■30口径軽機関銃M-240
本日は趣向を換えまして携帯火器の話題について、、備忘録的に。

62式機関銃、30口径機関銃としてA6機関銃の後継に導入され、かなり射撃に支障が生じる悪評の多い装備でしたが、22口径のMINIMIへ切り替わりました。こうして30口径機関銃は戦車の連装銃のみとなったわけですが、普通科部隊の近接戦闘任務へ果たして30口径機関銃は不要となったのでしょうか。MINIMIのような小銃と同じ弾薬を用いる22口径機関銃へ歩兵分隊用機関銃の転換は世界的な趨勢なのですが、小隊火力として30口径機関銃を別個に運用することも、また世界の趨勢の一つです。

M240軽機関銃、ベルギーが設計したFNMAGをアメリカがM60機関銃の後継として採用した軽機関銃ですが、MINIMIとおなじFNの設計で、MINIMIが1000m前後の有効射程を有しているのに対しM240は1800m程度の有効射程をもち、22口径弾薬と30口径弾薬の根本的な運動エネルギーの大きさを端的に示し、支援火力として必要な装備と考えるところ。

30口径機関銃、弾薬系統が歩兵分隊の、つまり普通科小銃班のほかの装備と異なりますので、小銃班へ装備することは妥当ではありませんが、小銃小隊に機関銃分隊を配置する、軽装甲機動車の小隊長車と小隊陸曹車などへ搭載する、などの施策が考えられるでしょう。中隊には迫撃砲小隊と対戦車小隊で普通科小隊を支援することができますが、小隊には隷下の小銃班を支援する手段がない、そのためにも30口径機関銃は必要でしょう。

対物狙撃銃、12.7mm重機関銃の銃弾を射撃する大口径狙撃銃ですが、これを前線支援火器として用いる例があるようです。これはフランス軍が多用している方式で前線装甲車VABに一定部隊規模におうじて搭載するもの、アフガニスタン治安作戦やマリ介入にて、山間部や狭隘地形など装甲車の機関銃が下車歩兵を支援できない状況にて、敵機関銃陣地など火力拠点へ連続射撃し、脅威対象の有効射程外から撃破するなど、威力を発揮したとのこと。

重機関銃は運用次第で歩兵の天敵というべき脅威となりますが、重くて人力で持ち運ぶには限度が、と。機関銃陣地制圧は、フォークランド紛争にてイギリス軍がミラン対戦車ミサイルを用いて大きな成果を挙げていますが、レーザー誘導方式や赤外線半自動追尾方式とことなり、熱画像誘導方式の新世代対戦車ミサイルは、戦車のような熱を放射する目標へは非常に有効ですが、陣地攻撃にはセンサーが目標を認識しにくく有用ではありません。

自衛隊も小隊単位で対物狙撃要員を若干数配置し、火力支援に用いる、という方式は有用かもしれません。対物狙撃銃は軽装甲車ていどならば撃破できますし、市街地では遮蔽物を貫徹して目標を制圧可能、弾薬は既存の重機関銃弾を転用できます。支援火器扱いですので、米軍の能力証明射手のように観測員を抜きに射手一人で運用できますし、小銃班に一人随伴するとして、高機動車は定員10名にたいし現在小銃班は7名、軽装甲機動車も2両で定員8名ですので便乗でき、小銃小隊に射手を2名程度随伴することは可能でしょう。
北大路機関:はるな くらま
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本日は趣向を換えまして携帯火器の話題について、、備忘録的に。

62式機関銃、30口径機関銃としてA6機関銃の後継に導入され、かなり射撃に支障が生じる悪評の多い装備でしたが、22口径のMINIMIへ切り替わりました。こうして30口径機関銃は戦車の連装銃のみとなったわけですが、普通科部隊の近接戦闘任務へ果たして30口径機関銃は不要となったのでしょうか。MINIMIのような小銃と同じ弾薬を用いる22口径機関銃へ歩兵分隊用機関銃の転換は世界的な趨勢なのですが、小隊火力として30口径機関銃を別個に運用することも、また世界の趨勢の一つです。

M240軽機関銃、ベルギーが設計したFNMAGをアメリカがM60機関銃の後継として採用した軽機関銃ですが、MINIMIとおなじFNの設計で、MINIMIが1000m前後の有効射程を有しているのに対しM240は1800m程度の有効射程をもち、22口径弾薬と30口径弾薬の根本的な運動エネルギーの大きさを端的に示し、支援火力として必要な装備と考えるところ。

30口径機関銃、弾薬系統が歩兵分隊の、つまり普通科小銃班のほかの装備と異なりますので、小銃班へ装備することは妥当ではありませんが、小銃小隊に機関銃分隊を配置する、軽装甲機動車の小隊長車と小隊陸曹車などへ搭載する、などの施策が考えられるでしょう。中隊には迫撃砲小隊と対戦車小隊で普通科小隊を支援することができますが、小隊には隷下の小銃班を支援する手段がない、そのためにも30口径機関銃は必要でしょう。

対物狙撃銃、12.7mm重機関銃の銃弾を射撃する大口径狙撃銃ですが、これを前線支援火器として用いる例があるようです。これはフランス軍が多用している方式で前線装甲車VABに一定部隊規模におうじて搭載するもの、アフガニスタン治安作戦やマリ介入にて、山間部や狭隘地形など装甲車の機関銃が下車歩兵を支援できない状況にて、敵機関銃陣地など火力拠点へ連続射撃し、脅威対象の有効射程外から撃破するなど、威力を発揮したとのこと。

重機関銃は運用次第で歩兵の天敵というべき脅威となりますが、重くて人力で持ち運ぶには限度が、と。機関銃陣地制圧は、フォークランド紛争にてイギリス軍がミラン対戦車ミサイルを用いて大きな成果を挙げていますが、レーザー誘導方式や赤外線半自動追尾方式とことなり、熱画像誘導方式の新世代対戦車ミサイルは、戦車のような熱を放射する目標へは非常に有効ですが、陣地攻撃にはセンサーが目標を認識しにくく有用ではありません。

自衛隊も小隊単位で対物狙撃要員を若干数配置し、火力支援に用いる、という方式は有用かもしれません。対物狙撃銃は軽装甲車ていどならば撃破できますし、市街地では遮蔽物を貫徹して目標を制圧可能、弾薬は既存の重機関銃弾を転用できます。支援火器扱いですので、米軍の能力証明射手のように観測員を抜きに射手一人で運用できますし、小銃班に一人随伴するとして、高機動車は定員10名にたいし現在小銃班は7名、軽装甲機動車も2両で定員8名ですので便乗でき、小銃小隊に射手を2名程度随伴することは可能でしょう。
北大路機関:はるな くらま
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