北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

九州北部豪雨福岡大分大雨特別警報,線状降水帯記録的短時間豪雨の連続と自衛隊災害派遣概況

2017-07-06 23:44:12 | 防災・災害派遣
■九州北部豪雨自衛隊災害派遣
 九州北部豪雨福岡大分大雨特別警報,福岡大分大雨特別警報は解除されましたが、被害の全容が把握できないほどの状況となっています、この中で、自衛隊災害派遣概況について。

 福岡県大分県へ大雨特別警報、昨日夕刻に発令された気象庁からの特別警報と共に線状降水帯が北部九州へ連続的に接し、記録的豪雨が襲いました。九州地方は豪雨災害に幾度も襲われ、その治水対策や洪水への備えは日本で最も進んだ地域なのですが、記録的短時間豪雨が波状に襲い水害が発生しました。今回は自衛隊災害派遣の概況を見てみましょう。

 福岡 朝倉市と東峰村で250名孤立状態、大分日田にて土砂崩れで小野川水位上がり直ちに避難呼びかけ、JR在来線 一部で始発から運転見合わせ、大雨で帰宅させられず学校で宿泊 相次ぐ避難指示福岡県久留米市の全域に朝倉市の全域、朝倉で電話やインターネット回線使えず、東峰村で集落孤立、日田市日田付近で1時間に110mmの猛烈な雨、とつづく。

 大雨により道路が冠水し通行不能、福岡県東峰村で孤立者が発生、警察消防での対応が困難として、福岡県知事から陸上自衛隊第4師団長に対し人命救助及び物資輸送に係る災害派遣要請が出されました。大分県日田市でも大雨により道路が冠水、集落が孤立する事案が発生、陸上自衛隊第4戦車大隊長に対し、人命救助に係る災害派遣要請が出されました。

 戦車大隊が何故災害派遣に当たるのか、と思われるかもしれませんが陸上自衛隊は部隊毎に隊区を定め災害派遣などを担当します。隊区は普通科連隊や特科連隊に加え戦車大隊も設定されており、今回の被災地は大分県日田市、そこで第4戦車大隊の玖珠駐屯地の隊区にありました。戦車大隊には戦車以外に様々な車両が配備され災害派遣へ出動しています。

 別府第41普通科連隊、小倉第40普通科連隊、福岡第4後方支援連隊、飯塚第2高射特科団、湯布院西部方面特科隊、久留米第4特科連隊、第5施設団、玖珠第4戦車大隊、大村第4施設大隊、目達原第4飛行隊、福岡第4通信大隊、福岡第4師団司令部、福岡第4偵察隊、第8通信大隊、健軍西部方面通信群、目達原西部方面航空隊、等が出動しました。

 人命救助及び物資輸送に係る災害派遣要請、孤立地域がありますので、陸上自衛隊には戦場の地雷原や障害物を処理する施設科部隊の器材が土石流などで破壊された道路の復旧や必要ならば数時間で橋を架ける装備があります。また、瓦礫の上を乗り越えて進む特殊車両が一定数配備され、音声画像を無線機で送る器材もあり、孤立地域の救助へ向かいます。

 人命救助に係る災害派遣要請、九州には自衛隊のヘリコプター部隊が多数あります。佐賀県目達原には方面ヘリコプター隊と師団飛行隊のヘリコプターが50機、熊本県の高遊原分屯地に方面ヘリコプター隊と師団飛行隊のヘリコプターが20機、海上自衛隊は長崎県の大村航空基地に哨戒ヘリコプター20機、鹿児島県鹿屋航空基地へ救難ヘリコプターもいます。

 孤立地域からの救出にはヘリコプターが最適ですが、陸上海上自衛隊のヘリコプターとともに航空自衛隊も福岡県に芦屋救難隊と春日ヘリコプター空輸隊、宮崎県に新田原救難隊が展開していまして、九州だけで自衛隊は100機以上のヘリコプターが展開しています。勿論、消防と警察や海上保安庁に防災ヘリコプターが協力する事は言うまでもありません。

 現在、自衛隊1600名を含め警察消防総務省と6000名が救助にあたっています。水害に遭われた方の話を実際聞きますと、家財を護る為に自宅に残ったが何もできなかった、時機を見て避難しようとしたが決断が遅れ孤立、という実例がありました。しかし、命を守る行動さえ達成したならば、その後へ様々な方々が努力しています。早めの避難が肝要です。

北大路機関:はるな くらま
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