北大路機関

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九州地震:熊本阿蘇大分地方相次ぐ震度六 九州北部全域に震災、豪雨と併せ被害拡大の懸念

2016-04-16 23:47:19 | 防災・災害派遣
■九州熊本阿蘇大分多発大地震
 今日未明、熊本地震から復旧を進める九州を再び巨大地震が襲いました、熊本地震よりも巨大なマグニチュード7.3の規模であり、あの阪神大震災を引き起こした兵庫県南部地震に匹敵する規模です。

 0125時、熊本県で布田川断層帯を震源とするマグニチュード7.3、震度6強の地震が観測され、有明海と八代海に津波注意報が発令されました。これは、震度七を記録した熊本地震よりも二日を経て規模が大きく、熊本地震は今朝の九州での一連の地震、その前駆地震であった、と気象庁が発表しました。震度6+強は熊本中央区、熊本東区、熊本西区、菊池市、宇土市、宇城市、合志市、大津町、南阿蘇村、嘉島町、震度6-弱は熊本南区、熊本北区、八代市、玉名市、上天草市、阿蘇市、天草市、熊本美里町、和水町、菊陽町、御船町、山都町、氷川町、別府市、由布市、にて観測されています。

 マグニチュード6.0の地震は続いて0146時に震度6弱の揺れを熊本県の菊陽町と合志市、熊本市東区で観測したほか、震度5強を熊本県の各地で、震度5弱を熊本県と長崎県の各地で観測することとなりました。0303時には熊本県阿蘇地方を震源とするマグニチュード5.8の地震が観測、震度 5+ 強が阿蘇市、南阿蘇村にて観測されました、阿蘇地方地下20kmを震源としています。0355時、阿蘇地方を再び震度6+強と阿蘇地方震度5-弱大分西部、という非常に大きな地震が襲い、阿蘇山との関係が無関係とは言えないとの報道があります。震度6規模の地震が繰り返し断続的に発生、熊本地震とは別の断層が動いたと判断され、次第に震源域は熊本地方から阿蘇地方に大分地方へと広がりました。

 熊本地震は『前震』 今回が本震か、気象庁発表は衝撃的でした。熊本・西原村でダム決壊、大切畑ダムが決壊、西原村や益城町で少なくとも10人が住宅や建物の下敷き、阿蘇大橋崩落、熊本 宇土市役所の庁舎が半壊、益城町の老人ホームで66人閉じ込め、熊本 菊池 全域に避難勧告、熊本市民病院 建物倒壊のおそれ 入院患者の避難、JR 九州全域の在来線 始発から運転見合わせ、阿蘇市の手野地区で複数の住宅が倒壊、熊本市中央区でアパートが倒壊、阿蘇立野病院で建物に亀裂、南阿蘇村河陽のアパート多数崩壊、嘉島町上六嘉地区や鯰地区などで家屋が倒壊、八代市内のアパートで火事、阿蘇山中岳でごく小規模な噴火発生、被害情報は続く。

 地震被害の集中地域では今晩から豪雨の予報があり、地震による山岳崩壊など被害の地域へ豪雨が降った場合は大規模な土砂最大や洪水被害に繋がるとして九州地方の自治体は避難指示や避難勧告などを発令しています。熊本・西原村 土石流に備え約40世帯に避難指示、大分・湯布院町 5200世帯余に避難準備情報、熊本・美里町 町全域の4200世帯余に避難勧告、熊本・小国町 3000世帯余に避難勧告、大分・豊後大野市 市内全域に避難準備情報、熊本・宇城市 川の流域約9500世帯に避難勧告、熊本・南小国町 約1700世帯に避難勧告、熊本・八代市 崖の周辺など1万900世帯余に避難勧告など。

 大分の地震も誘発か、地震活動注意を、京都大学防災研究所の西村卓也准教授画分析を発表しました。0500時に自衛隊は西部方面総監を司令官とする統合任務部隊司令部編成を命じました、天候悪化前に救出や支援に全力を 首相が指示、防衛相被災者の救助に有効なヘリ50機運用、米軍の支援受け入れ検討を指示、海上自衛隊の輸送艦 救援物資積み被災地へ、政府発表は続きますが、防衛省 屋内の避難場所確保できない住民の輸送検討、として災害派遣を人命救助から支援へ移行する事としました。更に、きょうまでに陸・海・空の自衛隊1万5000名態勢で対処しているが、あす以降2万5000名態勢に増強すると発表、全国の部隊へ出動準備命令が下令されました。

 九州新幹線は博多・鹿児島中央間の運航が、熊本駅付近での新間s年列車脱線の影響で全線運休となっていまして、復旧の見通しは立っていません。在来線は夕方には復旧区間が増えていましたが線路点検を実施中で本日多くの区間で運行を取りやめました、又九州の第三セクター鉄道を中心に運転見合わせが続きました。終日運転見合わせ区間は、鹿児島本線荒尾・八代間、日豊本線中津・延岡、久大本線日田・大分、豊肥本線熊本から大分間、三角線宇土から三角、肥薩線八代から吉松区間です。現在熊本周辺を中心に九州南端の鹿児島から北部の福岡へいたる経路は列車で直接行く事が出来ません。

 JR九州運行区間について。運転を行っている区間は指宿枕崎線全線、香椎線全線、筑肥線全線、日南線全線、吉都線全線、福北ゆたか線全線、原田線全線、日田彦山線全線、肥薩線吉松・隼人間、山陽本線全線は本数を減らして運転、日豊本線小倉・宇島間本数を減らして運転、日豊本線延岡・鹿児島中央本数を減らして運転、長崎本線全線が本数を減らして運転、長崎本線旧線全線本数を減らして運転、大村線全線本数を減らして運転、佐世保線全線本数を減らして運転、鹿児島本線【門司港から荒尾】本数を減らして運転、鹿児島本線川内・鹿児島中央間、後藤寺線新飯塚から田川後藤寺区間、宮崎空港線【田吉から宮崎空港本数を減らして運転、本日2230時時点での運行区間です。特急かもめ、みどり、ハウステンボス、きりしま、指宿のたまて箱、海幸山幸は運転、明日からはソニック、にちりん、が本数を減らし運行再開予定、とのこと。

 高速道路について。九州の高速道路は、大半が通行可能です、が、九州道北熊本SA付近御植木から八代までの区間が通行不能となっており、大分付近も玖珠湯布院と別府を中心にした大分道と東九州道に日出線と東九州道の合流地点付近が通行止め、となっています。九州の高速道路は、九州自動車道門司-鹿児島。宮崎自動車道えびのJCT-宮崎、長崎自動車道長崎-鳥栖JCT、大分自動車道鳥栖JCT-大分米良・速見-日出JCT、東九州自動車道北九州JCT-みやこ豊津・豊前IC-宇佐IC・大分米良-北川・門川-清武南・鹿屋串良JCT-隼人東。西九州自動車道福重JCT-武雄JCT。南九州西回り自動車道。九州中央自動車道嘉島JCT-小池高山IC。このうち、通行止めは一部であることが分かるでしょう。

 九州の空港は、熊本空港が空港施設破損により使用不能で、本日いっぱいは自衛隊機などを除き全便を運休としたほか、明日全便も運休としています。九州の現在稼働している空港は、福岡空港、北九州空港、佐賀空港(九州佐賀国際空港、天草空港、大分空港、宮崎空港、鹿児島空港、そして離島の空港となります。全日空や日本航空など各社は、九州全域の航空便を今後約一週間キャンセルを悪天候扱いとして手数料を無料とする措置を取っているほか、熊本空港発着便は五月中旬まで同様の対応を取っており、旅客機を予約されている方は、各航空会社HPにてご確認ください。

 熊本空港と大分空港は、国土交通省によれば18日までの期間、24時間体制により滑走路を運行する事としました。これは自衛隊機等災害派遣任務へ対応する航空機の発着を行うためで、深夜時間帯を含め輸送機やヘリコプターの発着が行われるとの事です。空港設備が破損した熊本空港ですが、ターミナルビルのガラス破損や受付カウンターの損傷で、空港の管制塔や航法装置等には影響がないとの事です。

 九州への交通は、カーフェリーが時間はかかるものの確実です。旅客機による航路が熊本空港以外で運行が可能となっていまして、この他、カーフェリーでの移動が可能です。フェリーさんふらわあ社は、大阪-鹿児島航路と神戸-大分航路や大阪-別府航路が運行中です。名門大洋フェリー社は、山陽新幹線と並行する航路ですが大阪南港-新門司港航路が運行中です。阪九フェリーは新門司港-神戸港と新門司港-泉大津港航路を運航中です。宮崎カーフェリーも宮崎港-神戸港航路を運航中です。東京からはオーシャントランス社のオーシャン東九フェリーが東京港-徳島港-新門司港航路を運航中とのこと。南九州からはマリックスラインが鹿児島新港-那覇港を運行中とのこと。マルエーフェリーは東京大阪と沖縄を結ぶフェリー航路を運航中ですが鹿児島-沖縄航路も運行中です。時間はかかりますが、九州と本州は大阪と九州が多数のカーフェリーにより結ばれていまして、地震被害の影響はありません。

 今回の地震ですが。最大の懸念事項は、熊本地震が前駆地震であり、未明の地震が本震であった、という部分ですが、本当に本震であったのか、つまり次にマグニチュード8クラスの本震が来るのではないか、という部分や、これが阿蘇山カルデラ噴火の前駆現象ではないか、ということ。後者については発生すれば鹿児島南部と離島や長崎県島嶼部以外の九州全域と本州山口県西部が火砕流被害で全滅するというもので、カルデラ噴火のメカニズムは完全には解明されていないため不安こそ残るものの、阿蘇山全体のGPS計測数値が隆起していないので、可能性としては低そうですが、本震については地溝帯に蓄積された地殻弾性エネルギー総量への正確なデータがない為、なんともいえない、というところ。

 これで地震がおさまるのならば、問題は無いのですが、これは現時点で何とも言えません、熊本地震の際も余震が多すぎるという指摘は為されていまして未明の地震を受け、初めて前駆地震であることが判明しました、すると未明の地震から数えて、大きな余震が多すぎるのではないか、近く弾性限界までの余剰エネルギーがまだ地下に滞留しており余震ではなく本震として上回る規模の地震が起きるのではないか、という懸念が払しょくできないでしょう。この上で、政府は自衛隊が外征部隊ではない事に留意し、アメリカ軍へ、自衛隊の能力を超える部分の支援を即座に要請すべきです。第一にマーシー級病院船の八代海への派遣、今回、震度6規模の地震が連続し病院の倒壊懸念が高まっています、マーシー級であれば66000tの船体に2000床の入院受入が可能ですので、日本の医療関係者が乗艦し支援する事で、即座の対応が可能です。

北大路機関:はるな くらま
(本記事に掲載された災害情報は暫定的に収集した情報であり、最新情報は順次追記される)
(本記事引用時は記事は災害時の情報であることを留意し、掲載時の事実にのみ基づく速報情報であることを特に注意されたい)
(情報は適宜第二北大路機関により更新する)
第二北大路機関:http://harunakurama.blog10.fc2.com/
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熊本県熊本地方2016年4月16日1時25分マグニチュード 7.1震度 6+/2016年4月16日1時44分震度 6-

2016-04-16 01:51:44 | 防災・災害派遣
九州地方地震



2016年4月16日 1時25分ごろマグニチュード 7.1震度 6+/ 2016年4月16日 1時44分ごろ 震度 6-

【第二北大路機関にて防災速報随時表示】
http://harunakurama.blog10.fc2.com/

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