊本地震は最初の震度七の地震を皮切りに連続した地震回数は実に本日1700時までに703回、震度7の激震は計測により2回、震度6強が2回と震度6弱が3回であり烈震が夏樹、震度5強が3回と震度5弱が7回という二桁の強震、震度4の比較的大きな地震も73回と、震度4以上の地震だけで90回に達しており、有感地震として震度1以上の地震を含めれば703回、非常に例外的な規模といえるでしょう。

 熊本地震本震、と言われました16日のマグニチュード7.3規模地震ですが、最大震度六強とされていました者の震源付近の地震計が益城町役場に設置され、役場の庁舎が破損し、停電と共に計測不能であった事から益城町での正確な計測が行えていませんでした、そして、震度七の定義に吹く荒れる程の広範な全壊家屋が並び、可能性が指摘されていましたが、気象庁は熊本県内の地震計を正確に計測した結果、益城町と西原町にて今回の地震は震度七であったことが判明しています。

 マグニチュード7.3の大地震、布田川断層帯の端からさらに東側が長崎県の島原半島アで延伸していたことが判明したとの事です、断層の延長は100km、このうち40kmが動いたとの事で、更に16日の地震では布田川断層帯が動くと共に、その南に延びる日奈久断層帯にも影響を及ぼしているとのこと、この歪みは、蓄積しているエネルギーを云全部放出したのか、まだ他の地震が地学的ではなく、社会的に近く動く可能性があるのか、予断を許しません。

 交通状況ですが、鉄道は明日21日にも鹿児島本線不通区間の鹿児島と八代間が復旧見通しで一方熊本から鹿児島に向かう肥薩線は八代と吉松つまり霧島山の北方まで止まっていますが、この区間は肥薩オレンジ鉄道で迂回可能です。しかし、大分と熊本を阿蘇付近で結ぶ豊肥線は阿蘇付近での運休が続き、軌道崩壊により復旧まで時間を要します。九州新幹線は新水俣と鹿児島中央区間で一部運転が再開されました。高速道路の復旧が進みません、熊本周辺の植木と八代間と熊本から阿蘇に向かう高速道路、そして大分周辺の湯布院と別府間や大分周辺の日出付近が土砂災害により通行止めとなっています。こうしたなかで、重要な交通手段である高速バスですが、高速道路の不通により南北移動が不可能となっていました、ただ、福岡と熊本は一部を一般道を利用して、迂回し時間を要するのですが明日から、運転を再開するとのこと。

 熊本復興への動きです。熊本城復興支援へ日本財団が30億円、熊本全体の支援へ93億円を支援、ということです。熊本城は復元事業がひと段落しつつある所への震災で、完工して十年少々の施設も多くありました、他方、これは私見ですが、今回の震災で破損した熊本城屋根瓦破片など、鑑定書付で土産物用に販売し、復興資金としてはどうだろうか、と考えます。貴重な品ではありますが、予算不足は否めません、震災瓦、として買って支援熊本復興、という施策は、撮られてもいいのかな、と考える次第です。

 川内原発停止の申し入れが反原発団体より為されました。実は、南九州に火力発電所が不足しており北九州の火力発電所集積地帯からの送電施設が熊本変電所を通る一系統しかなく、熊本変電所が震源域近くにあり、無理に停止すれば鹿児島市や宮崎市を含めた広域停電に陥る、という事実を先日お教えいただくまで気付かなかった為、この電力不足をどのように対応するか、仮に今後川内原発付近での大規模地震が発生した場合に停める必要が生じた場合の魔法のような処方箋が無く、危機感が身に染みる次第です。

 電力供給網、特に川内原発が地震で停止する場合は隣接する仙台火力発電所が地震により深刻な影響を受ける事を意味します、さらに宮崎県の大型水力発電所は揚水発電所であることから電力が無ければ、南九州は総発電量の95%を失い、鹿児島県と宮崎県全域の電力供給が停止し、影響は甚大です。南北九州宮崎日向灘系統の予備送電網が整備中とのことで、この予備系統は3年程度で完工するとのことですので、土地収用など強制措置を取って予備系統を整備するか、南九州広域停電を覚悟で運転するか、問題は深い。

 益城病院、熊本市民病院、大津町病院、御船町希望ヶ丘病院、そして八代病院、相次ぐ激震と烈震の連続によりして公共施設である病院に倒壊危機が複合して迫っています、この為、患者の広域搬送が実施されている訳ですが、今後の事を考えますと、政府はアメリカ政府へマーシー級病院船の一時貸与を真剣に要請してはどうか、と考えます、八代海に遊弋させ接岸しないまでも岸壁近くへ遊弋させておけば、浮桟橋を利用して見舞いなども可能です。

 マーシー級病院船は66000t、通常1000床、増床すれば2000床の巨大病院機能を有するもので、海上自衛隊の護衛艦ひゅうが型の30床、ましゅう型の45床と比較にならないほどの規模です、アメリカ海軍は太平洋側と大西洋側へ各1隻を予備役においています、現役に付記させ、大変なのは医師の招集ですが、今回の熊本地震に限れば医師は倒壊危険が迫る病院から転籍すればよく、防衛省と外務省でマーシー級病院船一隻の180日程度の貸与を要請すべきです、実現すれば太平洋を現役復帰対応を経て一週間ほどで展開可能でしょう。特に八代付近での断層帯への波及による次の大地震発災を想定しなければならない現状、病院機能拡充の意味からも必要な施策です。

北大路機関:はるな くらま
(本記事に掲載された災害情報は暫定的に収集した情報であり、最新情報は順次追記される)
(本記事引用時は記事は災害時の情報であることを留意し、掲載時の事実にのみ基づく速報情報であることを特に注意されたい)
(情報は適宜第二北大路機関により更新する)
第二北大路機関:http://harunakurama.blog10.fc2.com/
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