■まや型イージス艦量産に併せ
新しい八八艦隊の必要性を護衛艦ひゅうが就役10周年に合わせて提示しました新年防衛論集は今回の第三回が一応の完結となります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/4c/137a9a7e64c103f27aee1a6d490d5468.jpg)
護衛隊の能力に格差が生じさせないという観点は、対艦ミサイル戦闘に加え対空ミサイル戦闘という視点からF-35Bを必要としており、ヘリコプター搭載護衛艦の増勢と新しい八八艦隊が、イージス艦8隻という現在の防衛力と共に現在4隻となっているヘリコプター搭載護衛艦の8隻への増強、全ての護衛隊にヘリコプター搭載護衛艦の配備は、必要です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/ff/15eddd03521c87f9d3795c8e4262284d.jpg)
航空母艦が必要と考える訳ではありません、全通飛行甲板型護衛艦で充分です。航空母艦と全通飛行甲板型護衛艦の明確な違いは内閣法制局統一解釈において、“専ら相手国度に壊滅的な打撃を与える兵器”として戦略爆撃機と並び攻撃空母が挙げられました。全通飛行甲板型護衛艦は艦載機を主としてセンサーノード任務に充当、この定義に含まれません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/7c/7910ddde84022557bbb08ea3fc85bc0d.jpg)
しかしながら、センサーノード機という区分では、艦隊防空戦闘機は不要であるが将来に長射程化するミサイル戦闘へ対応するには相応の性能を持つセンサーノード機が必要となる訳ですので、航空母艦は必要ではないがセンサーノード機の母艦が必要になる。この選択肢として経済的に現実性があり導入が可能な機種が世界にはF-35Bしかない、という。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/85/ab605b345f5617f4ee424835ab21a14b.jpg)
四個護衛隊群にヘリコプター搭載護衛艦は各1隻が配備されています。しかし、防衛大綱別表にはイージス艦は8隻と定数が示されていますが、ヘリコプター搭載護衛艦の定数はありません。そして各1隻という配置は、護衛隊群が現在の2個護衛隊編成前、3個護衛隊を隷下においていた時代に直轄艦、つまり旗艦に充てられていた時代の名残でもあります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/61/9ba4fdd8b78dccd5fa92931cf5a784c9.jpg)
第51護衛隊に護衛艦しらね、ひえい。第52護衛隊に護衛艦くらま、はるな。実はヘリコプター搭載護衛艦が配備された当時には護衛隊群へのヘリコプター搭載護衛艦の配置は元々2隻でした。しかし、はつゆき型が竣工した1980年代より汎用護衛艦へのヘリコプター搭載がはじまり、4個ある護衛隊群を共通編成とする為に各群に旗艦として配置された。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/ce/bc7c6290226f686f129fb56f0a753c1b.jpg)
護衛隊群が有事の際には統一行動を採れば済む事であり、個々の護衛隊にヘリコプター搭載護衛艦を配備し、自己完結させる必要はあるのか、こうした反論はあるかもしれません。一つの視点ではあるでしょうが、独立運用可能な作戦単位が護衛艦隊全体で4個か8個かの違いは大きいという一点、そしてイージス艦主体の護衛隊編成が転換しつつある一点が。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/dd/86c0cab4df4122cc7ac2c857a1c18b27.jpg)
こんごう型護衛艦一番艦こんごう就役は1993年ですが、海上自衛隊は護衛隊群に各2隻のミサイル護衛艦を配備しており、広域防空ミサイルを運用し艦隊防空に充てています。ターターシステム搭載の、あまつかぜ、たちかぜ型、はたかぜ型、と整備されてきました。こんごう型からミサイル護衛艦はイージスシステム搭載のイージス艦時代へ発展しました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/18/b9/62d9fa48cf170e8d59f9231f468eef7c.jpg)
まや、まや型護衛艦の進水式と共に海上自衛隊は2019年進水式を迎える護衛艦まや型二番艦の就役を待って八個護衛隊全てにイージス艦が配備される事となります。イージス艦はSPY-1レーダーとスタンダードSM-2ミサイルの併用で100km圏内21目標を数秒間で対処できる極めて高い防空能力を有します。まや型は今年もう一隻進水式を迎える予定です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/18/7b/6af734914285e01681363582ea107dba.jpg)
全ての護衛隊へイージス艦が配備される事になる。この意味するところは現在の護衛艦隊護衛隊群を構成する二つの護衛隊がヘリコプター搭載護衛艦主体の護衛隊とイージス艦主体の護衛隊という現在の編制の定義が薄れつつある、という事であり、艦隊防空の視点では二つの護衛隊の能力はある意味近いものとなる訳です。ある意味、とは深い意味がある。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0a/61/2b8bf20f62a65a9fd6826a35af77247b.jpg)
SM-6,今年度から試験弾取得が開始されるスタンダードミサイルの新型は射程370kmと高高度目標に対しては450kmの射程を有する将来の広域防空ミサイルです。思い出す点は冒頭に示しました“射程500kmの対艦ミサイルも索敵できなければマストが見渡す30km以遠は照準さえ出来ない”というもの。勿論相手が飛行していれば、もっと伸びるのですが。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/36/680653163c7d1ddd56c31d0f46864e95.jpg)
SM-6のセンサーはAMRAAMの物を流用しています。そしてこのSM-6はF-35とリンクし誘導が可能で、450kmもの距離をイージス艦から見渡す事が出来ません、ここにF-35Bが、という。誤解を恐れず表現するならば、イージス艦のスタンダードミサイル誘導を行うSPG-62イルミネーターの役割をF-35BのAPG-81レーダーが部分的に担うということ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/cc/9b56db7a740e1e73ebf16d95138ebef3.jpg)
F-35戦闘機によるスタンダードSM-6誘導実験は既に開始されており、2016年にはF-35BがMQM-107無人標的機の飛行情報をLSS1デザートシップ地上イージス実験設備へ伝送、この目標情報を元に迎撃を行う実験が行われました。イージス艦の見通し線外の対空戦闘の一端をF-35Bが担う事で多数目標への迎撃猶予時間を延伸し艦隊防空強化を目指します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/73/0b394d114034afd8a4aa41f7b61bbfb1.jpg)
護衛艦隊隷下の全ての護衛隊へイージス艦の配備が決定し、まや型の量産が進む中、イージス艦の能力を最大限に発揮する為に、F-35Bとの連接が重要です。特にSH-60哨戒ヘリコプターにはSM-6の管制能力がありません、この意味するところはヘリコプター搭載護衛艦を有さない護衛隊はスタンダードミサイルの最大限の能力を発揮出来ないということ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/21/759bec712cccee198f2f7c70a1cb02d4.jpg)
40機のF-35B,どのように運用するのか。新防衛大綱では約40機のF-35Bを導入する方針が示されました。この規模をどう考えるかですが、この40機という機数は2個飛行隊分となります。すると2個飛行隊を8隻に分ける事への不安を案じられるかもしれません。ただし、センサーノード機として運用するならば、それ程多数の機体は必要ではありません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/d2/bddc4facc6dbfd6fb2bc78333ba34bb0.jpg)
Su-30等の航空機が我が方のF-35Bによる索敵を妨害へミサイル攻撃を展開してきた場合ですが、F-35BにはAMRAAM空対空ミサイルが搭載可能です。しかし、それ以上にF-35Bが誘導するスタンダードSM-6がイージス艦から投射される事で対処可能です。レーダーに明確に映り込む兵装庫開閉を行わずにイージス艦にミサイルの出前を要請出来るのですね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/9c/a167e1975c049cc63cfb994dea8acfaa.jpg)
8隻のヘリコプター搭載護衛艦に8個飛行隊、とする必要は必ずしも無く、即応機と任務機に整備中の機体とでローテーションを組める程度、理想では6機ですが導入計画の約40機という数字から5機程度でも充分でしょう。その分、ヘリコプター搭載護衛艦は対潜戦闘に必須のSH-60J/K哨戒ヘリコプター等各種ヘリコプターをを搭載しなければなりません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/70/21c3d65b0a2f74211302a81bcfa0676a.jpg)
インヴィンシブル級航空母艦、ハリアーを艦載機とする世界空母史上に軽空母という新区分を開拓したイギリス海軍が1970年代後半から2010年代前半にかけて運用した航空母艦ですが、その満載排水量19500tで護衛艦ひゅうが満載排水量19000tと同程度でしたが、平時におけるハリアー攻撃機の搭載数が5機でした。5機で充分運用が成り立つのでしょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/1e/b8caa7574d82a4b408ee98ea045adfc8.jpg)
F-35Bを5機、というものは訓練体系と整備補給体系を考えますと航空自衛隊が導入するF-35Bを全て艦上に置くのか、と批判されるでしょうが、実際のところ其処までぎりぎりの運用を必要とするのは有事の際だけです。護衛隊群が4個体制を維持しているのは、実任務対応群、即応待機群、教練練成群、重整備群、とローテーションを組む為の編制です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/f7/0f1e58ba23223efc85d500538c9865ef.jpg)
このように、新しい八八艦隊構想は、ヘリコプター搭載護衛艦を更に4隻建造する事により、海上自衛隊護衛艦隊の能力を飛躍的に向上させる事が可能です。そして、旧海軍の八八艦隊構想のような無茶苦茶な経済的負担はありません。ヘリコプター搭載護衛艦は艦載機を更新する事で数十年間第一線に寄与する事は護衛艦はるな、が証明しました。F-35B導入が決定した今日、その最大限の活用方法として検討する価値はあると信じます。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
新しい八八艦隊の必要性を護衛艦ひゅうが就役10周年に合わせて提示しました新年防衛論集は今回の第三回が一応の完結となります。
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護衛隊の能力に格差が生じさせないという観点は、対艦ミサイル戦闘に加え対空ミサイル戦闘という視点からF-35Bを必要としており、ヘリコプター搭載護衛艦の増勢と新しい八八艦隊が、イージス艦8隻という現在の防衛力と共に現在4隻となっているヘリコプター搭載護衛艦の8隻への増強、全ての護衛隊にヘリコプター搭載護衛艦の配備は、必要です。
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航空母艦が必要と考える訳ではありません、全通飛行甲板型護衛艦で充分です。航空母艦と全通飛行甲板型護衛艦の明確な違いは内閣法制局統一解釈において、“専ら相手国度に壊滅的な打撃を与える兵器”として戦略爆撃機と並び攻撃空母が挙げられました。全通飛行甲板型護衛艦は艦載機を主としてセンサーノード任務に充当、この定義に含まれません。
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しかしながら、センサーノード機という区分では、艦隊防空戦闘機は不要であるが将来に長射程化するミサイル戦闘へ対応するには相応の性能を持つセンサーノード機が必要となる訳ですので、航空母艦は必要ではないがセンサーノード機の母艦が必要になる。この選択肢として経済的に現実性があり導入が可能な機種が世界にはF-35Bしかない、という。
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四個護衛隊群にヘリコプター搭載護衛艦は各1隻が配備されています。しかし、防衛大綱別表にはイージス艦は8隻と定数が示されていますが、ヘリコプター搭載護衛艦の定数はありません。そして各1隻という配置は、護衛隊群が現在の2個護衛隊編成前、3個護衛隊を隷下においていた時代に直轄艦、つまり旗艦に充てられていた時代の名残でもあります。
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第51護衛隊に護衛艦しらね、ひえい。第52護衛隊に護衛艦くらま、はるな。実はヘリコプター搭載護衛艦が配備された当時には護衛隊群へのヘリコプター搭載護衛艦の配置は元々2隻でした。しかし、はつゆき型が竣工した1980年代より汎用護衛艦へのヘリコプター搭載がはじまり、4個ある護衛隊群を共通編成とする為に各群に旗艦として配置された。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/ce/bc7c6290226f686f129fb56f0a753c1b.jpg)
護衛隊群が有事の際には統一行動を採れば済む事であり、個々の護衛隊にヘリコプター搭載護衛艦を配備し、自己完結させる必要はあるのか、こうした反論はあるかもしれません。一つの視点ではあるでしょうが、独立運用可能な作戦単位が護衛艦隊全体で4個か8個かの違いは大きいという一点、そしてイージス艦主体の護衛隊編成が転換しつつある一点が。
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こんごう型護衛艦一番艦こんごう就役は1993年ですが、海上自衛隊は護衛隊群に各2隻のミサイル護衛艦を配備しており、広域防空ミサイルを運用し艦隊防空に充てています。ターターシステム搭載の、あまつかぜ、たちかぜ型、はたかぜ型、と整備されてきました。こんごう型からミサイル護衛艦はイージスシステム搭載のイージス艦時代へ発展しました。
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まや、まや型護衛艦の進水式と共に海上自衛隊は2019年進水式を迎える護衛艦まや型二番艦の就役を待って八個護衛隊全てにイージス艦が配備される事となります。イージス艦はSPY-1レーダーとスタンダードSM-2ミサイルの併用で100km圏内21目標を数秒間で対処できる極めて高い防空能力を有します。まや型は今年もう一隻進水式を迎える予定です。
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全ての護衛隊へイージス艦が配備される事になる。この意味するところは現在の護衛艦隊護衛隊群を構成する二つの護衛隊がヘリコプター搭載護衛艦主体の護衛隊とイージス艦主体の護衛隊という現在の編制の定義が薄れつつある、という事であり、艦隊防空の視点では二つの護衛隊の能力はある意味近いものとなる訳です。ある意味、とは深い意味がある。
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SM-6,今年度から試験弾取得が開始されるスタンダードミサイルの新型は射程370kmと高高度目標に対しては450kmの射程を有する将来の広域防空ミサイルです。思い出す点は冒頭に示しました“射程500kmの対艦ミサイルも索敵できなければマストが見渡す30km以遠は照準さえ出来ない”というもの。勿論相手が飛行していれば、もっと伸びるのですが。
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SM-6のセンサーはAMRAAMの物を流用しています。そしてこのSM-6はF-35とリンクし誘導が可能で、450kmもの距離をイージス艦から見渡す事が出来ません、ここにF-35Bが、という。誤解を恐れず表現するならば、イージス艦のスタンダードミサイル誘導を行うSPG-62イルミネーターの役割をF-35BのAPG-81レーダーが部分的に担うということ。
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F-35戦闘機によるスタンダードSM-6誘導実験は既に開始されており、2016年にはF-35BがMQM-107無人標的機の飛行情報をLSS1デザートシップ地上イージス実験設備へ伝送、この目標情報を元に迎撃を行う実験が行われました。イージス艦の見通し線外の対空戦闘の一端をF-35Bが担う事で多数目標への迎撃猶予時間を延伸し艦隊防空強化を目指します。
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護衛艦隊隷下の全ての護衛隊へイージス艦の配備が決定し、まや型の量産が進む中、イージス艦の能力を最大限に発揮する為に、F-35Bとの連接が重要です。特にSH-60哨戒ヘリコプターにはSM-6の管制能力がありません、この意味するところはヘリコプター搭載護衛艦を有さない護衛隊はスタンダードミサイルの最大限の能力を発揮出来ないということ。
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40機のF-35B,どのように運用するのか。新防衛大綱では約40機のF-35Bを導入する方針が示されました。この規模をどう考えるかですが、この40機という機数は2個飛行隊分となります。すると2個飛行隊を8隻に分ける事への不安を案じられるかもしれません。ただし、センサーノード機として運用するならば、それ程多数の機体は必要ではありません。
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Su-30等の航空機が我が方のF-35Bによる索敵を妨害へミサイル攻撃を展開してきた場合ですが、F-35BにはAMRAAM空対空ミサイルが搭載可能です。しかし、それ以上にF-35Bが誘導するスタンダードSM-6がイージス艦から投射される事で対処可能です。レーダーに明確に映り込む兵装庫開閉を行わずにイージス艦にミサイルの出前を要請出来るのですね。
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8隻のヘリコプター搭載護衛艦に8個飛行隊、とする必要は必ずしも無く、即応機と任務機に整備中の機体とでローテーションを組める程度、理想では6機ですが導入計画の約40機という数字から5機程度でも充分でしょう。その分、ヘリコプター搭載護衛艦は対潜戦闘に必須のSH-60J/K哨戒ヘリコプター等各種ヘリコプターをを搭載しなければなりません。
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インヴィンシブル級航空母艦、ハリアーを艦載機とする世界空母史上に軽空母という新区分を開拓したイギリス海軍が1970年代後半から2010年代前半にかけて運用した航空母艦ですが、その満載排水量19500tで護衛艦ひゅうが満載排水量19000tと同程度でしたが、平時におけるハリアー攻撃機の搭載数が5機でした。5機で充分運用が成り立つのでしょう。
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F-35Bを5機、というものは訓練体系と整備補給体系を考えますと航空自衛隊が導入するF-35Bを全て艦上に置くのか、と批判されるでしょうが、実際のところ其処までぎりぎりの運用を必要とするのは有事の際だけです。護衛隊群が4個体制を維持しているのは、実任務対応群、即応待機群、教練練成群、重整備群、とローテーションを組む為の編制です。
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このように、新しい八八艦隊構想は、ヘリコプター搭載護衛艦を更に4隻建造する事により、海上自衛隊護衛艦隊の能力を飛躍的に向上させる事が可能です。そして、旧海軍の八八艦隊構想のような無茶苦茶な経済的負担はありません。ヘリコプター搭載護衛艦は艦載機を更新する事で数十年間第一線に寄与する事は護衛艦はるな、が証明しました。F-35B導入が決定した今日、その最大限の活用方法として検討する価値はあると信じます。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
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