■UGM-109ミサイルの必要性
巡航ミサイルの運用能力、もう一つの重要な視点は潜水艦に搭載し、海中からの投射を実施、主として策源地攻撃能力にあてることです。
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この場合想定しているのはアメリカのBGM-109/UGM-109トマホーク巡航ミサイルです。もともと、UGM-109,トマホーク巡航ミサイルは潜水艦発射用ミサイルとして開発されたものですので、ある種潜水艦へのトマホーク搭載は筆頭に考えるべき視点といえるでしょう。策源地攻撃能力は、元来、日本本土を攻撃する弾道ミサイル基地に対し実施されるものですが、併せて戦略爆撃機など日本本土の各攻撃を実施可能な策源地へも本来加えられるもので、これは日本本土への各攻撃を可能とする能力を整備する国家が実は多様化しているという実状を無視し、もしくは知っていた場合でも認知しない施策を採ってきたため、ともいえるでしょう。
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この中で、潜水艦からの巡航ミサイル運用能力は、潜水艦そのものがその所在位置を秘匿する非常に優位な運用手段であり、海上自衛隊は防衛計画の大綱改訂とともに潜水艦運用数を16隻から22隻へと大きく増勢させており、この強化される潜水艦の能力を更に大きく発揮するには巡航ミサイルの搭載は検討されるべきです。例えばトマホークミサイルは553mm魚雷発射管からの水中発射が可能で、もちろん大量にトマホークを搭載する場合、20発という限られた潜水艦の魚雷搭載数を同数のトマホークと搭載することで縮小させてしまうため、大量に搭載することはできません。
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しかし、数発であっても巡航ミサイルを運用する潜水艦が遊弋することは、相手国にとり非常に大きな抑止力となるでしょう。実際問題として、1500発もの巡航ミサイルが日本本土を射程に収めており、且つ敵対的な政策を続け、我が国証空付近へ頻繁に巡航ミサイル発射母機であるH-6戦略爆撃機を進出させている状況、これが軍事恫喝へ展開した際に必要な抑止力を整備できていない状態が露呈しては、国民はわが政府を信頼できない状況を生むでしょう。
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この為にUGM-109巡航ミサイルを潜水艦から投射できる体制の構築は必要です。特にUGM-109E,UGM-109Hは射程が3000kmと非常に大きく、開発当初は射程延伸へ構造を軽量化したため、潜水艦発射能力を大きく制約し、魚雷発射管からの投射ではなく、アメリカ海軍が主力原潜として運用していますロスアンゼルス級攻撃型原子力潜水艦の後期型に搭載されているVLS,垂直発射装置からの水中発射を念頭としていました。
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従来UGM-109は潜水艦の魚雷発射管から発射カプセルに収容し海面上に投射、この為に潜水艦はトリムを調整し魚雷発射管を海面へ若干傾斜し運用することとしていました、この為圧力変化に耐える構造がUGM-109には採用されていましたが、UGM-109E,UGM-109Hは射程を大きく延伸させたことでこの強度を省いていた訳です。初期型のUGM-109は射程2500kmありますので3000kmといいますとそれほどではないように感じます。
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ただ、これはUGM-109Aが各巡航ミサイルとして開発され弾頭が軽量であった為で、SLBMへの移行でUGM-109Aは既に廃止、主力となっている対地攻撃型のUGM-109Cが主力となっています、UGM-109Cの射程は1250km、故にUGM-109E,UGM-109Hの射程3000kmは非常に大きな能力向上であったわけです。一方、イギリス海軍がUGM-109E,UGM-109Hを導入する際、魚雷発射管からの運用強度を有している事が確認され、海上自衛隊潜水艦からも運用可能であることを意味します。
北大路機関:はるな くらま
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巡航ミサイルの運用能力、もう一つの重要な視点は潜水艦に搭載し、海中からの投射を実施、主として策源地攻撃能力にあてることです。
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この場合想定しているのはアメリカのBGM-109/UGM-109トマホーク巡航ミサイルです。もともと、UGM-109,トマホーク巡航ミサイルは潜水艦発射用ミサイルとして開発されたものですので、ある種潜水艦へのトマホーク搭載は筆頭に考えるべき視点といえるでしょう。策源地攻撃能力は、元来、日本本土を攻撃する弾道ミサイル基地に対し実施されるものですが、併せて戦略爆撃機など日本本土の各攻撃を実施可能な策源地へも本来加えられるもので、これは日本本土への各攻撃を可能とする能力を整備する国家が実は多様化しているという実状を無視し、もしくは知っていた場合でも認知しない施策を採ってきたため、ともいえるでしょう。
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この中で、潜水艦からの巡航ミサイル運用能力は、潜水艦そのものがその所在位置を秘匿する非常に優位な運用手段であり、海上自衛隊は防衛計画の大綱改訂とともに潜水艦運用数を16隻から22隻へと大きく増勢させており、この強化される潜水艦の能力を更に大きく発揮するには巡航ミサイルの搭載は検討されるべきです。例えばトマホークミサイルは553mm魚雷発射管からの水中発射が可能で、もちろん大量にトマホークを搭載する場合、20発という限られた潜水艦の魚雷搭載数を同数のトマホークと搭載することで縮小させてしまうため、大量に搭載することはできません。
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しかし、数発であっても巡航ミサイルを運用する潜水艦が遊弋することは、相手国にとり非常に大きな抑止力となるでしょう。実際問題として、1500発もの巡航ミサイルが日本本土を射程に収めており、且つ敵対的な政策を続け、我が国証空付近へ頻繁に巡航ミサイル発射母機であるH-6戦略爆撃機を進出させている状況、これが軍事恫喝へ展開した際に必要な抑止力を整備できていない状態が露呈しては、国民はわが政府を信頼できない状況を生むでしょう。
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この為にUGM-109巡航ミサイルを潜水艦から投射できる体制の構築は必要です。特にUGM-109E,UGM-109Hは射程が3000kmと非常に大きく、開発当初は射程延伸へ構造を軽量化したため、潜水艦発射能力を大きく制約し、魚雷発射管からの投射ではなく、アメリカ海軍が主力原潜として運用していますロスアンゼルス級攻撃型原子力潜水艦の後期型に搭載されているVLS,垂直発射装置からの水中発射を念頭としていました。
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従来UGM-109は潜水艦の魚雷発射管から発射カプセルに収容し海面上に投射、この為に潜水艦はトリムを調整し魚雷発射管を海面へ若干傾斜し運用することとしていました、この為圧力変化に耐える構造がUGM-109には採用されていましたが、UGM-109E,UGM-109Hは射程を大きく延伸させたことでこの強度を省いていた訳です。初期型のUGM-109は射程2500kmありますので3000kmといいますとそれほどではないように感じます。
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ただ、これはUGM-109Aが各巡航ミサイルとして開発され弾頭が軽量であった為で、SLBMへの移行でUGM-109Aは既に廃止、主力となっている対地攻撃型のUGM-109Cが主力となっています、UGM-109Cの射程は1250km、故にUGM-109E,UGM-109Hの射程3000kmは非常に大きな能力向上であったわけです。一方、イギリス海軍がUGM-109E,UGM-109Hを導入する際、魚雷発射管からの運用強度を有している事が確認され、海上自衛隊潜水艦からも運用可能であることを意味します。
北大路機関:はるな くらま
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