■富士総合火力演習二〇一六
平成二八年度富士総合火力演習、夏の風物詩というべき国内最大の公海実弾演習へ行ってまいりました。
東富士演習場において毎年実施される富士総合火力演習、今回御縁あって土曜日の予行を撮影する機会に恵まれました。当日は懸念された台風10号の接近というなか、降雨量1mmという予報でしたが、御存じの通り後段演習の最中大粒の雨が降り始め、成程防滴装備の準備は大切なのだなあ、撮影機材の他撮影者も、という事を痛感させられました次第です。
陸上自衛隊の近接戦闘部隊である普通科部隊及び機甲科部隊、遠距離火力戦闘部隊である特科部隊、この戦術研究及び新装備開発と試験を担当する陸上自衛隊富士学校が、現代戦闘の様相を再現し現示するとの目的で開始された総合演習は、富士総合火力展示演習と改名され、現在の富士総合火力演習となりました、実弾射撃を見聞する貴重な機会の一つ。
現在陸上自衛隊では、島嶼部防衛、更に従来の脅威が北方からの着上陸へ対処する事を主眼としていたのに対し、新たに西方からの軍事脅威が現出、その上で弾道ミサイル脅威や国際平和維持活動への参加など任務が多様化した為、完全な予算不足となり苦肉の策として統合機動防衛力、全国へ有力な部隊を配置できないので転地、という事業を推進中です。
この富士総合火力演習では演習を前段演習と後段演習に分けまして、前段演習では陸上自衛隊が装備する各種装備、戦車や火砲に対戦車火器とヘリコプター火力や装甲車の実弾射撃を展示、後段演習ではシミュレーションという視点に立ち、具体的に我が国への攻撃が加えられたとの想定から自衛隊がどのように任務を遂行するかの展示に、分けられている。
創隊以来最大の改革と呼ばれる統合機動防衛力整備と島嶼部防衛力整備は、この富士総合火力演習へも反映されており、後段演習ではこの数年間、我が国島嶼部への侵攻が為されたとの想定での、部隊の空中機動等による緊急展開と着上陸を受けての防御戦闘から主力を待って敵の攻撃を破砕しその上で戦果拡張へ反撃に転じるまでの状況を展示しました。
島嶼部防衛、といいますと、海外メディアから、尖閣諸島防衛や竹島奪還、等を誤解し誇張し認識する向きがあるようなのですが、しかし、演習を見ますと気付かせられるのは戦車戦闘や航空打撃戦、具体的に装備を以て展示していますので、戦車が双方上陸できるような、規模の島嶼を想定しているようですので、もう少し広い離島を想定しているもよう。
統合機動防衛力としまして、大きな改編を進めているものですが、確かに今回の総合火力演習では帯広第5旅団より鹿追の第5戦車大隊の90式戦車が、東千歳第7師団より第11普通科連隊の89式装甲戦闘車が、参加していました。西方へ脅威が及ぶ以上、90式戦車と89式装甲戦闘車が西方にも必要ですが、予算の限界から配備できない、現実をみました。
74式戦車、第1戦車大隊の参加部隊の練度が物凄いものでして、小隊1班集中射撃では何度も二両同時に発砲焔が写り、文字通り練度は息が寸秒を置かないほどに一致するほど熟練しているものだ、と感じさせられると共に、富士教導団の方では同一目標撃て、の号令がかかりまして、噂に聞く水陸機動団創設準備の人的面での皺寄せを感じました次第です。
最後になりましたが、今回の富士総合火力演習では様々な方のご厚意に支えられました、お誘い頂いた友人にも感謝ですが、物凄い雨でして、当方撮影機材等電子機材は幸い全て無事でしたが、風邪をひきました。しかし、お隣の方にご当地ビニール袋を頂き、他の資材も無事でした。バス待ちではお隣の方に傘の下へ寄せていただきましたことで一晩にて全快、本当にありがとうございました。
北大路機関:はるな くらま
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
平成二八年度富士総合火力演習、夏の風物詩というべき国内最大の公海実弾演習へ行ってまいりました。
東富士演習場において毎年実施される富士総合火力演習、今回御縁あって土曜日の予行を撮影する機会に恵まれました。当日は懸念された台風10号の接近というなか、降雨量1mmという予報でしたが、御存じの通り後段演習の最中大粒の雨が降り始め、成程防滴装備の準備は大切なのだなあ、撮影機材の他撮影者も、という事を痛感させられました次第です。
陸上自衛隊の近接戦闘部隊である普通科部隊及び機甲科部隊、遠距離火力戦闘部隊である特科部隊、この戦術研究及び新装備開発と試験を担当する陸上自衛隊富士学校が、現代戦闘の様相を再現し現示するとの目的で開始された総合演習は、富士総合火力展示演習と改名され、現在の富士総合火力演習となりました、実弾射撃を見聞する貴重な機会の一つ。
現在陸上自衛隊では、島嶼部防衛、更に従来の脅威が北方からの着上陸へ対処する事を主眼としていたのに対し、新たに西方からの軍事脅威が現出、その上で弾道ミサイル脅威や国際平和維持活動への参加など任務が多様化した為、完全な予算不足となり苦肉の策として統合機動防衛力、全国へ有力な部隊を配置できないので転地、という事業を推進中です。
この富士総合火力演習では演習を前段演習と後段演習に分けまして、前段演習では陸上自衛隊が装備する各種装備、戦車や火砲に対戦車火器とヘリコプター火力や装甲車の実弾射撃を展示、後段演習ではシミュレーションという視点に立ち、具体的に我が国への攻撃が加えられたとの想定から自衛隊がどのように任務を遂行するかの展示に、分けられている。
創隊以来最大の改革と呼ばれる統合機動防衛力整備と島嶼部防衛力整備は、この富士総合火力演習へも反映されており、後段演習ではこの数年間、我が国島嶼部への侵攻が為されたとの想定での、部隊の空中機動等による緊急展開と着上陸を受けての防御戦闘から主力を待って敵の攻撃を破砕しその上で戦果拡張へ反撃に転じるまでの状況を展示しました。
島嶼部防衛、といいますと、海外メディアから、尖閣諸島防衛や竹島奪還、等を誤解し誇張し認識する向きがあるようなのですが、しかし、演習を見ますと気付かせられるのは戦車戦闘や航空打撃戦、具体的に装備を以て展示していますので、戦車が双方上陸できるような、規模の島嶼を想定しているようですので、もう少し広い離島を想定しているもよう。
統合機動防衛力としまして、大きな改編を進めているものですが、確かに今回の総合火力演習では帯広第5旅団より鹿追の第5戦車大隊の90式戦車が、東千歳第7師団より第11普通科連隊の89式装甲戦闘車が、参加していました。西方へ脅威が及ぶ以上、90式戦車と89式装甲戦闘車が西方にも必要ですが、予算の限界から配備できない、現実をみました。
74式戦車、第1戦車大隊の参加部隊の練度が物凄いものでして、小隊1班集中射撃では何度も二両同時に発砲焔が写り、文字通り練度は息が寸秒を置かないほどに一致するほど熟練しているものだ、と感じさせられると共に、富士教導団の方では同一目標撃て、の号令がかかりまして、噂に聞く水陸機動団創設準備の人的面での皺寄せを感じました次第です。
最後になりましたが、今回の富士総合火力演習では様々な方のご厚意に支えられました、お誘い頂いた友人にも感謝ですが、物凄い雨でして、当方撮影機材等電子機材は幸い全て無事でしたが、風邪をひきました。しかし、お隣の方にご当地ビニール袋を頂き、他の資材も無事でした。バス待ちではお隣の方に傘の下へ寄せていただきましたことで一晩にて全快、本当にありがとうございました。
北大路機関:はるな くらま
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