■ノドン秋田沖EEZ着弾受け転換
ミサイル破壊装置命令常時発令へ。政府は北朝鮮弾道ミサイルの突発的発射に対応するべく自衛隊ミサイル防衛部隊に対し、常時破壊措置命令を発令する方針へ転換しました。

これはノドンミサイル秋田沖EEZ着弾事案受けてのものです。今月3日、日本時間0750時頃、朝鮮半島西岸から日本海に向け弾道ミサイル二発を発射されるミサイル事案があり、北朝鮮ミサイル弾頭部分が0805時頃、秋田県沖250kmの我が国排他的経済水域EEZ内に着弾しました、弾道ミサイルが我が国EEZへ着弾した事例は今回が初めてで、落下海域付近では我が国漁船が操業中で、懸念すべき状況となっています。

弾道ミサイルは、従来、北朝鮮のミサイル発射施設やミサイル部隊の動静を我が国情報収集衛星による衛星画像解析からその兆候を把握する事が出来、この他北朝鮮は長距離弾道ミサイル実験に際してはその落下海域への航路危険情報を発表してきました。しかし、弾道ミサイルは固定のミサイルサイトからの発射のほか、車両に搭載し任意の陣地へ展開し発射する移動発射機を用いる発射が選択肢として存在します。

ミサイル破壊措置命令が、これまで、ミサイル発射の兆候が確認された場合には政府より自衛隊に発令され、自衛隊はこのミサイル破壊措置命令発令を以て部隊指揮官の判断により射撃が可能となります。即ち、日米のレーダーが弾道ミサイルを探知、そして政府などの支持を省略し、弾道が日本本土へ落下する経路を飛行していた場合、即座に迎撃ミサイルを発射し撃墜できる、ということ。

しかし、移動発射装置からの奇襲的な発射に対しては、徴候を掴めない事から、ミサイル破壊措置命令は、間に合いません。弾道ミサイルは朝鮮半島からは15分以内に落下するため、予めミサイル破壊措置命令を発令していない限り、迎撃の命令が間に合わないのです。こうして、政府は、常時、ミサイル破壊措置命令を発令する事を以て、レーダーが日本へ向かう弾道ミサイルを確認した瞬間に迎撃する、という方針へ転換したもの。

迎撃について、三段構えの探知システムと、二段構えの防衛システムが日本国土を弾道ミサイル攻撃から防衛します。ミサイル探知は、アメリカ軍の宇宙空間からのDSP弾道ミサイル早期警戒衛星とTHAADミサイルシステムTPY-2レーダーに自衛隊のFPS-5/FPS-7等防空監視所という三段構え、迎撃は洋上の海上自衛隊イージス艦6隻からのSM-3と全国24個高射隊へ配備されたPAC-3迎撃ミサイルが、高高度で直接命中し人口密集地への被害を許しません。

常時発令することでミサイル攻撃が奇襲的に実施された場合でも、自衛隊は法制度上迎撃が可能となります。ただ、問題点がないわけではありません。常時発令するという事は、ミサイル部隊の待機要員勤務体制を強化する必要がありますし、更にPAC-3ミサイル部隊の警備体制を強化する必要があります、その為には交代要員を確保が必要で、航空自衛隊の現在の勤務体制を維持するためには長期的に視た場合、増員が必要となるでしょう。

問題は此れだけでなく、イージス艦についても、現在海上自衛隊には6隻のイージス艦が配備され、8200t型ミサイル護衛艦として更に2隻が増強される事となっていますが、イージス艦の任務は弾道ミサイル防衛以上に艦隊防空という任務があり、その為にイージス艦は艦砲から魚雷まで、対水上レーダーからソナーまでを搭載した水上戦闘艦という戦闘システムを構成しています。この為、ミサイル防衛専従ではなく、長期的に洋上でのミサイル防衛を展開する場合、イージス艦の増強と一部を護衛艦隊ではなく自衛艦隊直轄艦とする運用も必要となります。

重要なのは何のために常時発令するか、即ち、北朝鮮の突発的ミサイル実験の流れ弾から国土を防衛するのか、弾道ミサイルによる奇襲攻撃から国土を防衛するのか、という視点で、これは実験失敗対処か武力攻撃事態対処か、という意味で意味合いが大きく異なります。名瀬ならば、後者であればミサイル攻撃は手段であり、その達成のために、コマンドー部隊による奇襲を含めた妨害行動も想定しなければならないためです。また、ミサイルは北朝鮮の弾道ミサイルの他、中国の弾道ミサイルと巡航ミサイルという脅威も忘れてはなりません。

命令は簡単ですが、ミサイル破壊措置命令の常時発令、長期的な実施となれば要員確保や装備運用等の面で課題が多く、その命令を達成するために必要な施策、予算増や要員増強と予備装備確保など、対応策を政治は整備する必要があります。また、自衛隊が対応する日本国土へ及ぶ脅威は弾道ミサイル攻撃のほか、島嶼部防衛、本土着上陸、航空攻撃、シーレーン攻撃、ゲリラコマンドー浸透等数多く、弾道ミサイルはその一つにすぎない事も認識したうえで、防衛政策を構築すべきでしょう。
北大路機関:はるな くらま
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
ミサイル破壊装置命令常時発令へ。政府は北朝鮮弾道ミサイルの突発的発射に対応するべく自衛隊ミサイル防衛部隊に対し、常時破壊措置命令を発令する方針へ転換しました。

これはノドンミサイル秋田沖EEZ着弾事案受けてのものです。今月3日、日本時間0750時頃、朝鮮半島西岸から日本海に向け弾道ミサイル二発を発射されるミサイル事案があり、北朝鮮ミサイル弾頭部分が0805時頃、秋田県沖250kmの我が国排他的経済水域EEZ内に着弾しました、弾道ミサイルが我が国EEZへ着弾した事例は今回が初めてで、落下海域付近では我が国漁船が操業中で、懸念すべき状況となっています。

弾道ミサイルは、従来、北朝鮮のミサイル発射施設やミサイル部隊の動静を我が国情報収集衛星による衛星画像解析からその兆候を把握する事が出来、この他北朝鮮は長距離弾道ミサイル実験に際してはその落下海域への航路危険情報を発表してきました。しかし、弾道ミサイルは固定のミサイルサイトからの発射のほか、車両に搭載し任意の陣地へ展開し発射する移動発射機を用いる発射が選択肢として存在します。

ミサイル破壊措置命令が、これまで、ミサイル発射の兆候が確認された場合には政府より自衛隊に発令され、自衛隊はこのミサイル破壊措置命令発令を以て部隊指揮官の判断により射撃が可能となります。即ち、日米のレーダーが弾道ミサイルを探知、そして政府などの支持を省略し、弾道が日本本土へ落下する経路を飛行していた場合、即座に迎撃ミサイルを発射し撃墜できる、ということ。

しかし、移動発射装置からの奇襲的な発射に対しては、徴候を掴めない事から、ミサイル破壊措置命令は、間に合いません。弾道ミサイルは朝鮮半島からは15分以内に落下するため、予めミサイル破壊措置命令を発令していない限り、迎撃の命令が間に合わないのです。こうして、政府は、常時、ミサイル破壊措置命令を発令する事を以て、レーダーが日本へ向かう弾道ミサイルを確認した瞬間に迎撃する、という方針へ転換したもの。

迎撃について、三段構えの探知システムと、二段構えの防衛システムが日本国土を弾道ミサイル攻撃から防衛します。ミサイル探知は、アメリカ軍の宇宙空間からのDSP弾道ミサイル早期警戒衛星とTHAADミサイルシステムTPY-2レーダーに自衛隊のFPS-5/FPS-7等防空監視所という三段構え、迎撃は洋上の海上自衛隊イージス艦6隻からのSM-3と全国24個高射隊へ配備されたPAC-3迎撃ミサイルが、高高度で直接命中し人口密集地への被害を許しません。

常時発令することでミサイル攻撃が奇襲的に実施された場合でも、自衛隊は法制度上迎撃が可能となります。ただ、問題点がないわけではありません。常時発令するという事は、ミサイル部隊の待機要員勤務体制を強化する必要がありますし、更にPAC-3ミサイル部隊の警備体制を強化する必要があります、その為には交代要員を確保が必要で、航空自衛隊の現在の勤務体制を維持するためには長期的に視た場合、増員が必要となるでしょう。

問題は此れだけでなく、イージス艦についても、現在海上自衛隊には6隻のイージス艦が配備され、8200t型ミサイル護衛艦として更に2隻が増強される事となっていますが、イージス艦の任務は弾道ミサイル防衛以上に艦隊防空という任務があり、その為にイージス艦は艦砲から魚雷まで、対水上レーダーからソナーまでを搭載した水上戦闘艦という戦闘システムを構成しています。この為、ミサイル防衛専従ではなく、長期的に洋上でのミサイル防衛を展開する場合、イージス艦の増強と一部を護衛艦隊ではなく自衛艦隊直轄艦とする運用も必要となります。

重要なのは何のために常時発令するか、即ち、北朝鮮の突発的ミサイル実験の流れ弾から国土を防衛するのか、弾道ミサイルによる奇襲攻撃から国土を防衛するのか、という視点で、これは実験失敗対処か武力攻撃事態対処か、という意味で意味合いが大きく異なります。名瀬ならば、後者であればミサイル攻撃は手段であり、その達成のために、コマンドー部隊による奇襲を含めた妨害行動も想定しなければならないためです。また、ミサイルは北朝鮮の弾道ミサイルの他、中国の弾道ミサイルと巡航ミサイルという脅威も忘れてはなりません。

命令は簡単ですが、ミサイル破壊措置命令の常時発令、長期的な実施となれば要員確保や装備運用等の面で課題が多く、その命令を達成するために必要な施策、予算増や要員増強と予備装備確保など、対応策を政治は整備する必要があります。また、自衛隊が対応する日本国土へ及ぶ脅威は弾道ミサイル攻撃のほか、島嶼部防衛、本土着上陸、航空攻撃、シーレーン攻撃、ゲリラコマンドー浸透等数多く、弾道ミサイルはその一つにすぎない事も認識したうえで、防衛政策を構築すべきでしょう。
北大路機関:はるな くらま
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