■特報:世界の防衛,最新論点
自衛隊はこの分野で遅れている、という分野が年々多い事となっていますが民間の民需部門とも協力を積極的に進め官民一致で法改正も視野に進めるべき分野がある。

UGV無人地上車輛は2000年代の無人航空機に続く2020年代の新しい潮流となるのかもしれません、一般論として無人航空機と比較し無人地上車輛には高い難易度が有ります、それは空を飛ぶ無人航空機は操縦者と管制装置との間に通信障害は無く、また空を飛ぶ限り気流や雨滴などはありますが地上のような樹木や建物といった障害物はありません。

UGV無人地上車輛には無限の可能性があります、例えば従来の地上戦闘部隊は段列地域からの補給によってのみ攻撃衝力を維持していましたが、UGVによる補給は補給線の自由度をかなり高めるとともにもう一つ、UGVだけによる迂回攻撃など将来可能となります、これは戦術の大前提に自殺任務を避けるという原則がありますが、UGVはその限りではない。

危険な任務として前衛や尖兵小隊などをUGVに充てるならば待ち伏せ攻撃により損害を避ける事が出来る、こうした視点ではなくUGVであれば人間では不可能な危険な迂回機動や包囲攻撃を採れると共に相手の意表を突く戦線形成が可能となります。可能性を考えての開発ではなく、可能性を開拓する事こそがUGV開発の要諦といえるかもしれません。
■スペイン,テミス導入
日本はジムニーを無人化する実験を防衛装備庁が行いましたがその後の装備開発が実りません。

スペイン陸軍はミルレムロボティクス社製テミス無人戦闘車両の導入を開始しました。これは2021年からスペイン国防省が開始した将来車両計画スコーピオン構想に基づく導入で当面は1両を評価試験に導入、テミス無人戦闘車両は2015年に開発され、樹脂製履帯方式の装軌車輛、重量は1.2tです。多段階の評価試験の第一段階が開始される事を示します。

ミルレムロボティクス社はエストニアの無人車輛メーカーであり、メーカーとしては新興企業ではありますが最初に開発されたものが汎用自走車THeMIS、テミスと発音します。このテミスは一定以上の評価を集めており、同社では続いてタイプX自走車両の開発を進めています。エストニアはNATO加盟国であり、テミスはNATO各国でも評価が高い。

テミス無人戦闘車両はマリ共和国における治安作戦に投入された際の高い稼働率と機動力が評価されており、日中温度が50度以上に達するマリの前線において330時間以上の稼働を達成し、更に火山性土壌という錯綜地形を1200km以上に渡り踏破したとのこと。最高速度は20km/hで操作範囲は1.5kmとなっていますが、30mm機関砲なども搭載可能です。
■米軍RCV-Lロボット導入
米軍のロボットといいますと市街戦用のバックポッドなどが先駆者でしたが更に進んだ装備開発も進める。

アメリカ陸軍はRCV-L軽量ロボット戦闘車両の開発に案する契約をストラトム社との間で締結しました。この計画は先行して技術構成要素が開発されたP-SAV全自動車輛研究に依拠するもので、プリメーターセイフ機能という全周警戒能力を付与されており、オートノマスビーグルシステムとして経験の浅い運用者が管制した場合でも的確な稼働が可能だ。

ストラトム社はコロラド州ボルダーに本社を置く新興企業で、退役軍人を積極的に雇用し特に戦闘などで四肢に障害を負った退役軍人を経験と共に採用している企業です。そして同社はAMR自律型移動ロボットの開発分野で先駆者として知られ、軍用貨物輸送や燃料補給及び弾薬等の補給用に用いられ、MUM-T無人有人共同運用実験等に用いられるという。

RCV-L軽量ロボット戦闘車両そのものはイギリスのキネティック社とアメリカのプラットミラーディフェンス社が開発に参画しています。その重量は3.85、自動運転の際に64.37km/hの最高速度を発揮し3.175tの物資を輸送可能、バッテリーとディーゼルエンジンによるハイブリッド動力を採用し、静粛が求められる際には電動駆動に切り替わります。
■ロボットの装甲化
市販ドローンなど無人航空kには防弾などは皆無でしたが地上戦闘車両となるとそうはまいりません。

エストニアのミルレムロボティクス社は防弾型のテミス無人戦闘車両を発表しました。これはユーロサトリ2022の会場にて初公開されたもので、防弾装甲部分はXTEKリミテッド社が開発に協力したとのこと。この無人防弾車両は2021年から両社の協力下で進められたもの、この新型無人車輛はオーストラリアとニュージーランドが導入を計画中です。

テミス無人戦闘車両防弾型は特に通信システムと制御システムを中心に防弾構造が採用されており、この種の装備が有する致命的な難点に無人である事から歩兵の様に即座に反撃してくることが無い為に敵の狙撃などで延々と銃撃されるリスクがあり、所謂“チープキル”、安価な一発の小銃弾で急所を破壊され高価な無人車輛が全損する事態を避けるもの。

ミルレムロボティクス社によれば、重要部分に対しては7.62mm徹甲弾からの防弾を想定していると共に全体的に5.56mm普通弾への防弾能力を付与している。ユーロサトリに展示された車輛では防弾装甲と共に12.7mm重機関銃RWS遠隔操作銃搭と発煙弾発射装置を搭載した武装型が発表、防弾による重量増大に際しても搭載能力の高さが示されました。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
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自衛隊はこの分野で遅れている、という分野が年々多い事となっていますが民間の民需部門とも協力を積極的に進め官民一致で法改正も視野に進めるべき分野がある。

UGV無人地上車輛は2000年代の無人航空機に続く2020年代の新しい潮流となるのかもしれません、一般論として無人航空機と比較し無人地上車輛には高い難易度が有ります、それは空を飛ぶ無人航空機は操縦者と管制装置との間に通信障害は無く、また空を飛ぶ限り気流や雨滴などはありますが地上のような樹木や建物といった障害物はありません。

UGV無人地上車輛には無限の可能性があります、例えば従来の地上戦闘部隊は段列地域からの補給によってのみ攻撃衝力を維持していましたが、UGVによる補給は補給線の自由度をかなり高めるとともにもう一つ、UGVだけによる迂回攻撃など将来可能となります、これは戦術の大前提に自殺任務を避けるという原則がありますが、UGVはその限りではない。

危険な任務として前衛や尖兵小隊などをUGVに充てるならば待ち伏せ攻撃により損害を避ける事が出来る、こうした視点ではなくUGVであれば人間では不可能な危険な迂回機動や包囲攻撃を採れると共に相手の意表を突く戦線形成が可能となります。可能性を考えての開発ではなく、可能性を開拓する事こそがUGV開発の要諦といえるかもしれません。
■スペイン,テミス導入
日本はジムニーを無人化する実験を防衛装備庁が行いましたがその後の装備開発が実りません。

スペイン陸軍はミルレムロボティクス社製テミス無人戦闘車両の導入を開始しました。これは2021年からスペイン国防省が開始した将来車両計画スコーピオン構想に基づく導入で当面は1両を評価試験に導入、テミス無人戦闘車両は2015年に開発され、樹脂製履帯方式の装軌車輛、重量は1.2tです。多段階の評価試験の第一段階が開始される事を示します。

ミルレムロボティクス社はエストニアの無人車輛メーカーであり、メーカーとしては新興企業ではありますが最初に開発されたものが汎用自走車THeMIS、テミスと発音します。このテミスは一定以上の評価を集めており、同社では続いてタイプX自走車両の開発を進めています。エストニアはNATO加盟国であり、テミスはNATO各国でも評価が高い。

テミス無人戦闘車両はマリ共和国における治安作戦に投入された際の高い稼働率と機動力が評価されており、日中温度が50度以上に達するマリの前線において330時間以上の稼働を達成し、更に火山性土壌という錯綜地形を1200km以上に渡り踏破したとのこと。最高速度は20km/hで操作範囲は1.5kmとなっていますが、30mm機関砲なども搭載可能です。
■米軍RCV-Lロボット導入
米軍のロボットといいますと市街戦用のバックポッドなどが先駆者でしたが更に進んだ装備開発も進める。

アメリカ陸軍はRCV-L軽量ロボット戦闘車両の開発に案する契約をストラトム社との間で締結しました。この計画は先行して技術構成要素が開発されたP-SAV全自動車輛研究に依拠するもので、プリメーターセイフ機能という全周警戒能力を付与されており、オートノマスビーグルシステムとして経験の浅い運用者が管制した場合でも的確な稼働が可能だ。

ストラトム社はコロラド州ボルダーに本社を置く新興企業で、退役軍人を積極的に雇用し特に戦闘などで四肢に障害を負った退役軍人を経験と共に採用している企業です。そして同社はAMR自律型移動ロボットの開発分野で先駆者として知られ、軍用貨物輸送や燃料補給及び弾薬等の補給用に用いられ、MUM-T無人有人共同運用実験等に用いられるという。

RCV-L軽量ロボット戦闘車両そのものはイギリスのキネティック社とアメリカのプラットミラーディフェンス社が開発に参画しています。その重量は3.85、自動運転の際に64.37km/hの最高速度を発揮し3.175tの物資を輸送可能、バッテリーとディーゼルエンジンによるハイブリッド動力を採用し、静粛が求められる際には電動駆動に切り替わります。
■ロボットの装甲化
市販ドローンなど無人航空kには防弾などは皆無でしたが地上戦闘車両となるとそうはまいりません。

エストニアのミルレムロボティクス社は防弾型のテミス無人戦闘車両を発表しました。これはユーロサトリ2022の会場にて初公開されたもので、防弾装甲部分はXTEKリミテッド社が開発に協力したとのこと。この無人防弾車両は2021年から両社の協力下で進められたもの、この新型無人車輛はオーストラリアとニュージーランドが導入を計画中です。

テミス無人戦闘車両防弾型は特に通信システムと制御システムを中心に防弾構造が採用されており、この種の装備が有する致命的な難点に無人である事から歩兵の様に即座に反撃してくることが無い為に敵の狙撃などで延々と銃撃されるリスクがあり、所謂“チープキル”、安価な一発の小銃弾で急所を破壊され高価な無人車輛が全損する事態を避けるもの。

ミルレムロボティクス社によれば、重要部分に対しては7.62mm徹甲弾からの防弾を想定していると共に全体的に5.56mm普通弾への防弾能力を付与している。ユーロサトリに展示された車輛では防弾装甲と共に12.7mm重機関銃RWS遠隔操作銃搭と発煙弾発射装置を搭載した武装型が発表、防弾による重量増大に際しても搭載能力の高さが示されました。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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