北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

令和四年度十月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2022.10.22-2022.10.23)

2022-10-21 20:01:10 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 イギリスではトラス首相が短期間で辞意を表明し混乱が見込まれる状況ですが皆様いかがお過ごしでしょうか、今週末の行事紹介です。

 浜松基地航空祭エアフェスタはままつ2022、23日日曜日に行われます。事前登録が必要ですが入門に際しての手続きにより当日手続きでも入場できるとのこと。航空教育集団司令部、第1航空団と警戒航空団などが展開している基地で、T-4練習機と美保から移動したT-400練習機、そして航空自衛隊の虎の子であるE-767早期警戒管制機が配備されている。

 エアフェスタはままつ、飛行展示の予定は航空祭の開門は0900時からなのですが最初の飛行展示が1230時からと、のんびりとした展示となっていまして、そしてE-767の地上展示と飛行展示は今回行われないという不思議な内容です、他方で1445時からブルーインパルスによる飛行展示は予定されていまして、久々の航空祭は抑えた規模という印象ですね。

 弘前駐屯地自衛隊記念日行事市中パレード、23日日曜日に行われます。青森県弘前市、第9師団隷下の第39普通科連隊が駐屯しています、2008年の改編までは高機動車さえ無かったことで知られる連隊ですが、軽装甲機動車等で近代化されている。このほか第9偵察隊も駐屯しています、弘前の城下町にあって市街パレードを長らく実施している部隊の一つ。

 大和駐屯地創設66周年記念行事、23日日曜日に行われます。たいわちゅうとんち、と読みますのでやまとちゅうとんち、ではない。宮城県黒川郡大和町に所在している駐屯地で2019年までは第6戦車大隊が駐屯していましたが廃止され、現在は第6偵察隊と第22即応機動連隊隷下の機動戦闘車隊が戦車大隊の後身で16式機動戦闘車2個中隊を駐屯させています。

 松山駐屯地創設67周年記念行事、23日日曜日に予定されている。第14特科隊が駐屯している駐屯地でしたが旅団改編により中部方面隊隷下となり中部方面特科隊がFH-70榴弾砲を配備しています。今後中部方面隊の第3特科隊や第10特科連隊と第13特科隊は順次中部方面特科隊に統合予定、ここ松山に方面特科隊本部が置かれるのは長くはありません。

 松山駐屯地にはこのほか、第14旅団隷下の第14高射特科隊、そして中部方面混成団隷下の第110教育大隊が駐屯しています。なかでも第14高射特科隊は中部方面隊の高射特科部隊に先駆けて最新型の11式短距離地対空誘導弾システムを導入、性能は向上しており81式短距離地対空誘導弾から一新された形状などをみることができる、重要な機会といえる。

 久留米駐屯地創設70周年記念行事、23日日曜日に行われます。西部方面混成団本部が置かれる駐屯地で、また西部方面隊隷下の西部方面特科連隊第4大隊のFH-70榴弾砲部隊は駐屯している、この大隊は有事の際には第4師団へ配属される大隊ですが、元々第4特科連隊として当地にありました。3個特科中隊と本部管理中隊という大きな編成となっている。

 西部方面混成団は団本部と第118教育大隊および第5陸曹教育隊が駐屯、このほか、第4師団隷下部隊としては第4高射特科大隊が駐屯しています、第4師団は現在地域配備師団へ改編されており、戦車大隊は廃止で配備されていた10式戦車は西部方面戦車隊へ、一時配備のAAV-7水陸両用車は水陸機動団へ移管、そうした部隊改編の現状がみえるでしょう。

 大村自衛隊四部隊合同行事、22日土曜日に行われます。大村市はいくつもの自衛隊部隊が駐屯していまして、市街パレードを行うといい、予定では大村福祉センターからバスターミナル前まで、1500時から1540時に実施するとのこと。西九州新幹線ににぎわう大村ですが、バスターミナルは大村駅前、偵察戦闘大隊の16式機動戦闘車なども参加します。

 四部隊というのは、大村駐屯地と竹松駐屯地、海上自衛隊大村航空基地の第22航空群と航空自衛隊第15警戒隊が参加します。大村駐屯地は長崎空港近く、第16普通科連隊と第4施設大隊などが駐屯している。竹松駐屯地は大村線沿線にある駐屯地で第102高射特科隊と第7高射特科群が駐屯、ミサイルの種類により地域防空と機動運用部隊を分けている。

 江田島基地オータムフェスタ2022、22日土曜日に行われます。時間は1100時からですので朝一番で並ぶとすごいことになるのかもしれません、式典と共に1440時から自衛隊観閲式が予定されていて、1745時からは花火大会も行われるとのこと、これは海上花火大会で、このほか基地と同じ名前を冠した新鋭の掃海艦えたじま一般公開も行われるとのこと。

 呉基地自衛隊観艦式フリートウィーク、22日土曜日と23日日曜日に予定されています。土曜日には練習艦しまかぜ、輸送艦くにさき、補給艦とわだ一般公開が予定、23日には護衛艦さざなみ、午後から追加で掃海母艦ぶんご一般公開が予定されているとのこと。自衛隊観艦式フリートウィークは横須賀よりもひとあし先にこの呉基地から開始されるのです。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

・10月23日:弘前駐屯地自衛隊記念日行事市中パレード
・10月23日:大和駐屯地創設66周年記念行事
・10月23日:浜松基地航空祭エアフェスタはままつ2022
・10月22日:江田島基地オータムフェスタ2022
・10月22日23日:呉基地自衛隊観艦式フリートウィーク
・10月23日:松山駐屯地創設67周年記念行事
・10月23日:久留米駐屯地創設70周年記念行事
・10月22日:大村自衛隊四部隊合同行事

■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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台湾防衛産業強化へアメリカ支援-USTBCアメリカ台湾商務評議会代表が調整,アメリカ製装備ライセンス生産

2022-10-21 07:01:11 | 国際・政治
■臨時情報-台湾海峡情勢
 ウクライナへアメリカが装備を大量供与した事で各種ミサイルなど余剰装備備蓄に陰りが見え、台湾海峡有事の際にはどうなるかという懸念の先にアメリカが動きました。

 USTBCアメリカ台湾商務評議会のルパートチェンバース会長は19日、アメリカ政府がアメリカ製兵器の台湾での現地生産について検討していると発表しました、これは具体的な日程の発表ではなく検討の初期段階だとしています。台湾海峡の緊張が高まる中で、台湾での防衛装備品ライセンス生産は台湾域内での有事の際の戦略備蓄強化を意味します。

 台湾はTSMCを筆頭に半導体の国際供給を担う世界のサプライチェーンにあって独自の地位を占めています、この台湾が仮に現在危惧されているような中国による武力統一が行われた場合、世界の先端産業は基幹部分である半導体供給に危機的な状況となり、TSMCなどは毎日のように世界各国からのBCP事業継続計画に関する問い合わせが続くという。

 半導体は、しかし同時に先端防衛装備品の製造にも不可欠な要素であり、これはロシアが半導体をウクライナ侵攻に伴う経済制裁により遮断された現状で精密誘導兵器はもちろん戦車さえも生産ができなくなり、2022年は開戦以後手持ちの半導体だけで生産できた戦車が僅か30両程度、ウクライナでの損失をまったく補填できていない状況があるほどです。

 ATACMS陸軍戦術ロケットとTOW対戦車ミサイルやNASAMS地対空ミサイルにスティンガー携帯地対空ミサイルなど、台湾有事の際に大量に必要となる装備は結果的に半導体を大量に消費するものですが、アメリカは幾つかの意図を考えているのでしょう、先ず半導体の生産拠点において精密誘導兵器を製造する上で地産地消が、台湾での製造の強み。

 戦略備蓄という側面、今回アメリカは台湾へ生産移転するのではなくアメリカで生産しているもののライセンス生産を認める構図です。ウクライナ戦争を通じて、アメリカには大量の同盟国友好国に供与する備蓄がありましたが、ウクライナでの消費もまた膨大であり備蓄に危機的な状況が危惧されています、台湾が生産することは備蓄につながるでしょう。

 アメリカにも利点がある、それは現在、アメリカがウクライナへ大量の弾薬を供給しており、既にミサイル等は連邦軍の戦時備蓄以外の余剰にかなり限界が来ている、そしてスティンガー携帯地対空ミサイルなど製造終了した装備等は補填目処が立たない為にいま再生産の準備を進めているという状況、アメリカ一国だけでの生産には限界があるのですね。

 備蓄は限度がありますが、弾薬庫の容量に関係なく輸出が可能であれば一定数は出荷待ちが手元に残ることとなります、輸出しないので本当の最低限しかないのが日本、輸出するので常に大量の在庫が有事に備えているのがイスラエル、こう比較するとわかりやすいでしょうか。イスラエル方式を台湾にも当てはめようとした、こう理解できるかもしれない。

 日本を比較対象に出した構図ですが、自衛隊の年間消費弾薬は演習場の制約があります、しかしウクライナ戦争を見ますと自衛隊の年間弾薬消費量は数時間で払底する程の状況、250門程の155mm砲へ155mm砲弾80万発、ジャベリン対戦車ミサイルだけで8500発消費した、これを日本に当てはめると自衛隊は輸出しない限り、専守防衛も出来ないのだ。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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