■国家防衛システムの信頼性
イージスアショア導入へ疑問、その最初にして最大の一手はミサイル防衛を行う上で中間段階迎撃を主とするシステムを陸上へ配備する事への疑義でした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/f4/3ffa7669861e6944584a07b790c5fb55.jpg)
THAADは終末のterminalを意味するTを冠している通り、最終段階での迎撃を主任務とするミサイル防衛システムです。このために自衛隊、というよりも日本国家が必要とするミサイル防衛システムには中間段階の迎撃能力を持ち、終末段階については将来的に開発の余地があるという、中途半端な能力となっているイージスアショアよりも利点がある。イージスアショア採用の中欧に配備し西欧を護る欧州ミサイル防衛とは根本的に違う。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/7c/993c489695c1571fdbf91e76b618bf2f.jpg)
ミサイル防衛を確実に行う意義は、日本国内において書く攻撃というリスクへの通常兵器による抑止手段を確保することを通じ、日本国内で生じる核武装論などを抑制する意味があります。核武装論には既に自民党の石破代議士が提示した米軍核兵器持込容認再検討余地、という発言も含め、核抑止構造を実体ある核戦力へ転じる牽制を大きな意味とします。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/ba/88a370b43c1770573d85feca36d4672d.jpg)
日本核武装論、仮に国民総意に至ったならば、これをすべて否定するつもりはありませんが、大変な覚悟が必要です。北朝鮮に対して行われている制裁の規模を日本に当てはめた場合という視点も重要ですが、何より”日本から平壌へ届く核戦力”は”日本からロシア沿海州に届く核戦力”と同義です。ロシア側は日本の核戦力が極東地区へ到達する重大な脅威と見なさざるを得ません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/be/7dddde713024d853ccd083cae4ef2262.jpg)
ここに新しい対立構造が生まれることを忘れてはなりません。ミサイル防衛を充分に機能させることができれば、即ち数字の上ではなく、国民世論として自衛隊のミサイル防衛能力を信頼できる体制をいじできれば、核攻撃されたならば核兵器を撃ち返す世論、これを、核攻撃されたならば迎撃し撃ち落とすべきとの世論、が圧倒させることができるでしょう。
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信頼性、国民がミサイル防衛を信頼できる体制を構築する事がこの命題の肝要です。ミサイル防衛という概念は従来、相互確証破壊という互いに相手を確実に殲滅できる能力を持つ事で牽制しあう恐怖の均衡を破綻させるものとされていましたが、これはミサイル防衛の精度を確実とするには当時核弾頭迎撃ミサイルが必要とされた為でした。即ちこの懸念はミサイル防衛に核兵器が必要であった時代のもので、今日とは少々事情が違います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/c5/0b17066065edf91071260e5b401e98ee.jpg)
イージスアショアかTHAADか、この双方は弾頭に核兵器を必要としません。核兵器の恫喝に通常戦力で対応することができる、これは核兵器体系と核拡散防止への新しい軍縮体系構築への大きな一歩でしょう。その上で、国民がミサイル防衛について一般論として万全と自信を持つためには、イージスアショアかTHAADか、という視点が必要と考えます。
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新しい安保理決議が可決され、原油輸入制限や一部工業製品取引禁止と労働者渡航制限が含まれました。北朝鮮への現在以上に厳しい制裁措置となりますと、原油完全禁輸、中朝国境の閉鎖とロシアからの禁制品輸入監視の為の海上封鎖という最終手段が考えられます。海上封鎖は、機雷敷設や海上保安庁巡視船による臨検の実施などが考えられるでしょう。
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機雷封鎖は憲法上禁じられた武力行使であるかについては議論の余地がありますが、憲法上の武力行使は国際法上の武力行使に当たる経済制裁や外交関係の断絶等を含めておらず、国際法上の武力行使や武力攻撃と憲法上の武力行使は別の定義である事がわかります、その上で機雷敷設や臨検強化の憲法上位置づけでは、一概に許されないとは言い切れません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/53/86e111373b07e57cdeec405f720da2a8.jpg)
イージスアショアかTHAAD、どちらかが国民の信頼を得て整備維持されるならば、ここまで行かずとも長期的に核廃絶実現まで日本国家も核脅威とミサイル脅威へ忍耐という選択肢が生まれます。その上での比較ですが、イージスアショアのSM-3が現状で終末段階迎撃能力を有していない事は国民のミサイル防衛への信頼を勝ち取る点で大丈夫でしょうか。
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北朝鮮は核開発とミサイル開発を完成の領域へと進めつつあります。これは通常弾頭ミサイルとは別次元の脅威であり、核攻撃から国家を防衛するという以上、イージスアショアは日本にとり“国家防衛システム”そのものです。そして従来は“核恫喝へは核抑止”により対抗していた核体系へ通常戦力により挑む世界史上新しい試みです。この為には、着弾直前の終末段階防衛に適さない装備よりも、終末段階防衛適した装備が理想、と考える訳です。終末段階防衛を撃ち漏らしたその直下には、我が国の平和な営みがあります、これを核の業火から守らねばなりません。
北大路機関:はるな くらま
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イージスアショア導入へ疑問、その最初にして最大の一手はミサイル防衛を行う上で中間段階迎撃を主とするシステムを陸上へ配備する事への疑義でした。
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THAADは終末のterminalを意味するTを冠している通り、最終段階での迎撃を主任務とするミサイル防衛システムです。このために自衛隊、というよりも日本国家が必要とするミサイル防衛システムには中間段階の迎撃能力を持ち、終末段階については将来的に開発の余地があるという、中途半端な能力となっているイージスアショアよりも利点がある。イージスアショア採用の中欧に配備し西欧を護る欧州ミサイル防衛とは根本的に違う。
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ミサイル防衛を確実に行う意義は、日本国内において書く攻撃というリスクへの通常兵器による抑止手段を確保することを通じ、日本国内で生じる核武装論などを抑制する意味があります。核武装論には既に自民党の石破代議士が提示した米軍核兵器持込容認再検討余地、という発言も含め、核抑止構造を実体ある核戦力へ転じる牽制を大きな意味とします。
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日本核武装論、仮に国民総意に至ったならば、これをすべて否定するつもりはありませんが、大変な覚悟が必要です。北朝鮮に対して行われている制裁の規模を日本に当てはめた場合という視点も重要ですが、何より”日本から平壌へ届く核戦力”は”日本からロシア沿海州に届く核戦力”と同義です。ロシア側は日本の核戦力が極東地区へ到達する重大な脅威と見なさざるを得ません。
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ここに新しい対立構造が生まれることを忘れてはなりません。ミサイル防衛を充分に機能させることができれば、即ち数字の上ではなく、国民世論として自衛隊のミサイル防衛能力を信頼できる体制をいじできれば、核攻撃されたならば核兵器を撃ち返す世論、これを、核攻撃されたならば迎撃し撃ち落とすべきとの世論、が圧倒させることができるでしょう。
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信頼性、国民がミサイル防衛を信頼できる体制を構築する事がこの命題の肝要です。ミサイル防衛という概念は従来、相互確証破壊という互いに相手を確実に殲滅できる能力を持つ事で牽制しあう恐怖の均衡を破綻させるものとされていましたが、これはミサイル防衛の精度を確実とするには当時核弾頭迎撃ミサイルが必要とされた為でした。即ちこの懸念はミサイル防衛に核兵器が必要であった時代のもので、今日とは少々事情が違います。
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イージスアショアかTHAADか、この双方は弾頭に核兵器を必要としません。核兵器の恫喝に通常戦力で対応することができる、これは核兵器体系と核拡散防止への新しい軍縮体系構築への大きな一歩でしょう。その上で、国民がミサイル防衛について一般論として万全と自信を持つためには、イージスアショアかTHAADか、という視点が必要と考えます。
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新しい安保理決議が可決され、原油輸入制限や一部工業製品取引禁止と労働者渡航制限が含まれました。北朝鮮への現在以上に厳しい制裁措置となりますと、原油完全禁輸、中朝国境の閉鎖とロシアからの禁制品輸入監視の為の海上封鎖という最終手段が考えられます。海上封鎖は、機雷敷設や海上保安庁巡視船による臨検の実施などが考えられるでしょう。
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機雷封鎖は憲法上禁じられた武力行使であるかについては議論の余地がありますが、憲法上の武力行使は国際法上の武力行使に当たる経済制裁や外交関係の断絶等を含めておらず、国際法上の武力行使や武力攻撃と憲法上の武力行使は別の定義である事がわかります、その上で機雷敷設や臨検強化の憲法上位置づけでは、一概に許されないとは言い切れません。
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イージスアショアかTHAAD、どちらかが国民の信頼を得て整備維持されるならば、ここまで行かずとも長期的に核廃絶実現まで日本国家も核脅威とミサイル脅威へ忍耐という選択肢が生まれます。その上での比較ですが、イージスアショアのSM-3が現状で終末段階迎撃能力を有していない事は国民のミサイル防衛への信頼を勝ち取る点で大丈夫でしょうか。
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北朝鮮は核開発とミサイル開発を完成の領域へと進めつつあります。これは通常弾頭ミサイルとは別次元の脅威であり、核攻撃から国家を防衛するという以上、イージスアショアは日本にとり“国家防衛システム”そのものです。そして従来は“核恫喝へは核抑止”により対抗していた核体系へ通常戦力により挑む世界史上新しい試みです。この為には、着弾直前の終末段階防衛に適さない装備よりも、終末段階防衛適した装備が理想、と考える訳です。終末段階防衛を撃ち漏らしたその直下には、我が国の平和な営みがあります、これを核の業火から守らねばなりません。
北大路機関:はるな くらま
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