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F-35/AX-6初飛行!,三菱FACO最終組立二号機進空と年度末三沢臨時F-35飛行隊新編準備

2017-09-25 23:06:30 | 先端軍事テクノロジー
■F-35/AX-6本日1000時進空
 航空自衛隊の第五世代戦闘機部隊編制への新しい一歩がまた前へと進みました。

 F-35/AX-6,本日1000時、名古屋空港の三菱重工小牧FACOから初飛行を果たしました。F-35/AX-6は日本最終組立2号機にあたり、アメリカでの生産分を含め航空自衛隊は既にF-35戦闘機4機を受領し、更に24機を発注、現段階では42機の取得が内定しています。AX-1はアメリカ生産機で昨年11月より納入され、AX-4までがアメリカで生産、AX-5以降は小牧です。

 AX-5は小牧での試験飛行を終え、最終試験をアメリカのルーク基地にて実施する予定で、これは日本国内にF-35飛行要員が練成中である為に最終試験を実施する体制が未整備である故の措置ですが、AX-6は試験飛行後、アメリカで養成された要員を元に最終試験を実施し、そのままF-35最初の自衛隊飛行隊である実戦部隊の拠点、三沢基地へと移駐します。

 F-35についてはアメリカ海兵隊の垂直離着陸型F-35Bが岩国航空基地へ配備を開始しており、佐世保基地へ前方展開している強襲揚陸艦ボノムリシャールの後継にF-35B運用能力を有する強襲揚陸艦ワスプが配備され、アメリカ海軍は全通飛行甲板を有する40000t級強襲揚陸艦よりF-35B艦上運用が可能となり、ステルス機の抑止力は大きく向上しましょう。

 AX-6と共にアメリカ生産分を含め、今年度末までに6機のF-35A戦闘機を三沢基地へ展開させ、臨時F-35飛行隊が編成、航空自衛隊における第五世代戦闘機運用が漸く軌道に乗る事となるでしょう。F-35/AX-6初飛行には随伴機に岐阜基地飛行開発実験団よりF-15Jが支援に当りました。自衛隊ではF-15J初期生産後継機にもF-35A採用が有力視されている。

 X-2実験機、本日は名古屋空港よりF-35/AX-6が初飛行を果たしましたが、防衛装備庁が進める次世代戦闘機技術実証機であるX-2実験機もF-2戦闘機と共に飛行試験を実施、F-35/AX-6は岐阜基地をローパスした為、岐阜基地上空は最新鋭機二機種が航過し、大変な活況であったといえましょう。この写真は少々距離がありますが犬山市内で撮影しました。

 F-4EJ改戦闘機、原型機が初飛行したのは1959年という非常に古い戦闘機ですが航空自衛隊のF-35A戦闘機はこのF-4EJ改の後継機として採用されました。現在も第301飛行隊と第302飛行隊が茨城県百里基地に配備、首都防空の重責を担っています。この内来年度には百里基地第302飛行隊が三沢基地へ移駐、F-4EJ改からF-35Aへ機種転換するとのこと。

 F-4EJ改からF-35Aへ機種転換、一挙に二世代分を飛び越えて機種転換する事となり、航空自衛隊の制空戦闘能力は一挙に飛躍します。また、自衛隊統合ネットワークと連接する事で大量の空対空ミサイルを搭載可能なF-15J戦闘機とF-35A戦闘機が空中ネットワークにより連携する事で、数的劣勢であっても航空優勢を一方的に確保する事へも昇華し得る。

 第五世代戦闘機、F-35A戦闘機はステルス性能によりレーダーに極めて映りにくく、更に情報伝送や情報共有能力が高く、航空戦闘での圧倒的情報優位獲得を絶対的航空優勢確保へ繋げるという新世代の戦闘機で、特にF-35Aは空対空ミサイルや精密誘導爆弾等の兵装を機内に収容し、レーダーに捕捉される事無く長距離打撃戦闘を展開する事さえ可能です。

 X-2実験機はさらに将来の第六世代戦闘機として現在のF-2戦闘機後継となる将来戦闘機への構成要素を技術実証機として試験するべく製造された機体で、第六世代戦闘機実現への技術開発と技術体系化は簡単な道程ではありませんが、多種多様な構成要素を個々の小研究に分散させ着実に進めており、航空防衛世代交代への準備は目に見える形で進んでいます。

北大路機関:はるな くらま
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コメント (1)
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